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2024年も踊るピアノ弾きやって来ました

6月とは信じられないくらい寒い日々のメルボルンですが冬の序盤の6月です。
この季節は複数方面で忙しい中noteに書くことがたくさんあって下書きが大渋滞しがちですがめげずに忙しくしてめげずに消化していこうと思います。

そのちょっと前の多忙要因の一つが去年から始まった通称「踊るピアノ弾き」。
通っているバレエ教室の発表会で踊り、ピアノを弾くという数少ない人前でピアノを弾くチャンスでありバレエで人前で踊るチャンスでもあります。
バレエ教室は主に大人向けのクラスで完全ビギナーからプロも来るクラスもあり、毎年スタジオで開催される発表会では大人のビギナーの生徒達が10~15人くらいで踊ります(今年は男子が3人も参加しました)。他にも生徒のソロもありゲストのソロもあり先生方のソロもあり子供達の踊りもあり、という構成になっています。

踊るピアノ弾きは去年に続いて2回目になりますが今年も私はグループ1曲踊る・グループ1曲ピアノ伴奏・先生のソロの伴奏というメニュー。
ピアノ弾く曲はどちらも短くて踊る方はがっつり。
踊った曲はハチャトゥリアンの「仮面舞踏会」のワルツで結構内容みっちり、曲に繰り返しが多いのも地味に大変だしなによりもステージ上で動き回るのが多くてしかもかなり走りました。バレエって実は歩くのと走るのが難しい。

ピアノを弾くほうですが今年も最初に4曲先生に聞いてもらってその中からグループ用に1曲、ソロ用に1曲選んでもらいました。去年と比べて今年は4曲とも手応えありだったのが嬉しいです。こういう場で選べる曲、輝く曲は決して多くないので次回は選ばれなかった曲をまた候補に入れて効率化したい。
少なくとも群舞用の曲はシンプルさを重視するのが良いのとあとやっぱりなんらかの前奏があった方がいいことは今後に向けて確定ですね。

選ばれた2曲のうち先生が踊ってくださった(途中までは「できるかわからないけど」という事でしたが)曲はElena Kats-Cherninの「One Table, One Chair」。サティをイメージして作曲された小品集「Unsent Love Letters」の一曲です。先生はソロで踊るとちょっとモダンな要素も入った振り付けで踊るので20世紀以降から曲が選びやすい、でも他の人が踊る可能性もあったので素直なワルツ、みたいな思考回路での選曲ですが実際リハーサルしてみて色々踊る方も弾く方も自由がきく面白い曲でした。よく思うのですができるものならば私がが選んだ曲を私が弾いて私が踊りたい。

群舞の方ではグラナドスのValses Poeticosからスローな第6番を。といってもなかなか大人のビギナーがゆっくり踊るのって難しいので自分が弾くだけの場合より動きのあるテンポに最終的になりました。改めて振りが付いて踊ってみると(欠席の人の代わりでちょっとこれも踊りました)ちょっとフレーズの数的に短かったかもなあ、と思いつつこの曲の長さでそれなりに展開があるのは発表会曲にぴったりでもあり。他のワルツも今後使えそうだし面白いので発表会が終わって練習し始めました。

弾く分には「ワルツをワルツらしく弾くには」と同時に「ワルツの範囲」について考えさせられた2曲+踊った1曲でした。3曲とも違う国で違うキャラクターのワルツで、弾くにも踊るにもそれぞれ違う表現が必要になるけどワルツとしての共通項もあって興味深いのですが、同時にこういう場のための選曲をするとどうしてもワルツが多くなってしまうので別の種類の音楽も今後に向けて候補を探さないとなとも思いました。3拍子でなくてもなんかあるはず。

私が通ってる教室には教室が始まってすぐの頃からずっといるおばあさん生徒がいて、発表会も1回も欠かさず参加していたのですが今年のリハーサルが始まる直前に突然亡くなってしまいました。今回の発表会の演目を選ぶ上で「彼女がこれ踊りなさいって言ってる気がして」という話が複数回聞かれたり、いわゆる「divine intervention」みたいな要素がある発表会でした。82歳で相変わらずレッスンも毎回来てて亡くなるほんとうに2週間くらい前まで踊ってたのを見て「もし長生きしたら踊り続けられるといいな」と思ってたのは私だけじゃないはず。レッスンも発表会ももうご一緒できないのは残念ですが何歳でも健康でいよう、体を動かして踊り続けていようと思いバレエを楽しむたびにみんなの中に彼女が生きているんだと思います。

ちなみに去年はピアノ弾くとき観客席の後ろからこっそり回ったのですが今年はちゃんと前を通っての登場だったので思ったより緊張するはめになりました(去年も前を通りなさいよ、という話ではあるのですが)。
「仮面舞踏会」は発表会のトリだったのですがあれだけ量があるのに本番だけはまるで疾風のように駆け抜けてあっという間に終わったような感覚でした。
踊る分にも弾く分にも去年より心持ちしっかりしたかなと思ったのですが実際の出来はどうたったかな。少なくとも写真では大丈夫・・・ぽい?
そして曲を提案してから演目として確定するのにちょっとかかりましたがなんだかんだで先生が今年も踊ってくれたことに感謝です。来年もいい曲見つけてそそのかしす予定ではいますがまずは私が先生のツボに入る曲を見つけられるかどうかにかかってる。先生以外の人の伴奏もしてみたいですが前述通り先生が20世紀以降音楽と相性がいいので結局先生とになるかも。

そして発表会が終わりピアノはだいたい次のチャレンジをいくつか見つけ、バレエはちょっと膝を万全にしてからこれから頑張ることを探す予定と新しいサイクルが始まります。今後どちらか何かあればいずれまた。