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A-Leagues All Accessエピソード16~20見どころなど

A-Leagues All Access各エピソード紹介記事、第4弾。
前回のエピソード11~15はこちら。

毎週楽しく観てるのですが当たり前ながら毎週新しいエピソードが追加されるので感想の方はわたわたしながら書いてます。あんまり遅れないようにがんばる。

エピソード16:Mathew Leckie 「The Way It Is」

このエピソードの主役:
長いことドイツでプレーしていた後にAリーグに帰ってきたメルボルン・シティ所属のSocceroo、Mathew Leckie。カタールW杯ではデンマーク相手に素晴らしいゴールを決めました(放映権の関係で動いてる映像が使えないのが本当に勿体ない)。
Leckieが主役・・・なのですがこのエピソードを録るために密着しているタイミングで練習中に負傷、なので彼に焦点を当てるはずだった試合は欠場となるシリーズ初の異常事態に。(あと後で分かったのですがこの時にシティに他にもステルス怪我人がいたそうで、密着されている側としては色々ヒヤヒヤしていたかのかもしれません)
そのLeckieの負傷離脱が始まることとなったフィーチャー試合が2月25日、ホームでのシドニー戦。シドニーが好調だったのと前の試合のダービーでLeckieがものすごく活躍していたこともあってどうなるか、という空気はきっとあったはず。

注目ポイント:
黙々と自分の仕事をしっかりこなして功を上げるタイプの人間を「Quiet Achiever」と英語で言いますがLeckieは正にそういう選手。デンマーク戦でも攻守に走り続け、ソロゴールを決め、試合後インタビューや記者会見に対応したあと怪我離脱中のチームメイト&ルームメイトMartin Boyleの車椅子を押して回る、そんなやつ。なのでW杯を終えてオーストラリアに帰ってきても至ってクール。「もっと感情出せよ!」とシティのチームメイトValon Berishaに言われるほど。(そういう意味でValonはこのチームで貴重なイメージ。クールなキャラがとにかく多いんだシティは)
なのでAリーグに戻ってきてからも出場し続けて黙々ハードワークして負担が負傷に繋がることももちろん十分あり得た事。その結果の主役のいない試合はやはり寂しさがどこかありますが、でもこの試合をシティのRado Vidosic監督の目で見るのもまた興味深いエピソードになりました。どうして試合の前半が良くなかったと思ったか、前任Kisnorbo監督とプレースタイルが変わったわけではないけどアプローチがどう違うか、など見るポイントが色々あります。

エピソード17:Grace Maher 「No Simple Path」

このエピソードの主役:
Aリーグで唯一女子チームしかないキャンベラ・ユナイテッド、そのキャンベラで23歳ながら長いこと主力として大きな役割を負ってきたGrace Maherが今回の主人公です。
彼女は本来MFで遠距離シュートを特に得意としています(いくつか映像内でも例が出てきます)が、キャンベラはとにかく良いMFが多いこともあって最近はCB起用も増えました。でもいずれはMatildasの中盤で見てみたい選手。
そんな彼女に密着した試合は3月4日、アデレードをMcKellar Parkに迎えての試合。ちょうどこの頃また強いキャンベラが見られるようになってきて面白い試合だったのが記憶に残っています。

注目ポイント:
オーストラリアのサッカー界は地理的には大きくても人間的には小さい世界だったりして、幼少期から知り合い同士で今チームメイトという例はたくさんあるのですが、GraceとNicky Flanneryとの友情コンビの始まりはサッカーじゃないところから始まってるのがちょっと例外的。でもなんだかんだ二人ともサッカーの道に進んで今キャンベラでプロとしてやっている不思議な縁。Graceが中盤にいたらピッチ上でももっと絡めるんだろうなあ。
そしてこのエピソードで印象深かったのがGraceが昔育ったクラブで手伝いをしているシーン。ゆりかごから墓場まで、とまではいかなくとも各地に数あるローカルのクラブはAリーガーや代表選手が生まれるところ、そしてずっと後にもお世話になること。この国のサッカーを支える様々なつながりの大事さを確認するような一コマでした。

エピソード18:Carl Jenkinson 「Away from Home」

このエピソードの主役:
コロナ禍が明け始めたあたりから「そんな選手がAリーグに?」みたいな経歴と知名度の選手が移籍してくるようになってきましたがその割と早い例がイングランドのCarl Jenkinsonでした。最初はメルボルン・シティにいましたがその後ニューカッスル・ジェッツに移籍。何かと弱点扱いされるジェッツの守備をサイドで&センターで任されるように。
そして今回注目の試合は3月11日のアデレード戦。アップダウンが続くジェッツに対しアデレードは試合内容がカオスなものもありながら結果は続けて残してきている状態でこの試合に臨んでいました。

注目ポイント:
オーストラリアのイメージとしてやっぱり海はあるあるですが、中でもニューカッスルの海は美しいですね。この辺りの出身のとある選手が海外に行ってこの海を恋しがっていたのも分かります。前回のジェッツ回はアウェーだったので今回ホームの回で海が取り上げられてよかったです。ニューカッスルにしても隣のセントラルコーストにしても海もいいですしスタジアムも良いですし是非どちらも楽しみに訪れて欲しいです。
そんなのどかな景色とは対照的に試合はなかなかハード。アデレードの強さは色々ありますが、何より対戦相手の心を砕く17歳Nestory Irankunda君は必見。この前後の試合でも終盤の脅威になっていて、Socceroosに招集もされましたが最年少デビューはならず。世界の舞台でこの苦労がわかってもらえる彼の活躍が見れるのはいつになるかな。

エピソード19:Rahmat Akbari 「On the Rise」

このエピソードの主役:
オーストラリアには様々な文化背景の人が住んでいますし、それが少なからずともAリーグにも反映されています。ブリスベン・ロアーのAkbari君はアフガニスタン生まれで少数民族ハザーラ人の出身。ユースレベルではオーストラリア代表に選出されたことがあり、トップチームでは(代表する国が固定されない)親善試合のみでアフガニスタン代表でプレーした経歴があります。
フォーメーションやチームの調子など色々あってブリスベンでスタメンではなかなか見られませんでしたが監督がNick Greenになってから、このエピソードが収録された前後の期間では結構安定して先発でした。フィーチャー試合は3月18日のウェスタン・ユナイテッドとの試合。Akbari君スタメンです。

注目ポイント:
Akbari君とその家族の出身であるハザーラ人はアフガニスタンの少数民族だそうで、ターリバーンの迫害を受けている人々だそうです。前々から(ヴィクトリーに所属してたこともあるので)顔立ちはわかりやすくモンゴロイド系だけど不思議な目の色をしているなあ、と思ったのですがなるほど。そんなAkbari君が家族がどうやってオーストラリアに来たか、そして昨今の母国の政情に彼の人々がどう反応しているか、などが語られる貴重なエピソードです。
Akbari君は(少なくとも今は)A-Leagues All Accessの他の主役の多くほどスターという感じの選手ではありませんが、有望な若手の一人です。なので今回の試合シーンを見るときはそこを踏まえてそんな彼の奮闘を身の丈でリアルにとらえた映像として楽しんで欲しいです。

エピソード20: Alex Rufer 「Born for This」

このエピソードの主役:
今回は海を渡ってニュージーランドが舞台。ウェリントン・フィーニックス男子のキャプテンとなったAlex Rufer君に焦点を当てたエピソードです。
冒頭で彼の叔父さんが海外で長くプレーしていたという話が出てくる中で日本も挙がったので調べたらこの人だそうですね。Jリーグとオーストラリアの縁はたびたび話に出ますがニュージーランドとも結構昔から繋がってる。
Rufer君に密着した試合は今期ウェリントンでの最後の試合(オークランドでのホームゲームは残っていましたが)、4月1日にメルボルン・ヴィクトリーを迎えたデイゲーム。ヴィクトリーの選手のことを話しているくだりが面白かったですし、このさらに前に女子チームの方がヴィクトリー女子と試合をしてるダブルヘッダーでそちらの話もちょろっとだけ出たり対戦相手のサポーターとして個人的に興味深いエピソードでもありました。

注目ポイント:
Rufer君はこのエピソードの前に契約延長を発表。来季に向けて監督と何人か主力が抜けることが決定している中ウェリントンのこれからを背負う若きリーダーとしての姿にも焦点を当てています。まだまだこれから、という印象はありますがきっと立派にキャプテンを務めてくれるはず。それから長くAリーグやってて得点は最近の2つだけ、という話も断片的に出てますがきっとそれもこれから伸びるんじゃないかな。
そして今回初のニュージーランドロケということでウェリントンの気候環境のオーストラリア各地との違いは目に留めておきたいところ。練習場の背景に山がある!とか、試合中継の天気表示で風がものすごく吹いているのとか。あれはスタジアムの外の数値と思いますが、Sky Stadiumほど「ケーキの型」みたいに垂直方向高いスタジアムでも中も結構風が吹くくらいウェリントンという街は風が強いんだなというのがわかる映像でもあります。女子W杯現地参戦の際にはちょっと注意が必要。

次回(エピソード21~25)に続く。