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女子も男子も豪(+α)サッカー五輪での戦い終わり

オーストラリア男子・女子代表が久しぶりに揃って出場した東京オリンピック、7月21日の女子グループステージ1試合目に始まり8月5日の女子3位決定戦に終わりました。忙しい試合日程もあり予想だにしなかった試合展開もあり本当に濃い2週間。選手だけでなく関係者の皆さん全員お疲れさまでした。
今回はニュージーランドも男子・女子と揃って出場で知ってる選手も多かったので(というかヴィクトリー所属選手はNZ女子代表が2人と多かった)そちらも合わせて応援。女子はまさかの豪・NZ同グループだったので全力でとはいきませんでした。(次は共同開催のW杯なのでその時は今度こそ・・・!)

結果としてはオリンピックオーストラリア男子代表(Olyroos)はグループステージ敗退、女子代表(Matildas)は4位。どちらも違う悔しさ、残念さなどありますが必ずしも悲観することばかりではなく(前者も含めて)、これから各代表が進む道についてある程度の希望も見えるような要素もあり。両方の代表チームにとって重要になった大会をちょろっとずつ振り返りたいと思います。

男子:国内組の台頭

まさか招集メンバーの半分以上、スタメンの大部分がAリーグ勢のこのチームが初戦でアルゼンチンに勝つとは、まさかスペイン相手に80分も耐えるとは、というインパクトはグループステージで敗退した後も忘れられません。

以前他のAリーグ関連の記事いくつかでも書きましたが2020/21シーズンは若手のリーグ戦出場(人数も時間も)が増えたシーズン。予選トーナメントの時と比べると目立った違いは本当にそれだけで、でもそれがどんなに差を作ったか(予選最終戦と比べると違いが目に見えます)。実戦での出場時間を増やすだけで国内リーグにいる若い選手でもこんなに戦えるということには目が覚める思いでした。

実はその影響はOlyroosだけではなく、今大会はニュージーランド代表も強かった。NZ代表もOlyroosほどではないですがAリーグ所属の選手が多く出場(主にウェリントンから)していたので同じような恩恵を受けているのではないかと思います。豪・NZの男子代表同士は女子ほど兄弟姉妹感はないのですが同じAリーグを通じて一緒に成長している感覚はなんか嬉しいです。

Aリーグもオーストラリアのサッカーの生態系全体から見てなにかと色々言われてきましたが、こういう場で戦える若い選手を育てている、大都市周りに限らず様々な場所から良い選手を拾い上げられている(これはオーストラリアでの実況解説でないとちょっとわかりにくい部分ではありますが)など、必ずしもまっすぐな道でなくとも方向は合ってるのかなとやっと思えるようになりました。

なので可能性が垣間見えた今することは人員と時間をもっと費やして広げて底上げすることかな。選手層はもっと厚くできるはず。そのためにも今シーズンもAリーグが引き続き若手が試合に出れるリーグであるといいなと願っています。のっぴきならぬ事情があったとはいえ今年大会前の貴重な強化試合を国内・海外組に分けて費やさなきゃいけなかったのはもったいなかったですし、あと不測の事態とか何らかの問題があって選手を外さなきゃいけない場合にも惜しまないくらいの層があればいいな、と。

(ちなみに帰りでの問題については他の競技の選手に関する話もあったりどれくらい関与していたかなど、少なくとも詳細な調査から情報が得られるまではコメント保留ということで)

女子:新体制での飛躍

Matildasが新監督Tony Gustavssonの元に集まって初めて試合をしたのが今年4月のこと。ヨーロッパで4戦、日本に入国してから1戦試合をして勝ち無しという状態でオリンピック本戦に臨みました。
もちろん準備期間を通してもだんだんチームがまとまってきている感じはありましたが、割り当てられたグループの厳しさを考えても間に合うのか見ていていまいち自信が持てずにいました。

実際今振り返るとグループステージの試合でもだいぶwork in progressだったところがあった気がします。ただその中でなんとか毎試合積み重ねてギリギリで勝ち上がった結果が準々決勝でのイギリスに対する勝利であり、その後の2戦の惜しい結果であり、そして3試合を通して見られた「Never Say Die」精神の体現。終盤のエキサイティングな底力がまた見せられるようになっただけでも「これぞMatildas!」と思える大成長でした。

新体制になったこともあり長らく代表試合してなかったこともあり最初は数歩後退したかなという感もありましたが、それを親善試合の時に済ませておいてよかったですし、その後の成長には真剣勝負のトーナメントだからこそ大きく伸びることができた側面もあったはず。もちろんメダルが獲れたら素晴らしかったですがMatildasがここまでたどり着けたことでも十分すごいですし、2023年の自国開催W杯をピークの目標にと考えると現時点では上出来では。
なのでMatildasは今も強いですしこれからもっと強くなるはず。ただW杯とその前のアジアカップに向けて課題も(ピッチ内外で)たくさんあります。

ところで皮肉にも、というほどではないですが男子も女子もオリンピック最後の試合は「それまで大きな働きをしてきた不動の右サイドバックの欠場」がある程度響いた感があります。男子だけでなく女子も選手層大事。国内リーグを筆頭にもっと強化していけるといいな。

余談ですが豪・NZの男子&女子代表が敗退したあとも(敗退したため?)ニュージーとオージーの審判団がそれぞれ3位決定戦に出てました。審判としても大舞台でしたが概ね大丈夫でしたかね?

あと余談2つめ、男子代表は試合が北海道・宮城だったので選手村にはほとんど行けなかったようですが女子代表は五輪期間の大部分を選手村で過ごしました。インスタでは選手村でオージースタイル(エスプレッソ)のコーヒーがあることにとても喜んでいました。私もオリンピック仕様の携帯用コーヒーカップ欲しかった。

一つの大会が終わり、各々次の場所へ。
2022年と2023年とその先に進み続けられますように。