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社会課題の壁に立ち向かう原動力は"マクロな視点"と"チームの力" 4周年イベント振り返り⑤~習慣コイン賞グランプリ 古稲計さん~

皆さん、こんにちは。
actcoin運営スタッフの黒木です。

本日は、久しぶりのactcoin4周年の表彰式の振り返り記事です。
actcoinの「習慣」機能で昨年度に最も多くのコインを獲得された、古稲計(こいねはかる)さんにお話を伺いました。

どうやってソーシャルアクションを始めるとよいのか?
どのようにactcoinを使いこなしているのか?

そんな疑問にお答えいただきました!
ぜひご一読ください!

古稲計(こいねはかる)さん

<プロフィール>
上智大学外国語学部卒。
YKK 株式会社、米国や中国の海外勤務後、海外事業部や知的財産保護に携わる。
その後、フェアトレードラベルジャパン シニアアドバイザーや学校法人文化学園非常勤講師を経て、現在一般社団法人 NAP シニアアドバイザー。フェアトレードタウンむさしの委員。シニアプロシューマ―( 生産消費者 )* としてサステナビリティの推進活動にチャレンジ中。
*1980 年の米国の未来学者アルビントフラー教授の造語ですが、生活者の立場からものを作り上げたいという意味で、独りよがりに使っています。

ー このたびは習慣コインでのグランプリの受賞、おめでとうございます!ご感想を聞かせてください。

 受賞と聞いて驚きました。あくまでactcoinは、自分の為にやっているので。このような表彰をもらえるとは思っていませんでした。ただ改めて表彰していただけたことは嬉しいです。

ー 古稲さんは、様々な団体に関わりながら活動をされていらっしゃいます。どのようなきっかけからソーシャルグッドの世界に携わられるようになられたんですか?

 企業で働く中で、お客様からCSRやフェアトレードについて教えていただいたことが、きっかけです。

 私は長くYKKで仕事をしていました。スポーツ系、ハイファッション、スーパーブランド等のグローバルなお客様との取引も多く、2000年前後の時期に、それらのお客様から「環境問題や児童労働への対策を行っているか」といって、問合せや場合によっては海外の工場に監査が入るようになったんです。

 「なぜこんな動きが出てくるんだろう?」と、疑問に思っていたところ、2004年にある企業セミナーでCSRの考え方に出会いました。「投資家だけでなく、多様なステークホールダーとしての社会や環境への配慮を行い、企業の実質的な活動が問われる。」という考えでした。企業の利益追求だけではなく、+αの生き様のようなものを感じて、エネルギーをもらったんです。

 その後2007年ごろに、People Treeというブランドから「ジッパーが壊れてしまうので、いい製品を供給してほしい」とお声がけいただきます。生産場所は、バングラ、ネパール、インド等と、真摯にサプライチェーンを開示いただき、CSRの文脈で興味を持ちました。

 そこでPeople Treeのイベントに勉強に行ったところ、雑貨等を作り、英国や日本の消費者にご購入にいただく、Aid(支援)でなく、継続的なTrade(貿易取引)を行い、生産者の自活を図る活動というものでした。「フェアトレード」との出会いです。

 また東日本大震災が起きたときも、People Treeの方々は、出かけて行ってボランティアをやったり、寄付活動をしていました。「新興国対応だけでなく、困った人への活動をしっかりと行っている姿」に目から鱗が落ちるようでした。

 2016年~2017年でYKKを退職した後に、フェアトレードへの興味から、フェアトレードラベルジャパンへ参加しました。そしてコットンのフェアトレード調達を、日系企業に導入する仕事に携わりました。20~30社にお会いし「良いですね」と言ってもらえたものの、採用はしてもらえませんでした。 

 不採用になったのは、事業としての採算性の点です。フェアトレードによる最低価格保証制度やプレミアム価格、或いはサプライチェーンの監査費用等で、普通より原価が高くなるため、「買ってくれるお客さんがいるだろうか?」と懸念されてしまいました。現場に飛び込んだことで、フェアトレードを実現することが簡単ではないことを、改めて知りました。

ー 大きな壁に直面されたんですね…!その壁に、負けずに立ち向かえた秘訣は、何ですか?

 1つは、組織として取り組んでいたからでしょうか。私の担当したコットンは動かなかったんですが、紅茶やコーヒー・チョコレートは、少しずつ取り入れてくれる会社が出てきていました。また自社の商品としてではなく「フェアトレード消費」という形での導入もありました。来客時のコーヒーをフェアトレードコーヒーに変えるような取り組みです。こうした他チームの成果にとても励まされていました。

 そして、もう1つ大きかったのは、CSR・SDGs(サステナビリティ)・CSVが、大きな流れとして動いている実感を持っていたことです。「なかなか動かないこともあるが、やっていることはいいことだ」という自負を持てました。

「フェアトレードタウンむさしのフレンズ」の集合写真
(フェアトレードむさしの提供)

 さらに活動を続ける中で、新しい出会いがあることにも励まされます。吉祥寺・武蔵野地区で、店舗を構えたフェアトレード店舗‘シサム工房’に通勤の帰りに通う中で、フェアトレードむさしのの「フェアトレードタウン」運動を知り、今の活動につながりました。

ー 古稲さんは、2020年末頃からactcoinを使い始めていただいてますね。どのような出会いだったのでしょうか?

 ちょうどコロナが出てきた年でしたね。コロナによって、活動が出来ず困っていたときに知ったのが、actcoinでした。「自分の活動を可視化できるのが面白そう」と、やってみたら、小さな活動がたまり、ポイントがたまり順位が上がっていく。ハマりましたね(笑)。
 気が付けば、actcoinで活動の記録をつけることが「習慣」になっていました。

 それからコロナ禍でactcoinがよかったのは、NPO・NGOやその他の組織のソーシャルなオンラインセミナーを受けられたことです。面白いことをやっているセミナーがあり、実際的に役に立ちました。

 寄付についても、コインとして返ってくるのが面白いです。私はまだ寄付はたくさんしていないのですが、インセンティブにもなります。さらに将来的には、コインそのものが、社会活動に役に立てばいいと思っています。

actcoinでは「習慣」や「イベント参加」「寄付」でコインが貯まります

ー 古稲さんは、複数のコミュニティに所属しながら、actcoinを使ってさらにコミュニティを広げていらっしゃいます。どうやったら、できるものでしょうか?

 複数の所属があることが、良いんだと思います。私は、フェアトレード関係以外だと、NAPさんという団体で外国人の人材を日系企業に紹介するお手伝いも行っています。このつながりがあるので、actcoinのイベントで企業の方に出会えると出かけて行ったりします。もちろん個人として、問題意識の近い人とネットワークを作りたい側面もあります。
 この複数の所属と、個人の興味の両輪がモチベーションになっていますね。

actcoin Meetup!#14にも参加いただきました!

読者に一言

 今回はインタビューという機会をいただきましたが、私自身はあくまでお酒・ゴルフも好きな一般のシニアだと思っています。そんな中でやれることをやろうとしていることが、良かったのかもしれません。ゴルフの賞品をフェアトレードやエシカル商品に変えるみたいなところですね。

 あとは他の人にも、ぜひactoinを使ってみてほしいです。日本人は「隠匿の美」のような良いところだから密かにやる所があると思うんです。その感覚で続けられる人は良いと思うのですが、「色んな社会課題があり、なかなか進まない」という気持ちになることもあるはずです。そんな時に、actcoinで活動が可視化されたり、表彰があったりすることでモチベーションを保つことが出来ると思います!

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