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【イベントレポート】エクアドルのサンタさんと考える!地球時代のカカオ農業って?

皆さんは、「チョコレート」と聞くとどんなことを思い浮かべますか?

バレンタインを思い出してウキウキする方、甘い香りを思い出してつい頬が緩んでしまう方、大きなカカオの実が頭に浮かぶ方…人それぞれかと思います。

actcoinは5月から10月にかけて、エクアドルでカカオ農業を営み、「Noel Verde」というチョコレートブランドの代表・高橋力榮さんをゲストにお呼びし、全4回のシリーズイベントを開催しました。

Noel Verdeについて

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実際に販売しているチョコレート

Noel Verdeは、エクアドルでカカオ農業からチョコレート製造と販売までのすべてを手掛けていることが特徴です。作り手の幸せから地球環境まで配慮した誰もが嬉しいモノづくりを実現されています。

代表・高橋力榮さんについて

現地のカカオ農家さんと笑顔を向ける高橋さん

◆講師プロフィール

高橋力榮(たかはし りきえい)
1976年、栃木県那須町生まれ
輸出業者、有機農業技術者、カカオエクスプローラー

大学卒業後1999年より2年間イスラエル、スペイン、イギリス等の海外遊学中に有機農業の世界に入ることを決意。
帰国後、実家の農場経営をはじめる。2008年南米エクアドルに移住し自然循環型農法のバナナ農園内研究所で働き、有機農業化やデータ化に従事し増産に寄与。エクアドルのカカオに惚れ込み、2017年TAKAHASHI trading and investigationsを設立。
農業指導やカカオ製品の輸出を始め、2018年自社チョコレートブランドNoel Verdeを立ち上げる。

イベントの様子

第1回【リッキーさん(高橋力榮)さんのライフストーリーとカカオの歴史】

vol.1ではリアルイベントを行い、カカオ農業に至るまでの高橋さんのライフストーリーを伺いました。

講演中の様子
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用意いただいたNoel Verdeのチョコレート

イベントの後半には、Noel Verdeが製造しているチョコレートの試食も。参加者同士での交流が大変盛り上がりました。

第2回【レイズトレードとアーストゥーバー】

「実地に落とし込むに必要なことは」を軸とし、高橋さんがどうしてエクアドルで農業をしようと思ったのか。どんな農業を目指し、取り組んでいるのかなど、初回を踏まえたうえで、どのようなアクションを実行し、悪戦苦闘をしてきたのかなどを伺いました。

エクアドル流写真の掛け声「ウィスキー!」でパシャリ

オーガニックのカカオ農業を始めるはずが、なぜチョコレート作りまで?きっかけはチョコレートが生産され販売されるまでの仕組みの中にありました。

チョコレートが1つあたり100円だとするとカカオ農家の利益はたった5円、オーガニック農家の場合でも7円。残りは加工業者と輸出業者が占めてしまうそう。
そのような現実・不条理さを知った高橋さんは、環境も農家も豊かになる仕組みを作りたい。そんな思いから、カカオ農家だけでなく、チョコレート作りと輸出までを全て行うことを決意しました。

高橋さんが農業を営む中で意識しているのは、【共に育つ】レイズトレード。普通のカカオに比べレイズトレードは1.75倍農家に対価が支払われます。

他にも、農家への教育を行いながら品質の向上と増産方法も一緒に考えています。農家さんの意識が上がると生産の安定化につなげられ、次世代育成への貢献の期待も見込めます。
多種多様な遺伝資源を持つカカオの種は一度途絶えると二度と戻ることはないと言われているため、得た知識を他の農家にも共有し、エクアドル全体の成長も目指していると仰っていました。

第3回【テロワールについて】

第3回では、Noel Verdeが取り組むSDGsについてや、カカオも気候や地形など、環境によって味や風味などが異なる、などといったお話を伺いました。

①取り組まれているSDGs
4:エクアドルの農家・エンジニアの教育の質の向上
13,15:無農薬で栽培をすることで、微生物や小動物にも配慮。温室効果ガスを出さない農場で栽培をしている

②土地ならではの特徴
地形が豊かなエクアドルでは独自の種類のカカオ豆があるそうです。
エクアドルの気候は、標高によって熱帯性気候から温帯性気候、そして高山帯の気候へと変化していきます。基本としては、サバンナ気候、高地西岸海洋性気候、熱帯雨林気候の3種類です。

土地にあったカカオの品種が育つため多様性が生まれ、土地を生かした農業を行うことでサステナビリティにもつながる。そう仰っていました。

第4回【現在の活動とその後の展開 七方よし】

あっという間の最終回!
最終回では、高橋さんが現在エクアドルにて、カカオ農業など以外にどのような活動を行っているのかを伺いました。

キーワードは、【七方よし】

皆さんは「三方良し」という言葉はご存知ですか?売り手も、買い手も、そして地域も誰にとっても良いものを。経営をする際の考え方です。

Noel Verdeでは、さらにフィールドを広げ、誰にとってもどこにとっても良い事業展開を目指しています。

  1. 生産者

  2. 売り手

  3. 買い手

  4. 地域社会

  5. 生き物

  6. 自然

  7. 未来

Think globally, act locally.
施策は世界を視野に、行動はまず足元の小さなところから。

この言葉を大切にしていると高橋さんは仰っていました。

また高橋さんは、カカオ農業を営む傍ら、有志でチャリティー活動も行っています。
始めはエクアドル国内の施設を回り、サンタクロースの格好をして歌を歌ったり、プレゼントを配ったり。そんな活動を続ける中で、2020年2月、新型コロナウイルス感染症の蔓延という壁に直面します。

厳しい家庭環境に苦しむ子どもたちを支援したい、そんな思いから「ハチドリの一滴」プロジェクトを期間限定で立ち上げました。具体的には食糧支援、衛生用品、薬、マスクなどを子どもたちを中心に届けられたそうです。

今後は、チョコレートの販売拠点拡大だけではなく、サンタクロースとしての奉仕活動の強化や、エクアドルでのインバウンドツーリズムと子どもたちの教育の場を作ることを構想していると最後に仰っていました。

参加者特典

今回は参加された方への特典として、Noel Verdeのチョコレートを購入する際のクーポンチケットを用意。最終回は申し込みチケットを値段別に3つ用意し、チョコレートがオプションで1~3枚付いてくるというプランも導入いたしました。

推奨期間内にチケット購入をされた方は、最終回のイベントの後半で高橋さんのレクチャーのもと、さらに美味しいチョコレートの食べ方にトライも!

「セミナーに参加することで美味しいチョコレートを通常よりも安く購入できる」「より美味しい食べ方を専門家から聞ける」そんな今回のイベント。社会課題解決にアプローチするアクションが自分にとって嬉しいことに繋がりました。

その「嬉しい」はまさにactcoinが実現したいこと。今回のイベントを通じて、actcoinのミッション「ソーシャルアクションを新しい価値に変える」ことの実例がまたひとつ増えました!

最後に

全4回のイベントを通じて、チョコレートの世界をより深く知ることができたかと思います。

100名近くの方にお申し込みをいただき、新しい出会いも生まれ、企画メンバー一同大変嬉しく思っています。actcoinは今後も多くのイベントやユーザー同士の交流の場を企画していきますので、イベント情報に引き続き注目していただけますと幸いです。

引き続きactcoinをどうぞよろしくお願いいたします!



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