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「ジャストトランジション」の実現を目指す:NPO法人ER.の新たなビジョンについて

こんにちはー!ER.代表の鈴木です。
さて、今回はER.がどんな団体か、私たちの問題意識や今後のミッションなどを簡単にご紹介します!
 
突然ですが、「ジャストトランジション」と言う言葉を聞いたことがありますか?
実はこの概念、日本ではまだまだ浸透していませんが、欧州など海外ではホットトピックであり喫緊の社会課題として考えられています。
今回はジャストトランジションってなぁに?
そして、なぜER.という団体がジャストトランジションのために行動しようするのか?
今後の構想も含めて簡単にご説明します~!


Just transition(ジャストトランジション)とは?

”変化は起きる”
(UnsplashのSOULSANAが撮影した写真)

このJust transitionという言葉、日本語では「公正な移行」と訳されています。
企業の動きとして重視されている、ESG(Environment, Social, Governance; 持続可能な世界を実現し、企業が長期的な成長をするために注目する3つの要素)のなかでいうとEとSの間にあるような概念と考えられています。
欧州をはじめとして世界が急激に脱炭素社会へと移行していくなかで、反面、多くの失業者が生まれています。例えば、鉱山労働者、電気自動車の普及によってガソリンスタンドで働く人たちや製油所などで働く化石燃料従事者などが、今まさに直面しています。
このような、失業リスクなどを含む社会的に及ぼす負の影響もきちんと勘案し、最小限に抑え、雇用創出や雇用移行を行うなど、誰にとっても公正な形で社会をグリーンシフトしていこうと、2009年のCOP15(COP=気候変動枠組締約国会議)で、国際労働組合総連合から提唱された概念がJust Transition(ジャストトランジション)となります。
また、関連する課題として、鉱山労働者の失業者増加や、気候災害の被災などによって、特に影響を受けやすいのが貧困層、さらにその中でも女性が困窮する事態が生じているという報告があります。こうした現状に対し、Feminist Just transition(フェミニストジャストトランジション)という概念も生まれています。

▶国際NGO FoEによる報告「フェミニストジャストトランジション」https://www.foejapan.org/climate/event/img/210821_fukakusa.pdf

▶World Bank "Just Transition for all: A Feminist Approach for the Coal Sector"
(英文記事;全ての人のためのジャストトランジション:石炭産業のためのフェミニスト的アプローチ)


ER.の新たなビジョン:ジャストトランジションが達成される世界を目指す

”私たちは未来を大切にします”
(UnsplashのMarkus Spiskeが撮影した写真)

欧州が着々と脱火力発電力体制に移行している一方で、日本の脱炭素対応では火力発電も今のところ政策として全撤去するとまでは舵を切ってはいません。それでも、日本に約140基ある石炭火力発電のうち、発電効率の低い114基を「できる限りゼロに近づけていく」方針を政府が発表しています。
「非効率な石炭火力発電所、2030年までに段階的に休廃止へ」(ロイター通信)
https://jp.reuters.com/article/coal-fired-power-plant-japan-idJPKBN2430G7

加えて、脱炭素化の潮流により、産業縮小やそれに伴う失業率の増加などを余儀なくされている地域の中小企業もでてきており、日本でもじわりじわりと、脱炭素によるネガティブな影響が現れ始めています。
海外ではこうして職を失う人に対して給与補償やリスキリングの機会を国が提供する例もあります。しかし、欧州とは異なる脱炭素対応をしている日本においては、根本的に「誰一人取り残されずにグリーンシフトしていく」ためには、国の対応を待たずして地域や民間企業レベルで自立的にボトムアップ型のアクションを実践していく必要があります。

そこで、私たちER.は、これまで通り「環境問題にアクションを起こす人を増やすこと」をミッションとして掲げることに加え、今後は「ジャストトランジションが達成される世界を目指す」ことをビジョンとして行動していきたいと考えています。

「ジャストラカレッジ」構想中! 

"あなた自身を信じて"
(UnsplashのKatrina Wrightが撮影した写真)

私たちは現在「ラーニングジャーニー」というオンラインスクールを提供中です。
環境問題って、「難しい課題だな」とか「壮大すぎてどこから何をしたらいいのか…」とついつい感じてしまうこともあると思います。でも、実は誰にとってもめっちゃ身近だし、人によっていろんな向き合い方があります。ただ、そういうことを素直に構えず話せるような機会はほとんどない場合が多いとも思います。
ラーニングジャーニーでは、環境問題に対してパッションとミッションをもって様々なアクションする多様な人達と出逢い、参加者同士で対話を重ねることで自分らしい環境問題の向き合い方やスタンスを形作っていくことを目指して機会を提供してきています。思考を進めることで、自分なりのアクションを見つけ、実践することを応援しています。

今後は、これをさらに発展させた「ジャストラカレッジ」の開校を構想中です!
ジャストトランジションの基本概念や先行事例を学んだり、参加者同士が気になる話題や課題意識を共有できるような場を作ることで、環境問題にアクションする人を増やしつつ、私たちが今まさに生きる社会を公正な形でより良い場所とするために探求できる機会を提供していこうと考えています。
今年中には具体的なお知らせを出したいと思っていますので、ぜひご期待くださいませ!

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