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“だんだん”地域になじんで、暖かい雰囲気をまとい始めた、わたしたちの「暖・だん・花壇」

12月3日(土)、2022年最後の講座が行われました。

今回はいよいよ、冬春花壇の植栽です。

前回の講座で一年草の抜き取りをし、スコップで土を耕し完熟腐葉土を施した一年草エリアに、冬から春にかけて花を咲かせる一年草を植えつけます。

例年に比べて暖かかった気候も、数日前から急に寒くなり冬到来。
講座が始まるころには、曇り空に時々、細かな雨が舞う怪しい天気に……。

講座が始まったころは怪しい空模様でした

「午後に向かって天気はよくなる」という予報を頼みに、三浦先生による植栽講座がスタートしました。

花壇に一年草を植えるのは、豊富なカラーバリエーションによって花壇を華やかに彩ることができるから。
そのためには、一年草の苗を隙間なく植えたいところですが、費用やメンテナンスの問題もあり、なかなかそうもいきません。
ところが、同じ苗の数でも隙間が目立たなくなる植え方があるのだそう。
それが、三角形を組み合わせるように植える「千鳥植え」です(三角植えとも)。

三角形をくみあわせるように植えることで、どの方向からも、花が隙間なく見えるように

花壇は正面から見るだけでなく、横や斜め、向こう側など、場所によっていろいろな角度から見られます。
格子状にまっすぐ植えたほうが草花がきれいにそろって見えると思いきや、
実は平行になった部分は土が丸見えになって、花の印象が薄まってしまうのです。

ほかにも、

・背の高い植物は後ろ側に植える
 →立体的に見えるため

・同じ色の花を3株以上、三角形に配置する
 →まとまりのある印象になるため

配置のコツを知っていると、まとまりのある花壇に!

といったノウハウも教えていただきました。

冬春花壇では、1班と3班が赤色やピンク色系、2班が黄色系と分かれました。
春秋花壇では、甲州街道側から入った右側(西側)が黄色系、左側(東側)が赤色系となっていましたが、冬春花壇では入れ替えることに。
そこで、西側を1班と3班で赤色系に、東側を2班と、残りの苗で黄色系に振り分けました。

座学が終わり、いよいよ実地作業に入っていきます。

公園の東南側の花壇を使って先生方が実演。まずは苗の配置から

まずは、東側の奥の花壇を使って、三浦先生と谷村先生が植物の置き方を実演してくださいました。
先ほど教わった通り、高さや色を考えつつ、ポット苗を三角形に置いて、配置を確認していきます。

三浦先生と谷村先生も、迷うことなく苗を選んであっという間に配置を決めてしまいました。
日頃から、たくさんの花壇を手がけている経験とノウハウのすごさを受講生もスタッフも実感。

今度は班ごとに自分たちの花壇に行って、ポット苗の配置にトライしてみます。
1班から3班まで、10月の講座で決めたカラーをもとに、先生方があらかじめ植物の苗を振り分けてくださっています。
苗は今回は地元府中産も入れています。石阪農園さんの生き生きとしたすてきな苗です。

フリルがかわいい、アンティークっぽいビオラの苗も

1班
ノースポール(白)
パンジー‘モモコ’(ピンク)
キンギョソウ‘ブロンズドラゴン’(ピンク)
キンギョソウ(濃ピンク)
スイセン(球根・白)
チューリップ(球根・ピンク)

2班
ストック(ピンク)
ノースポール(白)
ビオラ(オレンジ)
ビオラ(黄)
スイセン(球根・黄)
チューリップ(球根)
ムスカリ(球根)

3班
キンギョソウ(ピンク)
ストック(紫)
ストック(ピンク)
ビオラ(ピンク)
ビオラ(赤)
スイートアリッサム(ミックス)
チューリップ(球根)
ムスカリ(球根・赤、黄、紫)

悩んだときは、みんなで相談しながら配置決め

奥側に背の高いもの、手前側に背の低いもの、3つずつのかたまりで植えた方がいいものと、1つでも形になるもの、色の配置、などなど、いろいろと考えることがありますが、そのたびに、班のメンバー同士で相談し合い、植えていきました。

配置が決まったら次は植えつけです。

谷村先生が植えつけ方法を実演してくださいました。

しっかり根の張ったノースポールは府中産。直根性なので根鉢は崩さず、底の根をほぐす程度で

【1年草の苗の植えつけ方】

  1. 移植ゴテでその場所に穴を掘る。

  2. ポットをもむようにして苗を外し、植物によって根鉢の底をほぐす(根鉢をあまり崩さないほうがいい植物もあり)。

  3. 株の一番いいところが花壇の正面を向くように穴に入れ、土をかぶせる。

  4. 表土が平らになるようにならして完成!

ちなみに、苗にはパンジーやビオラのように、細かい根をたくさん伸ばし根鉢を崩しても大丈夫な「ひげ根タイプ」と、
ストックのように下へまっすぐ伸びた根を中心に根を伸ばすため、できるだけ根を崩さないほうがよい「直根性タイプ」があります。
根のタイプによって、根鉢の扱い方が異なるので、植える植物がどちらの根のタイプなのか、あらかじめ調べておいたほうがよさそうです。

西側花壇の植えつけ。ベンチを挟んで右側が3班。左側が1班

さっそく各班の花壇に戻ってポット苗の植えつけ作業。
これは春秋花壇でもやっているので、皆さん慣れた手つきであっという間に終わりました。
しかし、冬春花壇はこれで終わりではありません。
冬春花壇には欠かせない、チューリップやムスカリなどの球根植物も植えつけます。

再び、三浦先生と谷村先生の実演講義です。

チューリップの球根は皮をむいて、向きに注意して植える

【球根の植えつけのポイント】

  • 球根を植えるときは向きに注意(根のついているほうを下に)

  • 薄皮を剥いてから植える(たくさん植えるときは剥かないことも……)

  • 植える深さは「球根3つ分」

  • チューリップの球根を複数植えるときは、向きをそろえると葉の向きもそろう

先生方からのレクチャーを学んだら、さっそく実践です。

2班の花壇。ムスカリの球根は手前。チューリップは奥。スイセンは宿根草エリアへ

一年草の隙間に球根を植えていきます。
球根植物の大きさに気をつけて、背の高くなるものは後ろ側に配置。
チューリップは球根の向きも気をつけつつ、無事にすべて植えつけました。
その後は、水やりタイム。

冬春花壇も水やりは植えつけのときだけ。たっぷりあげました。

12時ごろには無事、すべての作業が終わりました。

終わる頃にはこんないい天気に!

そして、この日はなんと「残業あり(無給)」
今まで防草シートに覆われ、前回、完熟腐葉土をまいた南側の2つの花壇に、
しっかり耕したあと、余った苗を植えつけました。

まるで商業花壇のような密植ぶりで、“残業”をする人たちもみんな楽しそう。
たくさんの人たちが残ったので、こちらもあっという間に植えつけが終わりました。

南側の花壇でひときわ目を引く、真っ赤なガーデンシクラメン(府中産)

ビオラやストックに混じって、赤や白のガーデンシクラメンが目を引きます。
丸いロゼットのハボタンも3つセットでとってもかわいらしいです。

植えつけ終わったら、あまりの華やかさにみんな、思わず笑顔がこぼれます。

たまたま通りかかったおばあちゃんが「わぁ、お花がきれいねぇ。うれしいわぁ」とニコニコして通り過ぎていったのが印象的でした。

また、受講生のなかには、9月の講座で考えた花壇の色と植物の案をもとに、自分なりの花壇の「未来予想図」を描いてくださったかたも。
あまりにすてきな出来栄えに、先生方も思わずスマホを取り出して花壇の前で撮影会に。
講座の取り組みが、「段々と」ひとりひとりの植物と花壇への思いを深める場になっている、そんなことを感じた1日でした。

文責:事務局 小林 渡

9月の講座の植栽プランをもとに、受講生の方が描いた花壇の未来予想図
あまりにすてきなイラストに、先生たちのテンション爆上がり!

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