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性暴力を許したくないから。娘とitisrape_japanの集会に参加しました

昨夜、最近の性的暴行事件裁判における無罪判決に抗議するitisrapejapanのスタンディングに参加してきました。来月10歳になる娘と共に。

「今の日本では女性として安心して暮らせない。いつ性暴力にあうのか怖い。そして性暴力にあった時に法律で守られないのが怖い。」

「性暴力はなぜ被害者が責められるのか。何を着ていたのか、どこにいたのか、は関係ないのに。」

「痴漢被害を周り訴えたら、なぜそんなに騒ぐのかと言われた。殴られたならもっと心配されたと思う」

沢山の人による、切実な思いが詰まったスピーチ。(記憶で書いているのでこの通りの言葉ではないですが。)

今回、初めてこのような集会に参加しました。
子を持つ親として、この無罪判決を黙って受け入れることはできなかったからです。こんな集会をしても何の役にも立たないとあざ笑う人もいるでしょう。しかし、黙ってみていることなんでできないのです。

来月10歳になる娘は今の日本の法律だと、あと3年で性交可能な年齢になります。まずこの13歳というのが大問題なのですが、残念ながらあと3年内にこの法律が変わることはないでしょう。そして、あと3年内に性的暴行に関してより厳しい法律が出来ることもないでしょう。しかし、親としてこれらを「仕方がない」と受け入れることはできないのです。

昨日のスピーチに立った人の中には10代、20代前半の若い人たちもいました。

「正直、今の日本で子どもを育てたいと思えない」

「高校の保健の発表で東大生によるレイプ事件については発表したら、男子からも女子からも、重い!と言われた」

若い人たちのこんな叫びをきくと今の日本のような性暴力に寛容な社会を黙認してしまっていた一人として申しわけないと思います。いや、申し訳ないなんて言葉では足りません。なぜなら、正直に書くと黙認していただけではない、男性中心社会に迎合するように生きてきた責任が私にもあるからです。

自分語りになりますが、私(アクロストン妻)は今でこそ、性教育のワークショップや授業を開催したり、このような事件に関して声を挙げていますが、実は子どもが生まれるまでは男性中心の世の中を黙認するどころか、男性中心の世の中であることさえ気づいていませんでした。

中高は女子高でセーラー服を着て1時間以上電車に乗り通学していましたが、痴漢にあうのは「当たり前」だと思っていました。背中に男性器をこすりつけられ射精された感覚を感じた時も、思ったことは「制服よごれていたらどうしよう」だけでした。

自宅から近い学校に通っていた姉がバスで痴漢に触られ、泣きながら家に帰ってきたことがありました。その姉に対し母は「痴漢ごときで大騒ぎして」と言い、私も泣いている姉を鼻で笑いました。

大学生の時、教授たちとのお酒の場で抱きつかれたりすることにも疑問を感じていませんでした。むしろちやほやされる自分を誇りに思っていたぐらいです。

自分の過去をふりかえってみると、実は性暴力を黙認どころか疑問にももたず結果として加害者の行為を助長させていたことに気づきます。子どもがこんな目にあうことには耐えられないのに、こんな性暴力にやたら寛容な社会を作った一端が自分にあるのです。だからこそ声を挙げる責任が私にはあるのです。


昨日の集会は辛かった経験の傷をなめ合うだけのような会では全くなく、明日への希望がある会でした。性暴力にあったすべての人へ「 #WithYou あなたは悪くない」とメッセージを表明する優しさにあふれた会でした。そして、この社会をどうにかして変えていかなくてはならないという信念をもつ人たちの決起集会でした。

そのような場に行けて良かった、娘も一緒に参加できて良かったと思います。
性の話は家庭内でしているけれどもスピーチの一つ一つの言葉は娘にとっては難しく、理解できた事柄は少ないかもしれません。それでも、すべての人が安心して生活できる社会をつくるために戦う人が、性暴力を許さない人がこんなにいるんだということは伝わったはずです。そして、相手が法律やら国やら世の中やら、、、どんなに大きい相手であっても「おかしい」とおもったことは声を挙げていいんだということを今後も身をもって感じていって欲しいので、本人が望む限りは一緒に参加していきます。

性暴力の被害者が出ない世の中は、性暴力の加害者が出ない世の中です。

私たちアクロストンが性教育を始めた理由のひとつは、これからの社会をつくる子ども達から加害者が出て欲しくなかったからです。公教育による性教育が不充分なせいでAVを模倣するセックスが正しいと思う子ども達(大人達も!)が沢山います。性暴力にあふれたAVに出会う前の、明るく健全な性の話の入り口として私たちも活動を続けていきます。

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妻・夫。二人とも医師。子どもに必要な性の知識を楽しく・ポップで・まじめなコンテンツにしてお届けします。 https://acrosstone.jimdofree.com https://www.facebook.com/acrosstone インスタグラム:@acrosstone