見出し画像

マイナ保険証を使ってみた【体験談】


 皆さんこんにちは。実は私、今朝から耳の調子が悪かったんですよ。動くと耳の奥でゴロゴロ~ゴロゴロ~と音がして、少し痛みもある。もしかして中耳炎か?と思い、定時退社して耳鼻科へ行きました。

 行った先の耳鼻科にはなんとあのマイナ保険証のリーダーが!早速使ってみることにしました。市民目線と、職員の目線からご報告します。

 ちなみに、肝心の耳は単に耳くそが奥で転がっていただけでした。耳鼻科の耳垢除去って気持ちいいですね。クセになりそうです。しかし、あんな音で尖ったものを向けられるのは小さなこどもからしたらトラウマものでしょうけど。耳鼻科で泣きわめいているこどもの気持ちもわかりました。




市民目線:クッソ楽

(1)カードとポチポチで終了

 従来の保険証の場合、保険証と診察券を提示して、受付の人が資格確認をするのを待って、確認が取れれば返却という流れです。

 一方のマイナ保険証ではマイナンバーカードを機会にかざし、暗証番号(利用者証明用:4桁)をポチポチ押せば受付終了。初のマイナ保険証利用だったので医療情報の連携などの同意項目もありましたけど、1分とかかりませんでした。私は暗証番号で利用しましたけど、顔認証を選べばその暗証番号入力すらも省略できます。
 なので、私は次回以降、カードをかざしてアホ面をブラ下げておけば受付ができるということになります。


(2)診察券は要らない?

 上記だけ見ればほぼ同じ、あるいは従来の保険証のほうが便利じゃないかと思われる方もいるでしょう。しかし、今回私が提示したのはマイナンバーカードだけです。診察券は不要でした。というか診察券は忘れました。なんだったら保険証も忘れました。まぁお手のものですよ。不注意なんで。

 それでも問題なく受け付けは進みましたし、そもそも診察券の提示は求められませんでした。私が行った病院は比較的先進的なところですので、統合が進んでいたのかもしれません。ちなみに、マイナ保険証だけで成立させている医療機関は、今のところそれほど多くはないようですけど、仕組み上は診察券を撤廃できるようです。これは助かる。


 総じて、マイナ一枚で受付ができ、かつ、作業は1分もかからないというところから、市民目線から見てマイナ保険証はそれなりに便利だと評価できます。私はマイナ保険証のほうが使いやすかったです。



職員目線:受付が大変そう

(1)新しい制度を覚える必要

 マイナ保険証を導入すると、当然病院スタッフはマイナ保険証リーダーの使い方を覚える必要がありますし、もう一歩踏み込むなら、オンライン資格確認制度についてもある程度の理解が必要でしょう。

 しかし、医療事務に従事する人全てが新しい制度を学ぶ意欲があるわけではありません。現状維持でいたいという人がいるのも理解できます。しかし政府がオンライン化を進めようとしている以上、現場では少なからず混乱が生まれそうです。

 私の行った病院はそれなりに先進的で、かつ、人の層も厚い病院ですのでちょっとあたふたする程度でしたけど、これが小さな町医者だったら大混乱だろうなぁと思いました。

 全員が全員、私のように「新しい知識気持ちいい!!もっともっと!!」という変態ばかりではありませんから、難しいところです。


(2)運用コストも馬鹿にならなそう

 市民目線から見れば便利なマイナ保険証ですけど、職員目線でその周辺を見渡してみると、お金のにおいがかなりしました。

 まずは保険証リーダーの導入コスト。補助は出ているでしょうけど、それなりにいい値段がしそうでした。また、イニシャルコストだけではなくランニングコストですね。日々の通信料や機械のメンテナンス費用なんかもそれなりにかかるでしょう。おそらく、従前の保険証でもレセプト関係や保険証確認のシステムなどで電子化は進んでいるのでしょうけど、そうした費用に上乗せする形でオンライン資格の費用が乗っていそうです。

 それこそ風邪ばーっかり見てる小さな町医者にこうした費用が捻出できるのだろうか。そもそも制度を理解して準備ができるのだろうかと疑問に思いました。マイナ保険証で閉院が増えるという噂もあながち間違いではないように思いました。まぁ時代の波の乗れないと淘汰されるのは当然ですけど。



今のうちに使っておけば?

(1)当面は一本化されない

 実際に使ってみて、メリット・デメリットを感じられたマイナ保険証ですけど、個人的には一本化はまだ先だと思います。昨今、これほどまでにネガティブなニュースを流されては、一本化を強引に推し進めると政府の支持率に影響します。また、研修と実践の時間がまだ必要だと感じられました。

 正直、マイナ保険証を完全に導入しない、反対派の考えはまったく理解ができませんけど、一本化を急速に推し進めるというのもまた問題があるように思いました。保険証一本化という方針が覆ることはないでしょう。しかし来年の秋までとはいかないだろうというのが私の見解です。


(2)今使えば有利に立てる

 とはいうものの、一本化される未来は必ず来ます。どれだけネガティブなニュースが報道されようが、どれだけアンチが反対しようが、どれだけ個人情報が漏洩しようが、絶対にされます。間違いなく。だって便利だし。

 考えてみれば、今更インターネットを放棄して、またかつての固定電話、紙の辞書、現金払いに戻れるかといえば無理です。テクノロジーは、依然としてリスクを抱えつつも我々の社会を支えています。それは医療の現場でも変わりませんし、広がり続けるしかありません。

 であれば、みんなが敬遠している今のうちにマイナ保険証使い込み、来る変革に備えたほうがコスパがいいと思います。確固たる信念があってマイナ保険証反対だというなら止めはしませんけど…。

 オンライン化に逆らう人たちの生活は、これから確実に不便になります。少なくとも、市役所の未来はこうなります。

 あなたは不便上等、リスクをとらないためにオンライン化は断固反対!と生きていくのか。それとも、多少のリスクは抱きかかえて新たな時代の変化に乗ってみるのか。どちらを選びますか?どちらも正解だと思います。

 私は後者ですね。時間は有限ですから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?