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AIに奪われそうな仕事&奪われなさそうな仕事【ChatGPT】前編


1.我が自治体も対応に動く

 そういえば先日、私の勤務する自治体においても、ChatGPTに代表される生成AIに対する方針が示されました。詳細をお伝えするわけにはいきませんけれども、要するに「業務上での使用は当面禁止」「私的な利用は制限しないが、節度をもって使うこと」という方針でした。

 その理由には、生成AIの学習方法があります。ChatGPTなどの生成AIは、質問者からの質問内容を取り込むことで学習する側面があるため、業務上の機密をうっかり別の質問の回答に使ってしまう恐れがあるからです。当然、市役所における業務上の機密とは、住民の生活にかかる取り扱い注意な情報ばかりですから、情報漏洩のリスクがある間は業務利用を禁止せざるを得ないでしょう。

 とはいえ、生成AIが人間社会に与えている影響はすさまじいので、ただ単に禁止するだけでは時代に置いていかれると自治体も判断しているのでしょう。文末に「今後の方針を検討中」と書かれていました。いずれは制限付きで使用を許可されるのだと思います。

 そこで今回は、来るウィズ・AI時代において、奪われそうな仕事と奪われなさそうな仕事を推理してみました。これは、自分が失業しないようにするためです。なお、この記事は以前に執筆したこの記事と内容が一部重複しています。考え方はあまり変わっていないということです。



2.AIに奪われそうな仕事(私見)

 私が思う、AIに奪われそうな仕事は以下の通りです。

(1)一般職・担当者レベルの仕事

 生成AIが得意な作業として、答えのある質問への回答があります。調べればわかる・手を動かせば解決する、というような作業はAIなら一瞬で解決策を見出してきます。会社でいうところの一般職的な働き方はAIに奪われてしまう可能性が高いと考えられます。

 あと、巷ではテクノロジー関係はAIに仕事を奪われにくい仕事といわれていますけれど、設計図をもとに具体的なコードを書くような仕事はAIに奪われしまうと思います。

 「私は詳しくありません」と前置きしてくるものの、AIは高速でコードを書いて提示してきます。そしてそのコードはちょっと手直しすればすぐ動くようになっています。VBA初心者の私ですら、簡単なマクロくらいならGPTに命令してコードを作ってもらい、組めるようになっていますから。

 定型業務や、明確な答えの多い一般職・担当者的な働き方は、AIにとって代わられる可能性は高いでしょう。


(2)コールセンター・窓口対応

 (1)とは同じ理屈で、答えが明確な場合が多いコールセンターや窓口の対応なんかもAIに仕事を奪われる可能性が高いでしょう。

 住民課時代がまさにこのような働き方で、正規職員が対応しなければならない難しい対応も一部あるものの、業務の大半は決まりきった作業や対応でした。マイナポイントに関する質問なんかは、大半が同じような切り返しでしたし。調べればわかる、ちょっと支援すれば誰でもできるという内容。

 件数は多いけどやることはほとんど同じというような仕事は、AIに学習されて奪われる日も近いでしょうね。質問への回答という観点でいえば、yahoo知恵袋はその地位がかなり脅かされるのではないかと思っています。


(3)コンサルティング・営業職

 個人的には、コンサルティング業務や営業職など、相手に判断をゆだねるような仕事も立場を脅かされるのではないかと考えています。

 顧客の情報を収集し、数ある商品のなかから最適なものを提案する。それを買うかどうかは顧客次第。これってまさに私とGPTの今の距離感なんですよね。まず私はGPTにコマンド(背景、困りごと、質問、回答の方針など)を入力する。そのコマンドをもとにGPTは文章(提案)を生成する。文章が腑に落ちるものであれば採用するし、理解できなければ使わない。まさに、営業活動と似たようなものだと感じられます。

 しかも、GPTは質問の蓄積によって膨大な情報のなかから提案を投げかけてくる。下手な営業よりも立派な提案になっているかもしれません。しかも人件費はかからない(GPTを使うこと自体には)。そうなると、AIのほうがいいよねってなってしまい、仕事を奪われる可能性もあるだろうなと。

 ただ、開発者が細工をしない限り、質問者にとってもっとも有利かつ合理的な選択を提案すると考えられますので、営利活動になるかどうかは怪しいですけども…。



3.AIに奪われなさそうな仕事(私見)

 逆に、AIが奪えない仕事はこのようなものではないでしょうか?

(1)エラーチェック

 たしかに生成AIはものすごいスピードで文章を生成してくれます。しかし、たまにしれっと大噓をつくことがあります。それに気づかないまま文章を使用したら大変なことが起こります。

 そこで、人間はAIが作った文書のエラーチェックをする役割が残っていくのではないかと考えています。実際、私もこのnoteを書くときにChatGPTに文章の添削をお願いしていますけども、たまーに文章を改ざんしてきやがります。なので、①私が書く、②GPTに文章の体裁を整えてもらう(たまに改ざんしてくる)、③私が再度修正してリリースという3段階で作業しています。

 こうしたエラーチェック(人間の思う不正解を見つける)は今後も残っていくでしょうし、そのためには人間は勉強を続ける必要があります。


(2)総合職・管理職

 上記のとおり、AIはしれっと大噓をついたり、大間違いを犯したりします。当然、そのまま使うことにはリスクがあります。そこで、AIが生成した文章(提案)をエラーチェックしたり、採用の可否を判断する立場が必要になります。こうした職務は今後も残り続けると考えられます。

 あらゆる情報をもとに、ひとつの提案の決裁する。これはまさに総合職や管理職の働き方であるといえます。AIは正解のある問いに対する答えを作ることは得意ですけども、正解自体を作ることは不得意です。であれば、その正解を作る立場が失業する可能性は低いと思われます。

 とはいえ、権限のない担当者レベルであったとしても、上席(管理職)への伺いを作るときに、①伺う正解を設定する、②それをもとにAIに提案させる、③AIの提案を採択してそれを上司に持っていくという、ひとり管理職的な働き方ができるのではないかと思いますけどね。

 それとは同じ考え方で、仮説を設定して検証していく研究職、複数の提案から一つの製品(正解)を生み出す開発職なんかもまだまだ淘汰されにくい仕事ではないかと思われますね。


(3)感情労働

 成果があるか・ないか、効率が良いか・悪いかは置いておいて、顧客の感情に訴えかけるような仕事はAIには奪われないと思われます。

 その最たる例がプロ棋士だと思っていて、最強対最強の対局を見たいのであればAIを最高レベルに設定して戦わせればいいだけです。でもそうはせずに人間同士を戦わせているのは、棋譜(結果)それだけではなく、対局風景であったり対局者の人間性もふまえて楽しんでいるからに他なりません。

 芸術作品も、AIが人間に負けないくらいのすごい作品を作れるようになりました。しかし、AIが作った作品には、「その作品に対する感情的な動き」はなく、「AIがこんな作品まで作れるのスゴイ!」というAIの能力に対する感動しかないように感じられます。

 一般的な業務であっても、担当者の人柄などに感情を動かされることが多々あると思います。そういう人はAIに仕事を奪われ始めても、最後の最後までその職を守り抜くことができると思います。

 私たちは人間だからこそ、人間がやることに感情が動かされるのでしょうし、そうした感情を動かすような仕事はまだまだ奪われないでしょう。



つづく!!(長くなった…)

 ちょっと長くなってしまったので、続きは別で出そうと思います。後編では、実際に本人(GPT)から奪えそうな仕事・奪えなさそうな仕事を聞いてみた結果と、私なりのウィズ・AI時代の向き合い方を述べたいと思います。

 6月11日追記:後編書きました。


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