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備忘録その2

人生は死ぬまでの暇つぶしという言葉がある。

人は人と関係を築いたり、自分を高めるための努力をしたり、たまに立ち止まってみたりする。
けれど、富や名誉を得たとしても死んだらそこで終わる。積み上げてきたもの全てに価値がなくなる。
存在は一時なら覚えていてくれる人がいるだろうが、それもじきに消えてしまう。



毎日のようにニュースで訃報が流れ、その有様に虚しさを覚える。
著名人が亡くなると、その死を利用して独りよがりな言葉を吐いたり、何かを攻撃したりする人間がいる。死に対して慣れすぎていると感じる。

でも、それも仕方の無いことだと思っている。死という概念が、自分ではなく他人を通して得るものであって、ごく自然に身につくものだから。
現代においては、その感覚を大切にしている方が少数かもしれない。


誰かを亡くして深い悲しみを負ったとしても、それは刹那的な感情に過ぎず、また別の誰かと時間を重ねていくうちに少しずつ記憶の彼方へと向かう。

私は死というよりも、死後に対して不安を抱いている。五感を失い概念となり、その後どこへ向かうのか。思考しながら生きているという当たり前が失われ、感覚が感覚でなくなること。
魂は肉体という器に左右される不安定な存在だ。
生前の記憶を持って生きている人間が時折確認されるが、それは死後の魂に宿っている記憶や意思が存続しているという証明足り得るのだろうか。
六道輪廻を経て再度人間に生まれ変わる頃には、以前人間だった記憶は色褪せて思い出せないのかもしれない。

考えたらキリがないが、真実は自分の身を持って知るしかない。



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