【インタビュー】『没後50年 鏑木清方展』音声ガイドナビゲーター・尾上松也さんに聞く“清方の魅力“
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【インタビュー】『没後50年 鏑木清方展』音声ガイドナビゲーター・尾上松也さんに聞く“清方の魅力“

アコースティガイド・ジャパン

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東京国立近代美術館にて『没後50年 鏑木清方展』が開催中です(~5月8日まで。その後、京都国立近代美術館にも巡回予定。)。
明治から昭和にかけて活躍した日本画家・鏑木清方の日本画作品109件が一堂に集結。人びとの生活風景や、歌舞伎などの物語に着想を得た作品など、清方芸術の神髄に触れられるラインナップが勢揃いしています。

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音声ガイドナビゲーターをつとめるのは、歌舞伎俳優の尾上松也さん。ナレーション収録後に、特別にお話をうかがうことができました。

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―音声ガイド収録を終えていかがでしたか?

松也さん 僕らが伝えるべき、そして継承していくべき作品の数々だなと、すごく感じました。先祖たちが生きた証は、時代が変わっていっても次の世代に残していかないといけないと思いますし、そういう意味では、歌舞伎もその役割を一つ担っているところもあると思っていますので、そういう部分での共通項というのは感じました。
清方の絵を通して、その時の風景、情景というものを感じ取れるというのは、貴重です。ただの美術作品ということだけではなくて、我々のルーツを知るということにおいても、非常に貴重な資料であると感じました。

―収録時に、なにか気を付けたことなどはありますか?

松也さん 私の声を聞きながら皆様作品をご覧になりますので、絵に集中しながらでも聞き取りやすいようにということは意識しました。それと同時に、物語ですとか、そういう背景を説明する時には、少し感情が入るような・・・バランスは気にするようにしましたね。

―今回ガイドを読んでいただいたなかで、これは気になるな、見てみたいなと思う作品はありましたか?

三部作

松也さん やはり「築地明石町」と「新富町」「浜町河岸」ですね。父の実家が銀座にありましたから、僕も二十歳をすぎるまで銀座に住んでいました。ですから実は、清方が描いていた場所というのは、僕にとっての故郷でもあって、興味をそそられました。
築地とか、新富町もそうだし、浜町も、あの辺は僕らの遊び場でした。豊洲なんかは、僕が小さい頃には工場地だったんです。だだっ広い公園なんかがあったものですから、野球しに行ったりとか。今行ったらね、おしゃれな街になっていて、そういう移り変わりっていうのもすごいなと思いながら、どこかさみしいようなね。銀座の歌舞伎座自体も、劇場というか、今はビルの一部になっていますから、いろいろ変わってきていますけれども。でも、あの周辺の雰囲気というのは、残していってほしいなと思いますよ。

―歌舞伎という日本の伝統芸能もそうですが、古き良き文化を今後も長く残していく、若い世代へ伝えていくために、松也さんが大切にしていることはありますか?

松也さん そうですね。歌舞伎ということで考えましたら、新作をつくったり、いろんな変革・改革っていうのも伝統の一つなんですよ。お客様のニーズに合わせて、いろんなことに挑戦して、興味を持ってもらうということを繰り返しやってきたので、それは僕らもこれからやっていかないといけないことです。歌舞伎は、伝統芸能と言われますけれども、今現代にこうやってやらせてもらっている以上は現代劇です。これからも僕らのやり方次第で生き続けられる、そう思うんですね。
清方の絵は、歌舞伎を題材にしているものがたくさんありますけれど、今度はその絵の魅力を伝えるために、例えば僕らが清方から着想を得てお芝居をつくったりとか・・・そんなことができたら、おもしろいかもしれませんね。そうやってリンクしていかないと、歌舞伎だけでなくて落語もそうですし、狂言も、ジャンルを超えたみんなで一緒に頑張っていかないといけません。今の若い人たちの興味をそそるものは、他に山ほどありすぎるので、我々が一致団結しないとっていう気持ちはすごくありますね。

―展覧会をご覧になる方へ、メッセージをお願いします。

松也さん 清方の作品を見て、もしかしたら、なかには「あーこんな時があった」と、この時代を生きた方がいらっしゃるかもしれません。清方のすごさっていうのは、僕だって、明治、大正には生きていないですけれど、それでも安らぎとか、安心感とか、なつかしさっていうのを絵から感じられる。これは僕らがつながっているからだと思うので、それを感じながら見ていただけると、いろんな想いに通ずるんじゃないかなと思いますね。
今回僕が音声ガイドを読ませていただいたんですけれども、皆様の鑑賞のお邪魔にならないように、わかりやすく見ていただけるように、やらせて頂いたつもりでおりますので、ぜひ私のガイドも参考にしていただきながら、清方ワールドに浸っていただけたら幸いです。

―素晴らしいお話をありがとうございました!(聞き手・ウエムラ)

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Twitter: @ADaudioguide @kikubi_AG
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―展覧会情報

「没後50年 鏑木清方展」
会期:2022年3月18日(金)~5月8日(日)
会場: 東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
開館時間:9:30-17:00(金・土曜は9:30-20:00)*入館は閉館30分前まで
休館日:月曜[ただし3月21日、28日、5月2日は開館]、3月22日(火)

―音声ガイド情報

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▶サンプルボイス試聴はこちらから
日本語版ナビゲーター:尾上松也(歌舞伎俳優)
特別出演:鶴見香織(東京国立近代美術館 主任研究員)、小倉実子(京都国立近代美術館 主任研究員)

収録時間:約35分
当日貸出価格:600円(税込み)※おひとり様1台につき。
※展示替えにより一部欠番がございます。またガイド内容も展示替えに応じて変わります。

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