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世界のイチローズモルトはこうして日々進化を遂げる…秩父蒸溜所探訪記(第3部)
改めましてこんにちは~!有限会社エィコーンのスガでっす✌
続きまして、熟成庫についてご案内していきたいと思いまーす!
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正面奥がキルン(麦芽を乾燥させる場所)、
そして右が第一熟成庫
ここでキルンが実際に利用されているか尋ねてみました。
Q. キルンは稼働していますか?
A. 現在は内部に温風乾燥機が設置されており、グリーンモルト(発芽中の大麦)を乾燥させております。いずれピートを焚くことができたらいいなあと思っています。
秩父特製のピーテッドモルト!楽しみでなりませんね‼
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黒ずんではいますが、白壁であることにご注目!
熟成について―
Q. 樽の管理はどのようにして行っていらっしゃいますか?
A. 現在15,000丁を超える樽が貯蔵庫で熟成しております。ブレンダーとしては、1年のうちにできるだけ各原酒をテイスティングし、品質管理(経年変化の確認など)を行っています。カスクマンとしては、1か月に1度は全ての樽を現場で視認し、漏れがないかなど状態チェックを行います。万が一の場合は、クーパー(樽職人)が修繕(漏れ止め)します。樽造りだけでなく、修理・加工の技術を持ったスタッフが在籍していることは強みの一つです。
Q. 樽のバリエーションについて教えてください
A. バレル、ホグスヘッド、クォーターカスク(オリジナルの「ちびダル」)、ワインカスク、バット、パンチョン、ポートパイプなど様々です。
Q. 一番多いのはバーボンバレルですか?
A. 全熟成樽のうち約70%がバーボンバレルです。
Q. シェリー樽はやはり高額?
A. バーボンバレルよりも比較的高価なものです。
Q. 特注のシェリー樽を使う予定があると聞いたことがありますが既に使われていらっしゃいますか?
A. 4年ほど前からスペインのへレスを訪ね、ルスタウなどのシェリー酒を、テイスティングした上で購入したバットなどの樽に詰めてもらい、2年以上熟成して完成したシーズニングシェリー樽を秩父で使用しています。
さて、熟成庫に入ると、早速目に入ってきたのが巨大な卵型のこちら。
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ヒビが入って壊れていますね😢
壊れてしまったWWR用のマリッジカスクを前にして、奥山さんは「卵が孵りそうになってしまって…」と可愛らしい表現をされていました🥰
そんなWWRですが、今はセカンドフィル以降の赤ワインカスクで小分けにマリッジしています。目的としては味を馴染ませること(マリッジ)ですが、少なからず熟成は進んでいるそうです。
Q. クーパレッジはありますか?
A. 2013年より稼働しております。主に「ミズナラホグスヘッド」を造っており、原木調達(木を競り落とすところ)から丸太の割り、自然乾燥(約3年)、製材、製樽まで自社で行っております。
クーパー(樽職人)がいることで、樽を直すことができるのも強み!前年の実績では200丁のミズナラホグスヘッドを作られたとか。
ミズナラは他のオーク(ナラ)と異なり、ねじれながら育つのが特徴。従って、糸鋸でスパッと直線的に切るのではなく、油圧のスプリッターでねじらせながら切らなければなりません。
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その繰り返しだそうです。手間暇かかりますが、
美味しいウイスキーを造るための大切な努力のうちの一つ!!
夏は40℃、冬は‐10℃を記録する秩父。寒暖差が激しいことで有名で、そうした環境下でのエンジェルズシェア(樽からの原酒の蒸散)は年3~5%程度。海外から調達した原酒も必ず秩父の地で熟成させています。イチローズモルトとしての個性を持たせるために重要な工程だそう。
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第一熟成庫から第四熟成庫までは1500丁収納可能。第五、第六熟成庫は倍の3000丁。そして最新の第七熟成庫は18000丁収納できるそうです。
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第一、第二熟成庫は白壁ですが、第三熟成庫以降は黒い壁が採用されています。これは、太陽光を吸収させて室内温度をできるだけ高くするため。
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特注のフォークリフト。どういうことかというと…
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転がし始める時の栓の位置を予めわかるようにしており、
その栓の向きにセットするための装置なんですね~!
合理的!!
さてさて、お次はいよいよ、第二蒸溜所のご紹介です!!