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「死にたくないもん」と言う小学生

こんにちはアサコです☀️
日本人を元気にしたいと思い活動しています。

前回日本人は考える力がないと語りましたが、
考える力が養えない日本の環境で、
ではどのように考える力をつけていけば良いのだろう…
そう考えていた時に、
ふと私の子供の頃を思い出しました。

決して私自身も考える力が
十分にあるとは限りませんが、
あの時の経験や環境は
確実に私の考える力や判断力を
養ってくれたと思っています。

今日はそんな私がしてきた体験について少し語ります。


セーリング競技というスポーツ

私は小学校3年生で
地元にあったヨットクラブに入り、
セーリング競技を始めました。

ヨットといっても多くの人が想像するのは
石原裕次郎が乗っていたような
お金持ちの人達が乗っている
優雅なヨットだと思います。

私が始めたのは、競技用のヨットで、
エンジンはついておらず、
風の力のみで動く物です。
大きさも様々ですが、
小学生の頃に乗っていたのは
小中学生向けの小さな1人乗りヨット。
子供2人でも持ち上げられるくらいの大きさです。

見出しに使わせていただいた
写真がまさにそのヨットです⛵️

セーリング競技というのは
見た目以上に過酷な競技です。
自然を相手に自分の体重と力だけで
船を操らなくてはならなりません。
海の上では自分だけが頼り。
レース中の判断も自分次第。
故障や怪我で棄権するのも自分の判断。
海もいつも穏やかとは限らず、
荒れた時は台風並みの風速、高波だとしても
小中学生のレースでも実行されます。

船がひっくり返ってしまうこともあります。
その時も自分の力だけで
船を起こし、またレースに戻らなければなりません。

自然の力は脅威です。
うまくコントロール出来なければ
平気で吹っ飛ばされるし、
怪我もするし、命だって落としかねません。

実際に私は大学入学直前で、
練習中に海が急変、春一番が吹き荒れ、
危うく遭難しかけた経験があります。

先輩と2人で乗っていた船で、
陸に引き換えそうとしても船がひっくり返ってしまい、
起こすにもマストが折れてしまい
起こしたところで操船が不可能。
ただひっくり返った船に
しがみつく事しかできませんでした。
しかしそれでさえうねりや波で
振り落とされそうになる程。
ただ体力を消耗する中で
助けが来る事を待つしかなかったのです。

近くにはチームのレスキューボートはいても、
うねりが高く私たちを見つける事が出来ず、
私達を見失ったチームメイトは
私達の死を覚悟したそうです。

結果的にはニュースの中継ヘリコプターが
私たちを見つけ、
地元高校のヨット部のレスキューボートが
ヘリコプターに先導され
助けに来てくれたおかげで、
私達は無事に陸に帰る事が出来ました。

この様な経験を誰でもする訳ではないけれど、
小学生の時点でも
この様な状況になる可能性はみんなにあります。

忘れられない言葉

そんな競技をしていて、
私が忘れられない言葉があります。

それは私が中学生の頃に
他のチームにいた当時小学生の友達が言った
「だって死にたくないもん」という言葉です。

なぜその言葉が出てきたのか?

それはある大会での出来事。
この日も風が吹き荒れ、海は大荒れ。
運営側がレースをするか検討した結果、
上級者クラスのみレースを実施。
海に出るかどうかは選手本人で決め、
棄権する人は陸に残ってください。
という内容で決定しました。

海に一度出てしまえば、
船をコントロール出来ない限り
死が常に隣り合わせな状況で、
自分の技術を信じて
少しでも勝ちにこだわるのか、
それとも自分の安全を優先させるのか…
セーリング競技は1日では終わらず、
数日かけて何度もレースする場合が多く、
もし今回海に出て船が壊れたら
この先のレース全てを辞退しなければ
ならない状況になる可能性もあります。

この様に様々な状況を判断し、
レースに参加するかしないかを
小中学生が判断するのです。
もちろんコーチや親も近くにはいます。
でも最終的な判断は自分自身に委ねられます。

そこで私が迷っていた時
友達はどうするのか聞いた時に
あの言葉が出てきたのです。

彼女は海には出ない選択をしました。
「だって死にたくない」から。

それがあまりにも私には衝撃的で、
自分より年下の子が
自分の命を優先して
私よりも早く判断した事に
本当に驚かされたのでした。

その回答を聞いて私はどうしたか?
海に出る選択をしました😂
私は彼女ほどの命の危険を感じなかったから。
荒れた海は怖いし、体力を奪われるし
本当に好きじゃありませんでした。
それでも自分はレースに参加できるだけの
スキルは持っていることを知っていて、
ただ私は自分で判断しなくても
誰かに「出なくて良い」と言われるのを
期待していただけだったから…
それよりも、出来るのにやらないで
後で後悔したり、誰かに何か言われるのが嫌で、
私は海に出る決断をしました。

考える状況をあえて作る

私はこの様な経験をできたおかげで、
今でも自分を俯瞰的にみて判断したり、
何かトラブルがあっても落ち着いていられたり、
考える事が好きで、
こうやって自分の考えを形にすることを
楽しむ事が出来たりしています。

決してみんなセーリング競技をやった方が良い
と言いたいわけではなく、
ここで私が伝えたかったのは、
考える力を養う事は
状況次第でいくらでも出来る
と言う事です。

命の危険と隣り合わせになる必要もありません。
でも出来れば切羽詰まった状況の方が、
個人的には効果的だと思ってしまいますが…笑

あえて例えるなら、
何かを知りたい時に
すぐにGoogleで調べるのではなく、
一旦携帯を置いて考えてみる。

何か本やブログなど、
誰かの言葉を読んだり聞いたりしたら、
そのままスルーするのではなく
目を閉じて一旦自分の中で
噛み締めてみたり、
感想を書いてみたりする。

誰かの指示を待つのではなく
自分が今何をすべきか考えてみたり、
子供にあれこれ指示をして
失敗しない様に見てるのではなく、
失敗して起き上がるまで放置してみる。

そう言うことも必要だと思うのです。

そうやって少しずつ考える力がつけば、
この世の中のおかしな状況にも気づけるし、
何が正しくて何が間違った情報なのかも、
判断がつくようになってくると思うのです。

だから私はみんなにもっと考えてほしい。
それが日本人が元気になる、
1番の近道だから…🙏


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