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言葉の刃

昨日の朝、息子が癇癪を起した。
原因は牛乳パックのストローがうまく取れなかったこと。
朝、院内のカフェで珈琲を買って戻ってきたら暴れていた。
牛乳をコップに注いでも、声かけしても暴れた。
そして飛び出した一言。

「あんたが邪魔なんだよ」

半月、付添入院をしてきた気持ちがぽっきりと折れた。
家族の踏ん張りを思うとやりきれなかった。
完全に、私の気持ちは、折れた。
病室の前のソファで外を眺めて気持ちをと整えようとしたけれど
一時間涙が止まらなかった。

諦めて病室に戻ったらタブレットでドリフを観る息子。
チャレンジタッチから「ごめんなさい」とメールが来ていた。
でも気持ちはおさまらかった。
そのまま夕方まで会話はなかった。

夜、息子に2つのことを話をした。
言葉の「力」と「響き方」について説明。

「言葉の持つ力はすごい。
 君を救ってくれる味方にもなるし、君を苦しめる敵にもなる。
 お母さんは、君の言葉の刃に傷つけられて、心が折れました。
 ごめんなさいと、謝ることはとても大事。
 でも一度、発してしまった言葉はなかったことにはできない。
 だから慎重に言葉は選んで発しないといけないよ。」

「言葉は時と場合、相手によっても響き方が変わります。
 同じように使ったつもりでも相手への影響は変わることが大いにあるよ」

「例えばお家でテレビの前を横切ったお母さんに
 『あんた邪魔』って言っても『あーハイハイ、すんませんね』で済む。
 けど病院でずっと付添をしていて、お仕事を失う可能性もありながら
 君の回復を一番に考えて踏ん張ってる母ちゃんには、しんどかった。」
「言葉には力がある。
 嫌な言葉ばかり言っていたら嫌なことしか起こらない。
 いい言葉を使っていると幸せが不思議と寄ってくるものなのよ」

…どの程度理解してくれたかなあ笑
半分でも、1/3でも響いてくれれば嬉しいなあ。

今日、院内学級の先生が病室にきてくれて1時間授業をしていった。
授業の前、先生のやり方に不満があって苛々するとボヤいていた息子。
「先生に、どうすればいいか、自分の気持ちを伝えてごらん。
 そうしたら先生がちょうどいいように相談に乗ってくれるよ」
と話しておいた。

授業中、苛つく息子。
「僕はこういうのは苦手だから嫌なんだ。△△の方がいい。
 それが終わったら先生が出ていくってのでどう?」


ちゃんと言葉で伝えられた。
先生と二人で『自分の気持ちを伝えられたこと』についてめっちゃ褒めた。でも
「先生が『出ていく』じゃなくて『授業を終わりにする』の方が
 言葉は柔らかいし、言葉の刃にはならないね笑
 それも一生懸命言葉を選んでいるのは伝わったからいいよ笑」
という話もあったけれど!

成功体験と失敗体験を積み重ねて
少しずつわかってくるものもあるんだと思う。
特性的に衝動的に言葉が飛び出してしまうことが多い息子。
だからこそ、そうならないように言葉で自分の身を守り
失敗したときにも言葉でフォローできるような術も少しずつ身につけてほしい。

#発達障害 #言葉 #付添入院

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