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きょうだい児のケア

息子が入院してからあっという間に約半月。
集団登校の班長さんのお宅に2回も電話してしまいました。

この土曜日、慌ただしく付添入院して以降、
夫と交代してようやく初めて自宅に戻りました。

自宅でやりたいこともたくさんあったけれど
何より気がかりだったのは娘のこと。
平日ワンオペ家庭故に、どうしても父より母娘の方が近しい関係にある。
急に不在にしてしまい、心配をしていました。

息子は気に食わないことがあると
自宅でも(病院でも)学校でも癇癪を起こして暴れます。
物を壊したり、蹴ったり、叫んだり、
人を攻撃したり、自分自身を攻撃したり。
そんな姿を妹には見せたくないけれど
そこはワンオペの我が家。

まぁ、見るよね。

クールダウンさせるために私と娘は別室に避難するけど
「にぃに怖い」「にぃに嫌い」
とネガティブな言葉が妹からも出てくる。
兄を怖がらせたくないし
罵詈雑言を浴びせられる妹の心のケアもしたい。
たくさん我慢をさせている。

そんなわけで以前、娘とは『2人の内緒』の場所をつくりました。
2人だけでいっぱい笑える特別な時間。
我慢をさせている分、甘やかす時間を意識して作ってました。

それが「温泉」と「パフェ」
…安易ですかね笑

以前、療育に行く日に保育園を休ませて
娘の欲しかったヒール付きのブーツを買い
天気の良い日に日帰り温泉に行って露天風呂につかり
風呂上りのソフトクリームを食べ
療育に行き(←これも楽しんでた)
形にこだわった、いかにもなフルーツパフェを食べ
「今日のことは2人だけの内緒だよ」
とイヒヒと示しあってから兄のお迎えに行ったことがありました。

発達障害児がいる家庭では、そうでない方のきょうだいのケアが必要になる、といいます。
(うちの場合は妹も軽度のADHDがあるけれど。)
それが、うちではパフェを食べに行くことが少しのケアの方法。
「兄ちゃんばかりじゃなくて、あなたもとても大切で特別だよ」
と感じてもらう時間を作ってるつもりです。

今回のお家一泊でも、
娘ちゃんをギューギューしてクンクンして
少しでも娘が元気になればと思っていました。

夫と娘が病院に来たのが14時過ぎ。
10日間、シャワーを浴びられていない兄の前でも
遠慮なく「温泉!温泉ー!」と騒ぐ妹。
早々に病院を後にして、日帰り温泉へ。
半月ぶりの運転はフワフワした感覚でとても怖い。
温泉で頭を洗ってあげて背中を流し、一緒に湯船に。
その後、放課後デイに2箇所立ち寄り、
しまむらで取り急ぎの下着を買い足し
娘ちゃん御所望のKFCをテイクアウトしました。
(感覚過敏の兄はKFCの脂で手が汚れるのを嫌がる)

自宅に戻ったらガラーンとして冷えた感じがしました。
ホッとするより寂しさが勝つ感じ。
「今日は特別に、TV付けながらゴハン食べちゃおうか」
と静けさに耐えきれず私から提案すると娘はニヤリ。

「私ね、笑いたいの。だからコレ」
と志村けんの録画を選ぶ娘に胸が痛む。

TVをつけながら食べる間も静かな娘。
「寒いから元気ないだけよ」
と言う言葉にまた胸がざわつく。

もっと娘に構いたいと思いながらも洗濯機を二回まわし
下着を入れ替えたり、追加する荷物の準備。
溜まった郵便物のチェック。

ソファでシロクマのクッションに横たわる隣に座り
「これね、母ちゃんからのプレゼント。
 いつも頑張ってくれてるからお礼」
とAmazonで買っておいたキッズコスメセットを渡すと
さすがに笑顔をなってくれました。
ネイル塗って、リップひいて、チークをがっつり入れて笑

でも疲れてそうだったので早々にお布団を敷いて就寝へ。
頭を撫でてあげながらも元気がない。
「…もしかして、母ちゃんがにぃにの方が大事だと思って悲しくなってる?」
と聞くと、大きく頷く。

膝から崩れ落ちるわ。
(もう横たわってるけど)

胸がしわしわする。
どうしたらいいんだろう、と目眩がしそう。
「娘ちゃんが大好きだよ。
 にぃにと同じくらい大好きで代わりの利かない特別な人なんだよ」
(…ここは、妹ちゃんがスペシャルと言うべき?と葛藤しつつ)
ハグしながら繰り返す。不安を悟られないように必死。

やっぱり疲れていたらしくすぐに瞼が閉じていく娘。
ナニコレ超可愛い。動画撮りたい。丼飯食える。

寝入ったのを確認してから
翌日のファミサポさんとの打ち合わせのために
資料準備と離れたら
まだ隠し持っていたらしいセンサーが発動してしまい
娘はパニックのようにわぁわぁと泣き喚く。

あ、これ知ってる。
まだ8ヶ月だった娘を保育園に預けて仕事復帰したら
いきなり夜泣きを1ヶ月毎晩やられた時の感じだ。

「わかった。一緒に寝るね。お仕事やめるね」
と言って消灯。手を繋いで寝た。

でも、もう、この感じやすい小さな人に無理をさせているのが明らかすぎて
どうしたらいいんだろうと胸が押しつぶされる。
久しぶりの家もゆっくり眠れないまま朝を迎えた。

翌日は病院にまた戻る日。
朝から娘の大好きなスケートに行き
軽く昼を食べてから
ファミサポさんのお宅へご挨拶。打ち合わせする。
そして念願のパフェを2人で食べてから病院へ。

病室でゆっくりしてから、夫と交代して帰る時間になる。
「今日は特別ね」と背中に娘をおんぶして1階まで降りる。
話しかけても返事をせずにぴったりくっついてくる。

母ちゃんも、実は離れがたいんだぜ。
笑顔でハグして背中を見送った。

病室から娘にできることを考えていた結果、
毎日ハガキを送ることにしました。
それくらいしか出来ない。

コンビニで調達した真っ白なハガキ。
絵が超絶苦手な母ちゃんだけど、
4色ボールペンしかないけど、
あなたを想う気持ちだけはてんこ盛り盛りにして
動物とお花とお星様と風船とリボンを描くよ。
(あ、ハートがなかったな)

夜遅くの帰宅になる娘が
歪んだカッパみたいなクマを見て
クスリとでも笑ってくれれば、してやったり。
少しでも愛を感じてくれますように。

#発達障害 #付添入院 #きょうだい児


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