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アスミー&イマゴト活動報告2024.01.18神戸市公式note「神戸の経験は役に立たないの真意」について感じたこと

神戸市の公式noteで「神戸の経験は役に立たない」の真意という記事が出ました。

この記事を読むと、さすが神戸市だなと思う活動をしている。元職員としても素直に誇らしいです。そして問題提起がちゃんとされてる良い記事ですよね。

私も東日本大震災の時に仙台市に派遣で入らせてもらった時に感じたことですが、神戸市職員が派遣されて被災地の自治体の役に立つのは、スキルというよりマインドだろうなと思う。 

最近では特に、派遣される職員の大半は阪神・淡路大震災の対応を経験していない。けれど震災が起こると職員の多くが「あの時助けてもらった」という思いで被災地派遣に手を挙げます。実際に助けてもらった職員ではなくてもそのマインドは神戸市職員として研修や勉強会を通して育まれて(埋め込まれて?)います。

そういう意味では災害ボランティアって恩送りのシステムそのものですね。返してもらおうとボランティアに入るわけではない。けど、助けてもらった側の多くの人は次の被災地に心を痛めて積極的に行動をしますよね。
気持ちを繋いでいく仕組みを最新のスキルやツールが下支えしている感じです。

阪神・淡路大震災の時は激甚災害法などの法整備も無かったし、ボランティアを統率する団体だってそんなに無かった。今とは全然ベースが違う。一方で働き手はたくさん居た。被災しても自ら動ける40代50代の世代がたくさん居た。けれど今ではその世代が70代80代の後期高齢者になったりしている。

阪神・淡路大震災で経験した手続きや、その時使ったスキルやツールが使えることはほぼない。
変わらず使えるのはマインドの部分。現場の声を集める、寄り添う、正しく発信する、記録する、過信しない、自我犠牲しない…などなど

ここからは災害関連でのリスクがつきまとうフェーズ。二次避難、福祉避難所、後片付け、生活再建。
今回の被災地は過疎化と超高齢化が進む能登半島。そしてまだまだ地震のリスクが高いという。

阪神・淡路大震災では考えられなかったが、再建せず、消滅を仕方なく選択する集落なども出てくるだろう。
短期的な個々人の生活再建と、中期的なコミュニティの維持、そして長期的な自治体の維持を同時に考えて動かないといけない。
今の被災地自治体や被災した集落の住民さんたちにそんな検討をする余裕はないだろうな…

こういった視点を持ってまた被災地に入りたいと思います。


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