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医療、介護、健診のデータをくっつけてヘルスケアデータ作っちゃいました。これで市民の健康調べます。

3月5日に結構面白い記者発表がありました。

「日本初の神戸市のヘルスケアデータ連携システムを構築!緊急事態宣言下の治療への影響を分析」 

神⼾市は、今まで別々に記録されていた個人の医療・介護・健診等のデータを個人ごとにまとめる「ヘルスケアデータ連携システム」を構築し、運用を開始しました。
これによって、個人ごとに健康であるか、病気にかかっていないかが一目でわかるようになり、現在だけでなく、過去からの個人の情報が把握できるため、将来かかるかもしれない病気を予測することも期待できます。
住民の医療・介護・健診等のさまざまなデータを連携させ、データを積極的に活用する仕組みを作ったのは、国内で初めてです。

ばらばらの医療、介護、健康などのデータをつなげて、市民の健康を把握する取り組みです。

実際に結構なデータが使われています。

連携データ
①医療レセプトデータ:年齢、性別、傷病名、診療行為、医薬品、医療機器、受診医療機関、医療費、受診日数など
②介護レセプトデータ:年齢、性別、種類別介護サービス単位数、利用介護施設、要介護度、介護費など
③介護認定調査票:日常生活自立度、ADL、要介護度など
④健診データ:身長、体重、BMI、腹囲、血圧、中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール、GOT、GPT、γ-GT、血糖値、HbA1c、尿糖、尿蛋白、メタボリックシンドローム判定、保健指導レベル、生活習慣など
⑤予防接種の接種状況
⑥転入・転出・死亡日等一覧表

プレス資料ではちょっと分かりにくいかもでね。
ForbesJapanに、神戸市のレセプトデータの取り組みが掲載され、すごくわかりやすいので掲載します。記事を書いているのも神戸市の広報官である多名部さんのでとても丁寧で分かりやすいです。

医療報酬の明細書(レセプト)には医療行為の内容や使用した薬剤が記載されているし、レセプトは介護保険でも使われている。
神戸市では昨年11月から、医療と介護、双方のレセプトデータを再利用して、外部の研究者が分析できる仕組みをスタートさせた。

ってことで医療と介護のビッグデータを個人ごとに紐づけ、そこから個人情報を抜くという作業で、60万人のデータを使えるようにしたというからすごい。
他都市でも始まっているようだが、関わっている方の話を聞くと、やはり地元の方や議員から「個人情報が洩れるじゃないか」と懸念を示されて止まってしまうことが多いとか。まあたいがいこういうこと言う人ほど、中身(データの処理内容)を勉強はしていないんですけどね…。

ただ、小さな町や村だと、個人情報を分からないように抜いたとしてもバレるリスクが高いようですね。例えば神戸市150万人のうち60万人(40%)のデータですと、年齢と性別だけでは誰かを特定できるということはないのですが、人口1000人の村で40%のデータをとると400人。年齢と性別が分かれば候補者が絞れてしまうということです。

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ましてや実験でウェアラブルデバイス使って生体データを取るなんて実験していたらどうでしょう。
小さな町ならすぐ被験者だとバレてしまいますね(笑)

そういうことを考えると、人に紐づくビッグデータの取り組みはある程度大きな都市が先行的に進めたほうがいい部分もあるみたいですね。

この取り組みを進めてくれた三木課長は神戸市が採用した外部人材です。しかも循環器・救急・集中治療の専門医です。ほんとすげえ。こういう人材活用ありですね。アメリカの公務員のあり方に似てる。

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