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神戸の動きを記者発表資料から読み取ってみる④プラスチックごみ×TBM

神戸市のプレスリリースを紹介する背景(定型文)

まちの情報源として自治体のホームページの市政情報欄には必ずマスメディアに対してプレス発表したものが掲出されています。

私視点で「面白そうな取り組み」、「チャレンジングな取り組み」、「知っていたほうがいい情報」などの軸で情報をピックアップしてnoteで勝手に解説出来たらいいなあと思います。

パート4は「再生可能プラスチック」の記事に着目

1月8日:日本初!「市民みんなでペットボトルキャップを集めて作る指定ごみ袋」

神戸市とプラスチック等の代替素材を開発する素材ベンチャー株式会社TBMのコラボ実証実験ですね。
ベンチャーとのコラボと言えばUrban Innovation KOBEの事業ですね。

プラスチックごみ削減や資源循環は日本中、いや世界中が取り組んでいる課題。いろんな実証実験しながら進んでいってほしいです。

今回は、市民から集めたペットボトルキャップなどを再生利用して、「CirculeX(サーキュレックス)」を使用し、環境配慮型の指定ごみ袋の製造・販売を行う実証実験をするようです。

回収場所:市内コープこうべ、ダイエー、KOHYO に設置の回収ボックス
回収期間:令和3年1月12日(火曜日)~1月31日(日曜日)
回収目標:約15万個(期間限定販売する指定袋5万枚の製造に必要な個数)回収協力企業:ネスレ、ロック・フィールドが、オフィス内で発生するペットボトルキャップの回収にご協力してくれます。
ペットボトルキャップを原料に含む指定ごみ袋の製造・販売は、日本初の試みです。
使用済みペットボトルキャップなどを再生した素材「CirculeX」を使用して国内で製造する日本初の指定ごみ袋です。(製造協力:株式会社ジャパックス)
・材料構成は使用済みペットボトルキャップ(うち約30%)と市内工場等で使用されたストレッチフィルム(うち約70%)
・ペットボトルキャップ含む国内プラスチック再生材料を98%使用し、石油由来プラスチックの利用を最小限に抑え、国内で製造
・石油由来プラスチックを100%使用し、海外で製造する従来品と比べ、約50%の二酸化炭素排出量削減を実現

「日本初」が連呼されてるのは神戸っぽい。僕も何かやるなら「日本一」ではなく「日本初」が良いと思っています。なぜなら「日本初」は記録を塗り替えられないから。横浜ランドマークタワーがアベノハルカスに抜かれ、次は森ビルとかあっという間抜かれるとかになっちゃうんだろうし・・・

あと、ストレッチフィルムってあんまり聞かない名前です。サランラップのようなイメージですがもっと安価につくれる素材もちょっと違う梱包に使われるものですね。

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なるほど、ペットっボトルキャップとストレッチフィルムの廃棄物で構成されるなら100%再生材ですね。
TMBのCircleXのページを見ていると、本来はLIMEX(記事後半に書いてます)と混ぜて作る感じだったので、まだまだ課題はあるなあと思っています。CircleXだけで再リサイクルを繰り返していけるなら希望はありますね。

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TBMのホームページより)

石灰石からつくる紙であるLIMEXはちょっと問題ありそうだった

LIMEXはwikipediaでは以下のように説明されている

LIMEX(らいめっくす)はTBM社の登録商標および同社の製品群の名称。TBM社は「LIMEXはストーンペーパーとは異なり、代替紙・代替プラスチックとなりうる無機フィラー分散系の複合材料」としているが、原材料は50%以上の炭酸カルシウムと熱可塑性樹脂から構成されており、リサイクルやLCAの領域において石灰石ペーパー類に属する。このため、廃棄の際には既存の紙(古紙回収)やプラスチックの回収ルートに混ぜることはできない。LIMEX製品を廃棄する場合は「可燃ごみ」として焼却するか、TBM社の用意しているリサイクルボックスへ持ち込む必要がある。

株式会社TBMは「LIMEXは環境にいい」という売り込むことで多くの企業に採用されたり、自治体でも神奈川県などと組んで実証事業を行ったりしている。

僕も最初にこのLIMEXを知ったときは石灰石から紙の代替品を作るなんて画期的!とワクワクした。
でも詳細を調べると石灰石からとれる炭酸カルシウムと、石油からできる樹脂ということ。

簡単に言えば、「石とプラの混合物」。なのでプラの使用は抑えられているが、そのあとアップサイクル(再利用)しようとすると問題が起こる。
紙との見分けがつかないから古紙回収の際に混じりやすく、混ぜ物がはいるとリサイクルの効率は格段に悪くなる(だから分別回収するんやけど)
そもそも資源採掘や製造工程でかなりの二酸化炭素を出すことにもなっているようで、まだまだ夢の新素材とは言えないようだ。

現状のLIMEXには批判も多い。でも、時代に大きな変革の流れを生み出しているのは間違いない。この新素材が社会に大きく浸透すれば。資源採掘や製造工程の二酸化炭素も減るかもしれない。太陽光パネルだってそんな過程を通ってきたし、水素エネルギーもそんな過程の真っ最中。
再利用についても古紙、プラ、ストーンペーパーと分けれるようになればそこは解決するかも、とも思う。

新しい動きには問題も批判もつきものだ。僕自身まだまだこれが最高!という考えにはなっていない。でも、可能性は感じている。
色んな実証実験を繰り返し、データやエビデンスを積んで、本当に環境に配慮したものが世に現れればいいなあと期待してます。

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