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本当に頭の良い人の特徴

よくこのような言い方をする人がいます。

「本当に頭の良い人は、難しいことを簡単な言葉で、誰にでも分かるように説明できる人だ」。

しかし、果たしてそうでしょうか?

もちろん、何かを多くの人に理解してもらうためには、できるだけ簡単な言葉を使ったり、イラストや図などを用いた方が効果的でしょう。たとえば、幼い子供に「1+2」という算数を教える場合は、リンゴを3つ用意して説明した方が直感的で分かりやすい。しかし、こういったやり方にも限界があります。

たとえば、小学校低学年の子供に数学の微分積分が理解できるでしょうか?微分積分に限らず、数学が分かるようになるためには、基本的な算数を理解しておく必要があります。数字とか算数という”前提知識”なくして数学は分からない。数字を知らない子供に対して、いくら簡単な言葉を使って説明したとしても、数学を理解できるはずがありません。

前提知識が無ければ絶対に理解できないことは山ほどある。

「本当に頭の良い人は、難しいことを簡単な言葉で、誰にでも分かるように説明できる人だ」。

このような言い方は、それを理解するために必要な前提知識を持たない人が、自分が理解できないことを説明する人の責任に転嫁する言い訳のように聞こえます。「説明の仕方が悪い!」と言っておけば自分は楽ですからね。しかし、微分積分を理解してもらうために、わざわざ小学校の算数から順番に教えてくれる人は普通はいないわけです。

難しいことを何でもかんでも簡単に説明できるわけではない。できたとしてもせいぜい、前提知識が乏しい人にも理解できる範囲でしか説明してない場合がほとんど。それですべてがわかった気になるのは間違いです。

なので、よく理解できない説明を受けた時に私たちがとるべき態度は、「自分の前提知識が足りないのだ。読解力が足りないのだ」と考えることです。もし本当に説明者が難しく説明しすぎていたとしてもです。そもそも「教えてもらう」という受動的な態度が通用するのは学生時代までですから。

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