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それは悟りの完成への道であり、解脱への道であるということ

「悟り」と「悟りの状態」のちがい

「悟り」というとき、「悟り」と「悟りの状態」を分けて捉える必要があるかと思います。

本来は、「悟り」というものがあるだけです。

そこに、悟った者、悟っていない者といったものもありません。

「悟り」は、この世界に属するものではありません。

そして、その「悟り」を一瞥することを一瞥体験、見性体験と呼んでいたりします。

そのような人たちは、実際は、「悟り」を一瞬垣間見ただけというふうに言うことができます。

ですから、この世界の中で「悟り」というものを扱う場合、 そのことをしっかりと把握しておくことは重要だといえます。

つまり、「悟り」というとき、それはこの世界のもの、こと、そして、それを経験する者など、それらとは一切関係がないということです。

幻想世界の中にいる私たちにとっては、そういうものがあるかのように思えますが、それらすべて幻想世界に属するものだということです。

「悟りの体験」という言い方も、所詮、人生というドラマの中の一つの体験でしかありません。

とは言いましても、

私たちはコース(奇跡のコース/奇跡講座)の学びと実践を通して「悟り」「目覚め」へと至る道を歩んでいるわけです。

そんな私たちが知っておかなければならないのは、この人生のドラマ(時間)の中においては、悟りに至るプロセスというものがあるということです。

ですから、「悟り」というとき、それは「悟りの状態」というふうに言い換えたほうが適切な言い方だといえましょう。

つまり、この(幻想)世界の中においては、「悟りの状態」の段階、深さというものがあるということです。

この世界の中にいるかぎり、私たちは「悟り」をすっかり閉ざした状態にあります。

それゆえ、それを開いていく(思い出していく)訓練が必要であり、そして、そのプロセスには段階、深さがあるということです。

そのための道(方法)を示してくれているその一つが、コース(奇跡のコース/奇跡講座)という霊性の道であるわけです。

ですから、本来、「悟り」そのものには段階もレベルもないのですが、「悟りの状態」には段階、レベルといったものがあることになるということです。

そう、コースの学びと実践を通して修得していくということは、まさに、「悟りの状態」というものを深化させていくことであると言うことができます。

私たちが覚えておかなければならないのは、「悟り」を一瞥することと、「悟りの状態」を修得することは、まったくちがうものであるということです。

「悟り」を一瞥したからといって、それが「悟りの状態」を完成したわけではないということです。

「悟りの体験」と「悟りの状態の完成」という言い方になりますが、そこには大きなちがいがあるということを知っておかなければなりません。

いわゆる、訓練が成されているか?成されていないか?で、雲泥の差ほどのちがいがあるということです。

訓練が成されていないならば、特別性、個別性を満たすことのほうに、いともたやすく誘惑されてしまいます。

それがいけないというわけではありませんが、そうなってしまうなら、「悟りの状態」は鈍化していくだけでなく、自我を強化していく、つまり、この世界に縛り付けられていくことになるということです。

ようるすに、なにが言いたいのかと申しますと、この世界の中にいると知覚している間は、私たちは訓練を要するのだということです。

そういう意味で、コースは「悟りの状態」を完全なものにしていくことを目的としていると言うことができます。

この世界の中にいながらにして、完全に「悟りの状態」をマスター(修得)することがコース学習者である私たちが目指しているゴールだということです。

それは、いわゆる仏教でいうところの悟りの完成、つまり、解脱と呼ばれるものです。

コースでは、それを「贖罪」と呼んでいます。

贖罪とは、分離は起きていないことを完全に受け入れるということであり、この世界(夢)を完全に夢だと見切っている状態、つまり、一切信じていない状態のことをいいます。

そうなるとき、実相(天国)がこの世界に反映された「実相世界」を知覚することになります。

それは「真の知覚」「ヴィジョン(心眼)」と呼ばれるものであり、もちろん、肉眼で見える世界とはまったく関係のないものです。

そう、それは、今私たちが知覚しているところからは想像だにはできないものです。

でも、その知覚こそが私たちの本来の知覚の仕方であり、私たちがコースの実践を通して修得すべきものであることにはちがいありません。

それは「悟りの完成」に向けて、つまり、贖罪に向けての訓練であるということです。

私たちは、それを目指して、コースという霊性の道を歩んでいるのだということを知っておきましょう。


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