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軟禁生活45日目

2020年4月30日 木曜日 フランス、パリ

肌寒い。灰色の世界。鳥の鳴き声だけが静かな空に響く。ドロミテの山奥にいるような。そんな気分。

ダンナは幸いにもよく眠れたようだ。昨夜あれだけ咳き込んでいたのに。すっかり元気になっていた。私はまだちょっとだけ目が回る。

カルフールもカジノも使い捨てマスクを1枚60サンチームで販売開始。新型コロナ禍前は1枚15サンチームだった。

ボリスくんパパになる。それじゃあ死ねなかったよね。6人目の子供かぁ。おめでと。

エスコー川の公害。砂糖製造工場がサトウダイコンを洗った水を氾濫させたのに10日間もベルギー側に黙っていた。ベルギー側の川の動物はほぼ100%死滅。オランダまで被害は拡大しそう。過去20年で最悪の河川汚染。一体どんな危険な薬品を使って洗浄していたのか。

昼は久々にピュレ作り。ダンナは荒っぽいのがいいというので混ぜ混ぜ係は任せた。最後に私の分だけねりねりしつつ生クリームを投入。リッチなテイスト。

コロナによる大気汚染の減少でヨーロッパでは推定11000人の命が救われた。

明日はメーデーの休日だから、今日中に買い物に行っておこう。と準備していたらものすごい勢いで雨が降ってきた。幸いにも出かける前でよかった。30分後に上がったから大急ぎで買い出しへ。帰ってきて30分後には再び土砂降り。雷もごろごろ。

細菌学者のパパン。今世界が期待すべきはワクチンではなく治療薬。

バカンスは自宅のある県、もしくは地方を離れるべきではない、と議会が討論。旅行業界はスケジュールが立てられなくて困ってる。

内閣のコロナ対策を信頼する人38%。隣国と比べてかなり低い。統計センターによると、ドイツや英国と比べて、フランス人はそもそも他人を気安く信頼しない人が多い。良くも悪くも我が国家を全力で愛する、というイタリアとも違う。しかもチェルノブイリ時に政府が「汚染の雲は国境を超えて我が国には入りません」ととんでもない嘘をついた。危機対策について、今でも国民の心に大いなる不信感がある。

ブルターニュは比較的初期に感染者を出したがあまり広がらなかった。調査によると外出期間中に同居以外の家族とこっそり会った人は8%。対して感染者爆発ゾーンの東部は20%。こういう家族関係も感染拡大の原因と考えられる。

明日はデモは禁止です。すずらんの花の街頭売りも禁止です。テレビが呼びかける。

カントナのドラマを最後まで観る。なぜアメリカ風に甘ったるい家族ネタを入れるのかとにがにがしく感じていたら、それは大いなる伏線であった。しかしカントナがやってる人、最初からそんなサイコパスだったか。



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