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軟禁生活48日目

2020年5月3日 日曜日 フランス、パリ

相変わらず寒い。

朝っぱらからもやもやする。日本との心理的時差を感じる。いや、日本ではなく、彼がずれてるのだろうか。それともずれてるのは私のほうか。

パリのバスは普段は定員50人。今後は20人に減らす。地下鉄は満員で700人。どうやって190人にまで人の流れを調整するか関係者は頭を抱える。

奴隷であることの喜び。

延々1時間半も薀蓄語れるって才能だ。生意気だがそこがいい。あまりに妙なことを大真面目に語り続けるので電話のこちら側でばれないように爆笑する。前より丸くなったとか言ってるがどうだかな。自分の年齢の半分以下だがほんと観察の対象としては最高。しかし1年半も前に私に話したことの内容を憶えてるってのはびびった。あと当然だけど私が書くことを想定してあえて語らないようにしていた分野があるということも。

キリスト教徒なのに仏教の教えを説く。

南仏民たちもう解放された気分。海辺に勝手に遊びに行っちゃう人が続出。このままじゃ11日の外出制限解除はありませんよ、と政府は脅す。

ミシンの糸が急に絡みだした。何度やっても絡む。下糸を見直してみるが問題ない。解決策をネットで検索したら「まずは上糸をかけなおしてみてください」と書いてある。そのとおり最初からかけなおしてみたらあら不思議。もう絡まない。デリケートなのね。

久しぶりの2日連続インタビューでほとほとつかれた。今夜はぐだぐだすることに決定。

3月末で引退予定だったどこかの村のおじいちゃん村長さん、コロナウイルスで選挙が伸びたので秋まで任務は続く。小さな保育園や小学校の衛生対策で大忙し。最後のおつとめだから村人のためにがんばるよ、だって。

くだらない映画をげらげら笑いながら見る。これは他虐に見せかけたそれぞれの自虐なのか。いわば聖☆おにいさんの下々バージョンか。宗教ネタは鉄板。

なんかポップコーンの匂いがするよ!とベッドで騒ぎ出すダンナ。

あと1週間。

外出せず。

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