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【ETCクアルテイラ🇵🇹男子レースレポート】

先月のメキシコのCTCカテゴリーのレースに続き、ヨーロッパエリアでもレース実施再開となってきているトライアスロン界。同じくCTCカテゴリーのレースではあるものの、パリ五輪に向けたポイントを序盤から稼いでいくために東京五輪出場者や各国の若手選手など選手層の厚い大会となりました。

出場選手中、世界ランキング最上位は14位北條巧🇯🇵、18位ライダー🇺🇸、33位ディベイ🇭🇺、地元ポルトガル王者バティスタ🇵🇹(72位)、イタリア王者ポザッティ🇮🇹(116位)といったラインナップ。

《日本人出場選手》
北條巧選手:世界ランキング14位、ETCリーバン8位
ニナー賢治選手:世界ランキング53位、Super League出場

気温23.5℃、水温16.6℃のコンディションで71名の選手がビーチスタート。

〜Swim1500m〜
菱形に左回りで2周するスイムコース。
スタートから抜け出したのはディクソン🇬🇧。父親の影響で10歳からトライアスロンを始め、トライアスロン大国であるイギリスの若手筆頭として名高い選手。現在の世界ランキングは305位とまだまだ低い。ディクソンの番手を取るのはスイム巧者のディベイ🇭🇺、4番手の好位置を北條が泳ぎ進めます。2周目を終えて、再度入水するタイミングで北條🇯🇵が2番手にポジションをあげ、ニナー🇯🇵も4位の位置を泳ぎ、第1集団を形成しながら進みます。2周目は終始ディベイが先頭を泳ぎ、スイムアップ時には北條が並ぶようにトランジッションへ進みます。

〜Bike40km=6.6km×6周〜
1周6.6kmのバイクコースはど平坦というよりもいくつかパンチのある坂を越えて行くクセのあるコース。
トランジッションでウェットスーツを脱ぐのに手間取る北條が若干遅れ、4番手でスイムを終えたニナーがディベイと共にバイクスタート。第1集団をどれほどの人数で形成していくか重要な局面です。細かなアップダウンをこなしていく中で先頭集団は14名で形成されます。北條とニナーの両名もしっかりと先頭集団に入ります。

Lap1/Lap2/Lap3/Lap4
9:22. 9:00. 9:08. 9:09
先頭集団がペース良くラップを重ねていきながら、後続との差を1周当たり20〜30秒ずつ話していきます。差を詰められない第2集団は12名から16名に徐々に集団が拡大していきます。

Lap5/Lap6
9:24. 9:29
終盤5周目になると勝負のランに備えて先頭集団のペースが落ちます。このタイミングで単独逃げを試みたのがベントレー🇬🇧、一時は後続集団と10秒以上の差をつけましたが、結局バイクフィニッシュの頃には6秒差となりました。それでもトランジを素早く終えて先頭で走り出していきます。

〜Run10km=2.5km×4周〜
バイクで2周回を1人逃げを決めたベントレーの走りは決して悪いものではありませんでしたが、後続から先頭集団が徐々に迫ってきます。2km手前でベントレー捉えた先頭集団は、Super Leagueでも活躍したライダー🇺🇸・ニナー・北條の3名! 1周目をLap7:28という1km3分ペースを切るタイムで走っていきます。後続集団はディベイやディクソンを含む5名の集団が形成します。
2周目の終盤になると北條が集団から抜け出し、単独戦闘で3周目へ。3秒差でライダー・ニナーが続きます。3周目もLap7:30で走る続ける北條は、後続との差を16秒差に広げ優勝の期待が高まっていきます。一方後続集団ではライダー・ニナーの集団にディクソンが追いつき3名になり熾烈な表彰台争いが繰り広げられます。
最後の一周もLap7:35で駆け抜けた北條が優勝、2・3位争いではライダーが、4・5位争いではポザッティー🇮🇹がスプリント勝負を制し先着しました。

優勝 北條巧🇯🇵
2位  ライダー🇺🇸 +9s
3位  ディクソン🇬🇧+12s
4位  ポザッティー🇮🇹+16s
5位  ディベイ🇭🇺+18s
6位  ウェスターマン🇨🇭+21s

CTCカテゴリーのレースとはいえ上位陣は豪華なメンバーが揃いました。レース展開としてスイム先行からバイクでの絞られた人数での展開、そしてラン勝負と実力差がはっきりと現れるレースでした。

出走71名、完走61名

◯日本選手結果&エース的考察
優勝:北條巧/Swim2位・Run4位/
World Triathlonから2021シーズンでブレイクスルーした選手としてピックアップされる選手となった北條。その勢いと強さを示すレース展開でした。今後のWCやWTCSカテゴリーではレース中の動きにマークが入るような選手になってくると思いますが、活躍に期待します。
8位:ニナー賢治/Swim3位・Run14位/+28s
ランの最終周回までは表彰台にも登れる位置でしたが、各選手のラスト 1周のペースアップにその背中を捉えられ順位を落としました。バイクでの積極的な前方での展開はSuper Legueで鍛え上げられた力もあるので、今後のパフォーマンスに期待していきたい。

世界各国でCTCカテゴリーのレースは開催されているものの、直近に開催予定だったWCヘウンデ🇰🇷やWC大阪🇯🇵は延期を発表しました。次の開催予定のWC以上のレースなると5月14日横浜🇯🇵WTCSとなります。数年前とは比べ物にならないほどにレベルアップしてきた男子日本勢の活躍が楽しみです。

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