【第18回日本デュアスロン選手権女子レースレポート】
1stRun-Bike-2ndRunで構成されるデュアスロン
その日本選手権がお台場で開催されました。
2012年から2017年は福島県あづま総合運動公園で開催されていましたが、今年は初となる台場!(2018・2019年は未開催)
トライアスロンの聖地でデュアスリートがどんなレースを魅せるかに注目です!majide
実施距離は毎年変更がある中で、今年は1stRun5km-Bike20km-2ndRun2.5kmという距離で競われます。
スタートリストには国内最強の女王 上田藍がゼッケンNo.1。トライアスロンにおいても7度の日本チャンピオンに輝くだけでなく、デュアスロンでは2014・2016・2017年日本チャンピオン
2013年世界選手権優勝🥇
2021年世界選手権準優勝🥈
という輝かしい成績を残しています。先日のトライアスロン日本選手権を終えてショートの舞台からは一線を退き、今後はロングに参戦予定です。
上田一強ともいえる戦力図の中で対抗馬として挙げられるのは、
潮田小波選手:10月のトライアスロン日本選手権では上田に次ぐランラップ2位を記録、自己最高順位である4位入賞
中山彩理香選手:大学1年で学生インカレを制し、成長を続ける若手筆頭の選手。
田中美沙樹選手:デュアスロン国内転戦シリーズカーフマンの東海stage(2021)で優勝
山内麻代選手:カーフマン東海stage(2021)準優勝
気温4.2℃、風7mの中、26名がスタートしました。
〜1stRun5km=1.25km×4周〜
ランコースは平坦かつ直線路を4周します。
スタート直後の大きな集団の先頭に立ったのは潮田(三重協)と高校生の安西(日大藤沢高)、その後ろに優勝候補の上田・田中(愛知協)、そしてこちらも高校生の平泉(東邦高)と続きます。1周目は1km3:18ペースで走行し、ここについていけない選手が集団からどんどんとこぼれていきます。周回を重ねてもペースは変わらず、戦闘集団はサバイバルな展開。ラスト1周となった3.75km地点では上田・潮田・安西・田中・白石(立命館大)・山田(島根協)の6名に絞られます。その8秒後ろに第2集団として中山(日大)・山内(大阪協)・江田(東京協)・正垣(兵庫協)と続きます。ラスト1周の辛い局面で上田がペースアップして先頭集団が崩れ始めます。田中・山田がまず遅れ始め、ラスト700mのところで白石と安西も遅れて、先頭は上田・潮田の2名になります。1stRun終了時では上田・潮田の先頭から、5秒差で白石・13秒差で山田・16秒差で安西・18秒差で田中となりトランジッションからバイクへ移っていきます。
〜Bike20km=5km×4周〜
バイクコースは平坦で難しいコーナーのないコースを4周します。
第4の種目と称されるトランジッションを真っ先に終えたのは百戦錬磨で鍛え上げられた上田。一方、潮田はヘルメットのストラップをうまく装着することができず出遅れ、5秒後ろの白石に追いつかれます。低温下のレースということで手がかじかんでしまう選手が多く見られました。
バイクを単独先頭で飛び出した上田がぐんぐんとスピードを上げていきます。この展開に上田一強を見せつけられるレースを予感しましたが、なんと潮田が単独で2km地点で追いつき先頭集団を形成します。
Lap1
先頭 上田・潮田
+20s 白石・山田・安西・中山・山内・平泉・江田・杉原
+35s 太田
+1:05 5名
1周目を終え先頭2人から20秒差で第2集団の8名が通過します。トランジッションで出遅れた田中は後続集団、ロングでも活躍する太田(千葉協)は35秒差で単独走行を強いられます。
Lap2(8:16,Av.36.3km/h)
先頭 上田・潮田
+20s 白石・山田・安西・中山・山内・平泉・江田・杉原
+1:15 太田
+1:20 5名
2周目を終えると先頭と第2集団との差は変わらず20秒、太田は1分15秒差と離され、すぐ後ろに第3集団が迫り、その後吸収されていきます。
Lap3(8:09,Av.36.8km/h)
先頭 10名
+1:20 6名
先頭集団の2人のうち、上田はローテーションのたびにダンシングしながら前に出ており本調子ではない印象を受けました。それまで20秒差で推移していた集団差が3周目に一気に縮まり14km地点で第2集団8名が先頭に追いつき、10名の先頭集団になります。集団内では白石・山田は最後尾にツキイチ状態でついていくのが精一杯の様子。
Lap4(7:57,Av.37.7km/h)
バイク終了が近ずくにつれて集団内での位置を下げたくない思いから次第にペースも上がっていきます。上田・安西・潮田の順に降車ラインを通過して勝負の2ndRunに移っていきます。
〜2ndRun2.5km=1.25km×2周〜
素早くトランジッションを終えてから勢いよく先頭に立ったのは上田、その後ろを潮田と安西が追っていきます。走り出しの勢いが徐々に落ち着いていく中で上田のすぐ後ろに潮田が追いついてくる展開に会場が盛り上がります。1周目を終えて、上田・潮田の先頭2名、11秒差で安西・杉原、18秒差で白石・山田と通過していきます。
2周目に入ったタイミングで潮田が追走の勢いそのままに先頭に立ち、上田との差を開いて単独先頭の展開に持ち込みます。力強い腕振りとバネのある走りで距離を重ね、そして優勝。2位には最後の局面で上田をパスした安西が入り、上田は3位という結果でした。
〜総合成績〜
優勝 潮田小波
2位 安西琴美 +8s
3位 上田藍 +14s
4位 白井怜佳 +26s
5位 杉原有紀 +27s
6位 山田梓 +28s
上田一強と予想していた状況を覆した強い走りをした潮田が初優勝。安西は高校生で準優勝とこれからの成長が楽しみな結果になりました。どの選手もトライアスロンが主戦場なので、来シーズンでの活躍も楽しみにしていきましょう。
ちなみに日本選手権の賞金・強化費については大会開催後も公式大会HP では《調整中》の表記でしたが、JTUのHPでは追記のニュースが1月7日に発表されました。
優勝75,000円
2位 62,500円
3位 50,000円
4位 37,500円
5位 25,000円
(上記から源泉税10.21%を差し引きして支給)
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