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新聞には書けなかった話

ACE副代表の小林です。児童労働反対世界デーである6月12日、朝日新聞で1ページ使った意見広告を掲載することができました。とてもたくさんの方々から「見たよ」という反響を頂いています。

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新聞広告を、しかも1ページ丸々出すため、企業からの多大な協力がありました。

まずはそもそも、こういった我々ACEの無謀な企画にGOを出してくれた朝日新聞の方々に、心からお礼を申し上げたいです。広告というとどうしてもビジネスの採算を考えてしまいがちですが、新聞屋としての「気概」を感じることができたのは、ご一緒していてとても楽しく、嬉しかったです。(そして最後までわがままにお付き合いいただき、ありがとうございます。)

そして今回この広告を出すにあたって協賛をしてくれたのが、森永製菓株式会社、不二製油グループ本社株式会社、デロイト トーマツ グループ、株式会社オウルズコンサルティンググループの4社。日頃から児童労働について真剣に取り組んでいて、この分野では間違えなく日本のリーディング企業と言えるわけです。この方々が、ACEがやりたい広告の企画に賛同してくれていなければ、完全に絵に描いた餅に終わっていたのは間違いなく、感謝してもしきれないわけです。

この意見広告、伝えたかったこととは?

誌面には限りがあるわけで、最後の最後までなんとか盛り込めないものかと悩んでいたストーリーがあります。

アフリカのガーナでは、児童労働者の数が189万人に上る。
ガーナ南部のアシャンティ州のゴッドフレッドくんは、9歳でお父さんを亡くして小学校を中退し、親せきのカカオ農園で働きはじめた。収穫期には、木から切り落とされたカカオの実が山のように積まれ、素手でつかんだカカオの硬い殻に刃渡りの大きいなたで切り込みをいれ、中の果実を取り出す作業を延々と続ける。発酵、天日干ししたカカオ豆は麻袋に詰めて集荷所へと運ぶ。ひとりでは持ち上げられないほどのカカオを頭に乗せて、気温30度を超える炎天下をひたすら歩いた。13歳の時、村でACEの活動がはじまると、親や住民の教育への意識が高まり、ゴッドフレッドくんも5年生から学びなおすことができた。村には、現地の日本大使館の支援で中学校も建設され、1期生10人全員が卒業し、郡で1位の成績を収めるという快挙を成し遂げた。この時の卒業生は、高校卒業も果たし、大学や就職への道も切り拓いた。今では村の子どもたちが高校進学をめざすことはあたりまえとなった。

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日本が輸入するカカオ豆の約7割はガーナから、インドのコットンは糸や生地、衣料製品になって店頭に並ぶ。インドやガーナで児童労働を解決しようというこうした取り組みは、日本からの寄付に支えられ、子どもたちの学ぶ意欲を後押ししてきた。企業や消費者による支援は力になる。

辛い、苦しい児童労働がまだまだある現実も伝えなくてはならなかったけど、実は何よりも伝えたかったのは、皆様の支援で世界は良くなっているということでした。

ACEのプロジェクトでは、これまでインドとガーナのコミュニティで、多くの児童労働をなくしてきました。これは紛れもなく、日本の企業と消費者の皆様と一緒に成し遂げてきた成果なのです。ACEはそれを誇りに思うし、ACEを支えてきていただいた方々にも、そう感じていただきたいのでした。

ただ、残念ながら最新の統計では、10人に1人の子どもが児童労働をしています。4年前から改善していません。

ACEは、コミュニティから児童労働を無くすという仕組みを、もっと広く、広めていきます。コミュニティから国全体、そして世界全体へ。

そんなACEを、今挑戦中のクラウドファンディングで応援お願いします!

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【写真について】
一番最初の写真は、ゴッドフレッドくんが小学5年生の時撮影したもの。そして途中の写真は、2018年に撮影したもので、真ん中のあかいTシャツを着ている人物がゴッドフレッドくん。

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