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土台にあるのは、人が持つチカラを信じること【オンライン説明会レポ:後編】

ACEオンライン説明会レポ後編、最終回です!今回は、ACE代表と事務局長の2人がACEの働き方や価値観について自由にトークをした【ACE首脳会議】よりお届けします。

前編・中編はこちらから↓

今回の記事を通じて「ACEで働くのって面白そう」と思っていただけたら嬉しいです。それでは本編をどうぞ!

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岩附:まずはACEで働いている人たちの概要についてお伝えしますね。いま有給職員として働いているのは18名(女性13名、男性3名)で、それ以外にインターンさんが4名います。これまでに育休を取った人は4名で、計5回。ACE歴が長い人もけっこう多く、代表の私と事務局長の白木さん、副代表の小林さん(前編・中編に登場)は23年間一緒にやっていますし、職員でも10年以上の人も複数います。会員やボランティアだった人が職員になったケースもありますね。平均勤続年数は6.7年、平均年齢は42.6歳です。

「出産後も続けたい」がテレワーク推進の原動力に

岩附:白木さんがACEの最初の有給職員で、それが2005年のこと。その後しばらくは全員が裁量労働制でした。それを2012年に切り替えて、きちんと残業手当が出るようにしたんですよね。その当時、NGOで残業手当を出しているのは本当に大手のところだけだったので、かなり珍しかったと思います。この2012年以降、私と白木さんがそれぞれ産育休とったり、テレワーク導入したりと、制度的に変えていきましたね。働き方に対する意識も、その辺りからみんなで話しながら変わってきたかなと思っています。

白木:岩附さんと私のどちらも女性のリーダーで、「いつか私たちも結婚して子どもを産むことががあるかも」とは漠然と考えていました。私たちの世代は、結婚して子どもを産んだら仕事を辞めるというのがけっこう普通でしたよね。でも、ACEは自分たちがやりたくて立ち上げた事業なので、「子どもができたらやめる」という選択肢は無かったんです。自分たちが続けていくためにどうしたらいいんだろう、という視点で考えてましたね。

リモートワークはコロナに始まったことではなくて、2015年ごろから少しずつ、データ共有の仕組みなどを整えてきていました。特に私たちリーダーはコロナのだいぶ前から家でも仕事するということをやってたし、私の家が埼玉県ということで事務所(東京)から遠いので、出産後は特に自宅でも仕事ができる環境が必要だったということもあります。

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「このままじゃいけない」危機感から導入した、【学習する組織】と【NVC】の全体研修

岩附:ちょうどその頃、2014~2015年ごろにやり始めたのが全体研修ですね。その頃はフットサル大会とかいろんなことをやっていて本当に忙しい時期で、一つ終わるとまたすぐ次!ってなって、達成感も得られないまま、いろんなことが重なって…とスタッフも疲弊してきちゃったんですよね。

「頑張りすぎてしんどい」とスタッフ間の関係性が悪化したりして、「このままじゃいけない、どうしたらいいんだろう」という危機意識から全体研修を始めましたよね。朋子さんと二人で研修の講師のお二人に会いに行った時のことを急に思い出しました(笑)。 

白木:具体的にどんな研修を受けているか紹介しましょうか。ひとつは「学習する組織」。組織自体が学び続けて進化していく、その中に所属している個人も同時に進化していく、というものですね。

もうひとつが「NVC=Non Violent Communication(共感的コミュニケーション)」。スタッフ間の関係性やコミュニケーションを深く考えたり、自分自身が何を感じ何を願っているのかに自覚的になるというようなこと。2015年以降、この2つを軸に研修で学んできました。ここ2年間はまたスタッフ全員で研修を受けて、学びを深めていますね。

高い目標に対して、いかに自分の「良い状態」を保ちながら、息長く続けられるか

岩附:このイベントの前半であった「研修を通してスタッフがエンパワーされている」というような話、嬉しいなと思って聞いてました。白木さんはどうですか?研修の手ごたえとか感じます?

白木:学習する組織もNVCも、私や岩附さんが個人的に研修を受けて知って、これはACEのみんなで受けたいなと思って組織の研修として導入している流れが多いですよね。

イベント前半の話でもあったけど、NGOだと「自分を犠牲にして世の中のために頑張らなきゃいけない」という考え方が何となくあって。ACEにもそういう時期はあったし、特に組織が若いスタートアップのときはそうならざるをえない側面もあるかなと思う。でも、ある程度成長してきたときにずっとそのままじゃ続けられないし、自分も子どもを育てながら仕事時間の制約がある中でどうやっていくのかという課題があった。

それに、私たちの目指す「児童労働をなくす」ってとても高い目標じゃないですか。1年やそこらで到達できるゴールではないから、いかに息を長く活動していけるかの方が大事なんですよね。そういう意味では、いかに自分の良い状態を保ちながら、目標にいかに近づけるかということが大事なんだなと。子育ての文脈でも、「親が健康でないと子どもも健康でいられない」というのと同じことかなと思ったりします。

こういうことが、私のなかで一番大事というか基礎として考えていたことです。私も自分自身を大切にできるようになったし、私が実践することでスタッフみんなもそういうふうになってくれると嬉しいと思っていて、実際そうなってきているかなと思っています。

ひとりひとりの力を信じ、「本当にやりたいこと」を見つけるためのエンパワメント

岩附:今日キーワードとしては出てきていてなかったけど、マインドフルネスもやってるよね。体と心と全部合わせて一人の人だということや、その整え方を学んだり。研修を通じて、外部からのいろんな影響をどう受け取るかについての考え方を知れたこととか、自分が持っている無意識の思い込みに気づいて、たとえ完全に手放すことはできないとしても自覚的になれたこととか、ACEの研修で学んだことが仕事だけじゃなくて実生活に役立ってるなと感じているのは私だけじゃないと思う。

そういう意味ではさっきの「エンパワー」は、仕事だけじゃなくて、一人の人の本当にやりたいことやありたい姿、そういうものを見つける。力を出すことがそこにつながっていくのかなと思う。

白木:私はACEの活動理念のフィロソフィー(Philosophy・理念)の一文をすごく大切にしていて。

「平和、豊かで持続可能な世界をめざします」
世界は生きるのに値するすばらしい場所である。人は誰でも存在する価値があり、無限の可能性を持っている。ひとりひとりの多様性や違いを認め合い、可能性を開花させること、未来を見据えて社会と自然環境が共生することで、平和で、豊かで持続可能な世界が実現できる。

スタッフ自身に力があるというのは心から信じているし、支援している先の途上国の貧困層の人や子どもたちに対しても、無限の可能性を持っていると本当に思ってるんです。スタッフがその力を最大限に発揮できることによって、自分たちの目指したい社会を作っていけるなと信じています。

自分自身と仲間を信じる「Believe」

岩附:ACEのフィロソフィーを考える時に白木さんがその言葉を持ってきたことはすごくよく覚えているので、白木さんの大事な価値観だし、ACEの価値観にもなっていると思います。

私からはACEのウェイ(Way・行動指針)に入っている「DDBD」についてお話ししたいと思います。カイラシュ・サティヤルティさん(2014年にノーベル平和賞を受賞したインドの人権活動家、ACE創設のきっかけを作った人)が日本に来た時にシンポジウムのスピーチで言ってくれたこの言葉を、いつも若い人に紹介しているんです。

夢を描き、可能性を見出し、信じて、行動し続ける
Dream, Discover, Believe, Do

大きな夢を描き、自分の持つ強みや可能性に気づき、機会を捉えて一歩を踏み出す。自分や他者が持つ力、社会は変えられることを信じ、困難があっても小さな前進を喜びながら、大きな変革を起こしていく。

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Dreamは、この世界をより良い社会にできるように夢を描こう、ということ。山下さんが「成し遂げたいものを持っている人とたくさん会う」と話していたように、「社会を良くしよう」と活動している組織にいると、そういう人たちが組織の中にも外にも集まって協力してくれるということが本当に多いなと思っています。

Discoverは、機会をとらえて自分の強みを活かそう、ということ。ACEでもけっこう実践しているかなと思います。

Doはアクションで、「Act now(今、行動しよう)」。ACEは23年間続いてきたけど途中には本当にいろいろあって、「大丈夫かな、続けられるかな」というときもありました。でも、とにかくアクションしつづけてきた。それが今につながっているかなと思っています。

この3つの「D」に、私が「Believe」を足しました。

Believeは、自分の力と他人の力を信じるということ。自分の力を信じるということが日本の文脈ですごく大事だなと思ったのが、カイラシュさんがシンポジウムで3つのDについて話したときに、参加者の若い人たちから「分かっているけどそれができないんです、どうしたら良いですか」というような質問がたくさんあって。それで、根拠ない自信というのがけっこう大事なんじゃないかなと思って「B」を足しました。

ACEを始めたのも、「『児童労働に反対するグローバルマーチ』を日本でやる人を探している」ということを聞いたときに、「できるか分からないけどやってみよう、できるような気がする」と根拠のない自信だけを持ってとにかく動き始めたのが始まりなんです。そうしたらいろんな人が協力してくれた。

日本で何かしようと思う人にとって「Believe」は大事だと思うし、それをチームで成し遂げようというときには、自分の力だけじゃなくて周りのみんなの持ってる力も信じて突き進むというのが大事なのかなと思っています。

山下(司会):岩附さん、白木さん、ありがとうございました!
こういう話ができたことが、ACEの私たちにとってもすごく良い時間だったなと思っています。「ここで働いてみようかな」と思った方はぜひご応募いただければ嬉しいです。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

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求人情報

※ACEでは現在人材募集を行っています。この記事を読んで「ACEで働くの、面白そうかも」と思ってくださった方、ぜひお気軽にお問い合わせください!(2021年4月18日募集締め切り)



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