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#27 雪隠と留学 [第3部 スペイン編] ep.XII「孔雀」

二度目の野生の孔雀を見た。

  一度目はアランフエスで、今回はサン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアルにて。あのサイズの鳥類が不意に現れたときのインパクトは凄まじい。全く鳴かず、堂々としている、ように見える。

もともとそこらの貴族が住んでいた宮殿の庭にいた。スペインというかヨーロッパは古い建物が往々にして巨大で壮大だ。現在でも完璧に手入れされた庭を所有し、かつての威厳を放ち続けている。

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 セゴビアへ行く予定だったが、鉄道が遅延し、乗り換える予定だったものに乗り遅れてしまった。幸運にも足止めを食らったのは以前チェコ人の2人と行く予定を立ててトレドに辿り着いてしまった時の元々の予定地、セルセディーヤだった。

あの日の早起きの恨みは忘れんぞ。

 次の便まで四時間近くあったので散策することにした。スコットランド人のフィルは翌日のプレゼンの準備をするため夕方にはマドリードに帰る予定だったのでセゴビアには行かず、ここで引き返すことになってしまった。

アンが誘ったイタリアからの友達のニコと三人でセゴビアには向かうことに。

 このセルセディーヤで昼食を食べることになったのだが、Morcilla(モルシーヤ)に挑戦してみることにした。血を使っている黒いソーセージで、初めてお目にかかった。ドイツでも見かけたことはなかったが、案の定スペインの料理らしい。パンにスライスされたものを挟んで食べた。生臭さや血の鉄分の味は全くなく、スパイスの香りに鼻をくすぐられる。優しい薄味のカレーのような味で見た目からは全く想像できなかった。

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スペインは北東部を除きほとんどは温暖な気候で雨も少ない。十月末のハロウィンでの甚平も全く寒くなかった。

そんなスペインでもかつてはスキーの名選手がいたのだ。セルセディーヤ出身のジャンプの選手で、札幌でのオリンピックでのメダリストだった。こんな異国の田舎町で我が札幌の文字を目にするとは何とも言えない嬉しさだった。その選手の銅像の前でパシャリ。

次回予告『雪隠と留学 [第3部 スペイン編] ep.XIII「水道橋」』

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