お返し断捨離 #毎週ショートショートnote
「まあーありがとうございますー」
玄関からテンションの高い声が聞こえてきた。
「何を返そう」
りんごを持って戻ってきた母親はちっとも嬉しそうじゃない。
「切り干し大根でもあげれば?」
結衣が答えると母親は「ダメよそんなの」と言って「これ、いくら位だと思う?」と聞いてきた。
いつもこうだ。大袈裟に喜んで見せるが、貰った物はそっちのけで何を返そうかばかりに頭を悩ませている。
礼儀のつもりだろうが、りんごを味わいもせず値段を探る方がよっぽど失礼な気もするのだけど。
「これでいいか」
母親はキッチン横の棚を開けると紅茶の包みを手に取った。
棚にはお返しに使えそうなお茶やお菓子などがギューギューに詰められている。
「それ貰ったやつだけど飲まないの?」
結衣の言葉にハッとして理不尽な文句を投げつけてきた。
「グチャグチャだから訳わかんない!断捨離してよ」
そんな母親を冷めた目で見ながら結衣が答えた。
「そのお返ししなきゃって考えの方を断捨離したら?」
(410文字)
たらはかにさんの企画に参加させていただきます♪( ´▽`)
フィクションですけど、まあ、うちの母親はこんな感じですね。
それを見ていた私は、なんかやだなーとモヤモヤしながらも「あれでいいんじゃない」などと答えていましたが。
そんな私の言葉なんて聞いてないんですけどね。一生懸命考える方がバカみたいなんだけど、真正面から受け止めて、あれこれ考えてぐったりしている私でした😅
今だったら、何も考えないで「あーいいんじゃない」だけ言うようにするかなー
そう思っていても昔のように反応してしまうのかも、刷り込みって怖い。
とにかく考えるってすんごく疲れるから、考えなくてもいいことは断捨離することにしましょー
トップ画は、イラストレーター 絵本作家 ももろさんの作品をお借りしました。内容とはあまり関係ないんですけど、ももろさんのイラストが可愛くって使いたくて使わせていただきました。ありがとうございます。
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