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農家家系の長男たるもの

 はじめに

 どうも久々の投稿になります。とはいっても今回が2回目の投稿なので、これが初めての投稿と言っても差し支えないような気もしますが…
 本当は1度目の投稿で言ったような濃い内容のものを今回書きたかった。というのもセクシャリティの話なんかを7月下旬に書いてはいたのですが、なかなか納得いくモノでなかったので、今現在僕の下書きの中で眠ってもらっています。
 さて、無駄話はこの辺にして今回の内容について少しだけ、触れていきます。題名から見て分かる通り、僕の実家は農家をやっています。一応、会社にはしているものの身内のみの家族経営。その家の3人兄弟の長男としては、家を継ぐべきなのか、土地の所有権云々など、個人的に抱える葛藤について書いていこうと思います。

 農家の息子っていいね

 冒頭でいきなり触れていない話題からで申し訳ないですが、この話はかなり僕自身がすごく嫌いな言葉なので触れさせてもらいます。

 知り合った人に「自分の実家が農家」であると言うと、この小見出しにもあるように「農家の息子っていいよね」とよく言われます。高校生になってから特によく聞くようになりました。まぁこの言葉の裏には「就職先があるからいいね」という意味があるのだろうと捻くれ者の僕は思います。
 僕個人としてはこれはかなりコンプレックスなのです。というのも僕は普通のサラリーマンになりたくありません。もっと言えば、昔から音楽家になりたいと思っています。
 そんな夢を抱えた僕には「農家の息子っていいね」は「就職先は確実にあるからそんなことが言えるのだろ」と僕がさも甘えているように聞こえて仕方がないのです。音楽業界がとてつもない競争社会であることは重々承知の上で夢として掲げているのに、そんな風に見られることが悔しくて仕方がない。
 こういう背景もあって「農家の息子」と言われることが僕のコンプレックスになりました。

 とはいっても僕は「農家」という職についてとてもポジティブな印象を持っています。なんなら誇れる職と言っても差し支えない程には。ただ誇りにすら思っているのに僕には「継ぎたい」という意思がありません。前述にもあるとおり他の夢があるからも理由の1つではあるのですが、1番の理由は父親の存在だと思います。
 僕の父親は中学生の頃に自分は農家になろうと思ったと言っていました。僕が中学生の頃はそんな気は微塵もなく、農作業も嫌いではないけど好きではないというくらいのレベル。それに対して父親は長男だからという理由で農家になったというわけでもなく、大学も短大ではあるけども農業系の大学で学び、農業系の企業に就職して、農家になりました。そして何より父は農業が好きです。趣味で変わった種類のスイカを育てたり、ハバネロを育てたり、僕にはそのような気持ちがないのです。
 こんな父を見て育ってきた僕からすると生半可な覚悟や気持ちで農家になるというのは父にも周りの人にも失礼なことのように思えて仕方がない。現時点でそんな気持ちのない人間が農家をやり切れるとは思えないから僕は農家をやるとは言えません。もし今後、父と同じくらいの熱意が僕に芽生えたら気持ちは変わるかもしれませんが…

 ここで冒頭の話と繋がってくるのですが、そんな甘い覚悟でやれるものじゃない農家なのに「農家っていいよね」って言ってくる人間には腹が立つし、そういう風に見られていること自体がとても嫌なので、僕はこの言葉がめちゃくちゃ嫌いです。


 相続

 まだ祖父も存命で、かなり未来の話なのですが、いつかは直面する話なので浪人中ぐらいから結構な頻度で相続について考えたりします。まぁ正直貧乏農家なので、遺産なんかより、固定資産の方について考えたりしてしまいます。かなり広い土地があるので考えただけで胃が痛い。
 去年、父と引き継ぐにあたってどれくらい税金かかるのかを話したことがあります。僕が農家になっていれば、1部減額されたりするみたいなのですが、今のところその予定はないので…恐怖でしかない。また固定資産税も農地は普通の土地より安いようなのですが、調べたところによると利用されていない農地は一般的な土地と同じ税が課されたりするとかしないとか。
 こういうことがないようにか、父親が会社にして会社の持ち物にしたとか言ってました。とは言っても、今現在会社にいる人は親族のみで、人を雇うにも未だ人材が見つからず。正直、心配です。誰か外部から人を雇って最終的に社長になるにしても、事務所は実家だし、なんか大丈夫かなぁ と。

 税金のことはまだ詳しくないので、そんな詳細には書けないし、これ以上言及もできないですけど、もし仮に全ての固定資産が僕に引き継がれるとしたらとんでもない負債をかかえるのと一緒だと思うのです。土地を手放すにも農地だし、田舎だしで買い手がいるとも思えない。自分が払えたとしても、自分に子供が出来たら、その子供にまた相続するわけですからね。今から考えてもしょうがないのかもしれないですけど、農家の息子って面倒だなって思う今日この頃です。

 思い出補正と葛藤

 相続のことで散々悩んでおいて、こういうのもあれですが、農地を誰かに渡すことがあまり想像できないです。というのも、自分も小さい頃からよく畑だのハウスだのに行って、ただの農地でも色んな思い出が詰まってる場所です。父親や祖父が生きた証、数十年後に父が死んで引き継ぐことになったら形見に近いものになると思います。そういうことを考えると、簡単に手放してもいいのかと考えてしまう自分がいます。「じゃあ農家に」と言おうにも前述したようにその覚悟が自分にはまだありません。
 このジレンマに悩まされて早2年が経ちます。大学生活も残り2年。卒業するまでにはこの葛藤を終わらせたいけど、未だに目途が立たないのが現状です。
 本当に馬鹿らしくて子供のようにわがままな悩みですけど、そう簡単には譲れないもの。他の農家の長男はどうしてるのか僕は気になります。

 田舎のコミュニティ

 僕の地元は僕の父以外にも当然農家の人はいます。というか地域に農家の人は多いです。地域の秋祭りがあるのですが、参加する大人の半分くらいの人が農家だったりします。年齢の幅は1番若い人で30歳くらい、年長者の人は60後半くらいと結構幅の広い集まりです。この秋祭りは父親が昔から出てることもあり、小さい頃からそこのコミュニティで可愛がられて生きてきました。最近は僕もお酒が飲めるようになったので、コロナ禍でも色々工夫して、僕の成人をお祝いしてくれたり、よりこのコミュニティに参加する機会が増えてきました。
 そういう場ではいつも農家の話になります。やはり田舎の人間なのか考え方が古い人もいるので、「僕が農家の長男」ということで有無を言わさず農家になるという話にもなります。この時、僕はいつも複雑な気持ちになります。僕は自分の地元が好きだし、昔から可愛がられてきたコミュニティも好きだし、何かしらの形で恩を返したい という気持ちがあります。多分、僕が地元に残って次の世代に祭りや他の行事を残すってのが1番分かりやすい形の恩返しだと僕自身は思います。
 でも僕のやりたいことは、この考えと相反するもの。地元にすら残らない予定だし。これまた大きなジレンマです。「僕を可愛がってくれたコミュニティに対して農家にならないことが裏切りになるのではないか」と。自分が農家じゃない違う形で大成功して、地元を活気づけられたら最高ですけど、そうじゃない方の確率が高いので「どうしたもんかな」と悩み続けて早5年。まだ答えは出そうにありません。

 おわりに

 結局何が書きたいんだって内容になってしまいました。それでもこの怪文章を読んで、「そんな悩みがあるんだ」って知ってくれた人がいれば自分としては書いた甲斐があったと思います。
 総括して1番言いたいことは農家の子供に「最悪、自分の家継げばいいから良いね」なんて言わないであげてください。もしかしたら、それがその子にとって1番の悩みの種かもしれないですからね。

 僕はまだまだ知識や経験は足りないし、わがままですけど、いつか全部納得のいく形で解決できるように頑張ります。本当にダラダラ長いだけの内容のない文章をここまで読んでくれた方ありがとうございました。

 あとがき と 予告

 実は本文、書き詰まっては止めてを繰り返して全てを書くのに3か月くらいかかっております。それ故、かなりちぐはぐな文章になっているかもしれません。
 話は打って変わって次のnoteの話。次は書きかけのセクシャリティの話の予定です。19歳で僕がセクシャルマイノリティだと気づいた体験談を交えながら、現代のセクシャルマイノリティへの「配慮」について書こうかなと思っております。
 とは言ったモノの僕自身かなりの気分屋なので、もしかしたら全く違う話になるかも…どんなものだろうとまた変わった話を書いていきます。
 ここまで読んでくれた人がいるか分かりませんが、長々とお付き合いいただき本当に本当にありがとうございました。また次回のnoteで!

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