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世界一しょぼい運試し

「スキ、キライ、スキ、キライ…」

さっきから少女のような花占いをしているのは中年の男。

彼の片想いは深刻と言ってもいいほどの情熱だった。起きている間は片時も彼女のことが頭を離れず、食事もろくに喉を通らない、マンガのような日々を過ごしていた。
思い切って彼女に告白しようと思っても勇気が湧かず、ついつい乙女のような占いをしてはため息を吐くだけという、典型的モテない男の思考のまま日々を過ごしていた。

今日、ついに告白をしようと決心はしたものの、またも気持ちが萎えてしまい、最後の運試しとして花占いをしていたのだった。

「思えばオレは何も行動せずに諦めているばかりだった。でも、そんなんじゃダメだ!思い切って行動するべきなんだ!」
そして最後の一枚は
「…スキ」
よし!今日こそは思い切って告白するぞ!

「パパー、ママがごはんできたよーって」
「あら、あなた。またあの時の花占い?いい加減思い出すの恥ずかしいから止めてよ。ちゃんと片付けてね」

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