1億円の低カロリー

「さあさ、これこそは究極のダイエット薬！飲めば必ず痩せますよ！」
怪しげな薬、サプリメントを売っている店の前で、店主が呼び込みをやっていた。

そこへでっぷりと太った紳士がやって来た。

「君、必ず痩せるんだね？」

「はい、もちろんですとも！」

「では買おう。金ならある。1億円分買おう」

「ありがとうございます！」

邸宅に帰り、山のように積み上がった薬の箱を前に、紳士はご機嫌だった。
「さて、一体どれほどの効き目か試してやろう」
シートから黄色いカプセルを押し出すと、まずは一粒飲んでみる。
すると、なんだか身体の中がポカポカとしてきたような気がする。
早速、体重計に乗ると
「おおっ！1キロも痩せている！こいつは本物だ！」
効き目を確信した紳士は、次々とカプセルを飲み始めた。

しばらくして、
「あなた、食事の用意ができたわよ？変ね、居ないのかしら？さっきまで居たはずなのに？あら、この黄色いカプセルの山は何かしら？」