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ジョブ理論で考えるカフェの価値と賢いお金の使い方

忙しい日々を送る多くの人にとって、カフェで過ごす時間はかけがえのないリフレッシュの時間でしょう。私にとってもそうです。

行きつけのカフェの値上げ

最近、昼休みにときどきランチに行くカフェが値上げをしました。普段メインで行っている食堂の倍近くの値段です。数か月前に50円値上げしたばかりなのに、今度は200円の値上げです。物価上昇分の値上げは仕方がないですが、数か月の間に25%超の値上げは受け入れがたいものがあります。周りに競合する店がないので、強気でいられるのでしょう。

今回の値上げにより、白米が五穀米になり、小さなおかずが一品増え、コーヒーが飲み放題になりましたが、そんなものは全く求めていないし、値上げ分の価値も感じません。週末ならコーヒーのお代わりをゆっくり楽しめるかもしれませんが、仕事の合間の短い昼休みに、フリードリンクを楽しむ余裕などありません。

ランチの金額とサービスの価値のバランスが崩れたことにより、そのカフェに行く頻度は下がりました。それでも、まだときどきそのカフェに足を運んでしまうのは、忙しい仕事の合間にゆったりとしたスペースでリフレッシュしたいからです。

ジョブ理論

「イノベーションのジレンマ」で有名なクレイトン・クリステンセン教授の「ジョブ理論」には、顧客はモノそのものがほしいのではなくて、特定の問題を解決するため、または特定の目標を達成するために商品やサービスを利用(雇用)するのだ、ということが書かれています。

この本の中でファーストフードチェーンのミルクシェイクの例が紹介されています。朝ミルクシェイクを購入する顧客を対象に行ったある調査では、顧客はミルクシェイクそのものがほしいから購入するのではなく、長い車通勤の退屈をしのぐために購入するのだということがわかったそうです。ミルクシェイクは固くてすぐに飲みきれないので、長距離運転のひまつぶしにはちょうどいいのですね。

ジョブ理論でカフェの価値を考える

この理論に当てはめると、カフェに行くことで私が得たい価値は、日常から少し離れて自分自身をリセットし、読書をしたり、ぼんやりと考えごとをしたりする時間と空間です。コーヒーは美味しいに越したことはありませんが、コーヒーを飲みたいだけなら家で飲めます。

また、週末に仕事をしなければならないときにもカフェに行きます。休みの日に家で会社のノートパソコンを開くのはとても苦痛ですが、カフェに行くとなぜかイヤな気分が半分くらいになります。また、家で仕事するときよりも生産性が上がり、アイデアも浮かびやすくなり、とても捗るのです。

価値を見極めるお金の使い方

何かの製品やサービスを購入する際は、この「ジョブ理論」を意識しています。今、自分が買おうとしているものは、どのような問題を解決してくれるのか、またはどのような目標達成に貢献してくれるのか。その商品やサービスは、その価格に見合った価値を提供してくれるのか。そんなことを考えながら買い物をすると、必要なものしか買わないし、必要以上の機能を求めることもなくなります。また、すでに持っている他のもので十分であることもあります。

そうすると、自分の価値観や判断軸が明確になり、誰かに見せびらかしたいとか、よく見られたいからという理由で何かを買うということがなくなります。広告やマーケティングに踊らされることもありません。その結果、自然と無駄遣いが減り、家に不用品が溜まることもなく、お金も貯まっていきます。ストレスフリーで幸福度が上がり、快適です。


斎藤隆さんの著書『15分あれば喫茶店に入りなさい』には、カフェの有効活用について多くのヒントが書かれていて、何度読み返してもワクワクします。カフェで作業する方にはオススメです。


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