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魂を癒すハイヤーセルフとの旅(4)  ~イシュマエル・苦悩の人生(前編)~


いよいよ、私のヒプノセラピー体験談をお話しして行きたいと思います。

初めて実施したのは2020年6月。そう、新型コロナウイルスの為に、多くの人の行動が制約される中ですから、なんとオンラインで行いました。
普通のセラピストにとっては、難しい条件だったと思いますが、ベテランのセラピスト(ヒロミさん)にとっては、さほど問題ではなかったようです。

小一時間、身の上話などして打ち解け、ああ、この人なら何でも話せそうかな・・、と私が思ったところで、たぶん、お決まりであろう技法の1つを使って、ヒロミさんは上手に私を催眠状態に入れました。

私は、自分を失うことなく、顕在意識が働いていることは感じていました。
しかし同時に、“もう一人の自分”が現れるのを感じました。
そして、私(りんたろう:文中では“りんた”)にとって、初めての前世体験が始まりました。

セラピー


【農家の子として生まれ、勉学で立身したイシュマエル】

(ヒロミ):何が見えますか?

(りんた):あれ・・、ここは何処だ? 日本ではない。時代もそうとう昔だ。乾いた大地に大きな城が見える。それも教科書で見たような、石造りの荘厳な建物に僕は入ろうとしている。出勤する感じ? 

(ヒロミ):あなたは誰ですか?

(りんた):僕は・・(自分の姿を見る)、褐色の肌をしている。たぶん アラブ系の人だ。若く、端正で、聡明な青年だ。そして何故か誇らしげだ。
そうだ!僕は任官され、晴れて城の中で勤務し出したところだよ。

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中世のアラブのどこかで、強力な王と、厳格な階級社会が存在している国。
イシュマエルは農家に生まれ、毎日が重労働、という運命が待っていた。
しかし、イシュマエルの父は、息子には自分と同じ人生を送って欲しくないと思い、勉学によって立身させる可能性に賭けていた。

イシュマエルはその期待に応え、学業に励み、優秀さが認められ、任官される。端正な顔立ちと実直な仕事ぶりに、上流階級からも信頼を得、やがて宮廷中心部に使える官僚へと出世していった。

一見、幸運そうに見えるイシュマエルだったが、彼は、自分しか理解できない課題を感じ始めていた。それは宿命的と言うべきものだった。

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【イシュマエルの課題】

(ヒロミ):イシュマエル、すごいね。どんな気持ち?

(りんた):悪くはない。だけど、どうも安心できないんだ。何故だろう。
王様は立派な方だ。人徳もある。でも・・、わかっていない。      王様だけじゃない。ここにいる上流階級の人は皆、下級市民の暮らしや考え方を理解してないんだ。たぶん悪気もないんだけど・・。

やがて場面が変わり、イシュマエルが裁判を見ている光景へと移った。
無論見ているだけで、彼が裁定に加わることはない。裁くのは上流階級だ。

裁判官による追求は、誤解と曖昧さに満ち、釈然としない中で進んで行く。
そして判決は、下級市民にとってあまりに過酷なものへと導かれていった。
この光景を何度もイシュマエルは目撃する。

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イシュマエルは思った。何故ちゃんと質問をしない? 何故理解しようと しない? 何故もっと愛のある裁きを行わない?

言いたいことが言えない、下級市民のやるせなさがわかる一方で、上流階級の人々に悪意がないことも知るイシュマエルには、心の底からこみ上げてくる感情があった。

無理解が人を傷つけていく。でも止められない。何とかしなくては・・。(つづく)


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