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第四話~いくつといくつ~

 宿題をする気になれない

 はるかとはるきは、算数の宿題をしていた。はるかはどんどん書き進められるのに対してはるきは全く気が乗らない。鼻と上唇の間に鉛筆をはさみ、両肘を机につき、両手が両頬を支えている。

はるき:はるか、あとで宿題うつさせて。
はるか:いやだ。
はるき:どうして?特別にお小遣いからお菓子を買ってあげるから。
はるか:えっ?うーん、仕方ないなぁ。先にお菓子をちょうだい。
はるき:わかった。お菓子を買いにしゅっぱーつ。

お菓子を買いに 

 はるかとはるきは、小銭を持って近所のスーパーにお菓子を買いに行った。はるかは欲しいお菓子を選ぶと、それをはるきに手渡し、買ってくるように促した。はるきは、空いているレジに行き、お菓子をお店の人に差し出した。

お店の人:このお菓子は、90円です。
はるき:はーい。ええと・・・10円玉が、ひとつ、ふたつ、みっつ…ななつしかないぞ。困ったなぁ。
はるか:はるき、お金足りないの?
はるき:そうみたい。
はるか:いくら足りないの?しょうがないから貸してあげる。後で返してね。
はるき:わからない。
はるか:お菓子が90円で、はるきは70円持ってる。足りないのはいくら?さっきやってた宿題みたいな問題よ。
はるき:宿題やってないからわからないよ。
はるか:90は、70と20よ。だから20円足りないのね。はい、貸してあげる。
はるき:ありがとう。

 こうしてはるきは、はるかから20円を借りて無事にお菓子を買うことができた。

いくつといくつを勉強する意味

はるか:お菓子はもらうけど、宿題はうつさせてあげないよ。だって、私20円出してるから。
はるき:いいよ。ちゃんとお菓子もあげる。宿題も自分でやる。
はるか:どうしたの?
はるき:だって、「いくつといくつ」を勉強する意味がわかったから。「いくつといくつ」がすぐに答えられるようになったら、レジであたふたしないではるかからお金を借りられるでしょ?
はるか:もうはるきとはお買い物に行きたくない!

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