うち息子はすごいんです!誰がなんといっても!
私は、息子が褒められたとき、素直にそれを受け入れる。
間違っても謙遜なんてしない。
「そうなんです。すごいんです。」という。
これは自分自身が幼少の時に、傷ついたことを覚えているからだ。
私は、その場その場の対応とか、臨機応変とか、
全然できないタイプだったので、
知らないことや予想外なことが起こると、
パニックを起こして泣いてしまう子どもだった。
だから、泣き虫だという自覚はあった。
親は、自分のことを泣き虫だと人に紹介していた。
決していい気はしなかったが、それは、そのとおりだ。
当時の私の唯一の特技は、縄跳びだった。
誰よりも長く、誰よりも辛抱強く、飛び続けることができた。
私は、一番多く縄跳びが跳べたことを誇らしく思っていた。
ある日、誰かの親が私の縄跳びのことを褒めていた。
「どうでもいいことばかりよくできて。」
これは、私の親が相手に気を使った謙遜だったのかもしれない。
しかし、幼少の頃の私は深く傷ついた。
自分が唯一、他人よりも得意なことが、どうでもいいことだなんて。
子どもの心はタブラ・ラーサ、白紙の状態だ。
そこから、見たもの、聞いたもの、触ったもの、感じたもの、
そんな絵具で白紙はどんどん染められていく。
まだ絵が書きあがっていない、白いキャンバスに、
華やかな色合いを与えてもらった子どもと、
黒やグレーを塗られてしまった子どもと、
どちらが幸せになりやすいだろうか。
もちろん、その後の経験や、自分自身の努力もあるだろう。
でも、わざわざ好き好んで息子の白紙に墨を塗りつける必要はないだろう。
うちの息子はすごいんです!誰がなんといっても!
我が家では、本当にどうでもよいことで息子を褒めている。
褒めているうちに、息子はどんどん新しいものに挑戦する。
そして、時々、親の想像を超えるときがある。
そんなときは、心の底から「すごい!」という。
お読み頂いありがとうございます。記事が役に立てばうれしいです。このエリアまで読んで頂いた方が、これまでもこれからも幸せでありますように。