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偏見シリーズ序

「偏見だけどね」
という締め言葉で終わる会話を、親友とよくする。
西尾維新の戯言シリーズの「戯言だけどね」を真似たものだが、親友は全く気づいていない。
そんなことはどうでもいい。
重要なのは、この「偏見だけどね」というやりとりが、
「私の思想が偏っているのは重々承知しておりますし、必ずしもみんなに当てはまるものではないとも弁えておりますが、それはそれとしてちょっと物申したいことがあるので言わせていただきました。そんな自分の性格の悪さもよくわかっておりますので、反対意見は不要です」
という意味であるということだ。
全くもって性格が悪い。
だけど人間、愚痴の一つも言いたくなるものだ。
そんな時、正論だけでは言い表せないものもある。肥大化した正論が溢れかえる世の中で、肯定だけでは見えないものもある。
そういう時に散々悪口を言った後、「偏見だけどね」と自己保身をする。
これが存外に気持ちが良い。

いやはや、これを書いているやつはきっと、コンプレックスに塗れながらも自己評価だけは高くて自惚れていて、人の気持ちを考えているつもりで結局は自分のことしか考えておらず、好きな人には悉く嫌われる最低の隠キャに違いないぜ。
まあ、偏見だけどね。

この偏見シリーズ、ことあるごとに書いていきたい。

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