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大人は泣いたりしないの。

あっかです。
noteのお題「思い出の曲」に挑戦です。

私の思い出の曲はずばり

Big Girls Don't Cry / Fergie 
です。

切ないアコースティックで、
London Bridgeなど華やかなイメージのファーギーが
歌っていることにまず驚きでした。

元カレくんといえば

洋楽を聞く趣味のある人でもなかったのですが、
デートをよくしていた時期に有線でよくかかっていたのです。

どこの有線かって・・・お察しください。

あまりにいつも流れているので、
真面目に聞いていなかったはずの元カレ君が
鼻歌で口ずさむまでに。

別れた後再会しても、I hope you know I hope you know~♪と
いうだけでお互いにんまりしてしまうくらい。

出だしの、Dadadada~♪だけでも通じたような。

歌詞を知らなかったけど

思い出の曲と言えばこれよねなんて思いながら、
歌詞を改めて読んでみました。

元カレくん、ごめんね。本当にありがとう。

一緒に聞くともなく聞いてた当時も
別れた時も気づかなかったけど、
時間が経てば経つほどじわじわ来る歌詞だったのでした。

英語が苦手なので和訳サイトを見ているし
著作権の関係もあるので原文も書きませんが、
気になった方はぜひ検索してみてください。

あなたは何も悪くない、
(別れるのは)私自身のことだから。

別れるときに、
ごめんね今までありがとうと泣きじゃくりながら言ったけれど、
本当にそれに尽きた別れでした。

あちらは何も悪くない。とにかく私のせい。


元カレくんは、サークルの後輩でした。

若者の集団でありがちな、
好意のベクトルがぐちゃぐちゃに絡まっていて
なかなか両想いには至らない関係。

誰かが自分の思いを諦めて向けられた好意に応えれば、
そこでカップル成立。

穏やかな人ばかりのサークルで浮いている私を
なぜ面白いと思ったのかわからないけど、
せんぱいせんぱい!と顔を見るたびに後をついて回ってきて

なんだこのかわいいワンコは

と思うばかり。

よく遊びに連れ出してるみたいだけど、ただの先輩なわけないでしょ?
どう見てもあんたの事好きなんだから、応えてあげなよー
という周囲の声に負けて、

ねえ、あたしの事好きなの?付き合う?

とある夜急にかけた電話で話したのが、始まり。

ムードもへったくれもない。

後輩、かわいい奴と思っていたはずなのに、
次第に、甘えるのは私&全て受け止めるのはカレ
という関係が定着していきました。

飼い猫みたいなもんだよね。
外に出たいよー!他の子とも遊びたいよー!って騒ぐから窓を開けるけど
お腹がすくと必ず帰ってくる。
俺はそのために家で待ってるの。

とカレは言っていました。

途方もなく大きな器の中で
好きなように泳ぎ、転がり、遊び暮らす私。

彼の手のひらでころころされているのは、
器が小さくて自分の事で精いっぱいで
疲れるとだらーんと甘えさせてほしくて、
自分からは特に何も提供できない私にとっては
限りなく心地のいい環境でした。

君は何が楽しいの?と聞くと、
そうやって楽しそうに過ごしてるのを見ることだよ
とのこと。

人を見守る幸せがわからない私には、理解不能でした。


自分は心地いいけど何も提供できていない。

この人は私のために無駄な時間を過ごしているんじゃないか?

私といることは損なんじゃないか?

私と別れた方がいいよ!

という思考回路で、何度も別れようよと持ち掛けました。
そのたびに、
俺は損してない、見てるのが幸せ、だから別れない
とのこと。

わからない・・・!やっぱり全然理解できない・・・・!

別れ話は何度も何度もしました。
ホルモンバランスなのか、かなり定期的に。


ある日、度重なる別れ話に嫌気がさしたのか、

わかった別れよう。

と答えたカレ。

どっぷりとカレに依存しきって、
大丈夫大丈夫と今日も言われることをうっすら期待していたのに、
拍子抜けした私。

数日後、カレは
ずっと好意を寄せてくれていたけど彼女がいるからと断り続けていた
別の女の子とお付き合いを始めました。

「彼女」は俺のことを好きって言ってくれるんだよ

そうだね、私は君の「好き」に照れてばかりで答えてこなかったね

気持ちの整理のつかない私に、最後通告のように元カレくんは伝えてきました。


その頃はもう、Big Girls Don't Cryを街なかで聞くことはありませんでした。


大人は泣けない。

器の大きすぎる元カレくんに対し、
あまりの人間性の違いにほんの少しの居心地の悪さを感じていた私。

今思い出しても、
甘えることに没頭していれば何も気づかなかったのかな、
でもきっと、長くは一緒にいられなかっただろうな、と感じます。

結局、結婚生活にそれなりに満足している今振り返ってみると、
互いを補い合いつつ似たもの同士が一番居心地が良いのでしょう。


元カレくんを思い出すとき、
別れた直後からずっと、涙よりため息の方が多く出ました。


泣いている場合ではない

泣いても笑っても明日は来る

明日自分がうまくやっていくためには、どうしたらいいか考えなくては

そんな事を考え、日々の授業やイベントに追われるうちに
だんだん元カレくんが薄れていきました。

自分の器の小ささによる居心地の悪さを解消するために、
私がカレに頼らずに自分の器を大きく育てていくために、

私はあなたと別れなくてはいけなかった

今でもその点に後悔はありません。

現在、それぞれ家族をもって過ごしているという事実もあるけれど。
そうでなくても、ヨリを戻すという選択肢は全くなかったから。

子どもを育てている今、
自分以外の存在が楽しそうに過ごすのをただ見守ることの楽しみが
ようやくわかってきました。

辛そうにしているのを見るくらいなら代わってあげたい

自分が多少の我慢をしてでも優先してあげたい存在がいる

元カレくんは、学生の段階でもそれに近い事もできてしまう
素敵な人だったのでしょう。

こんな私をたっぷり甘やかせてくれた事、

自分を見つめなおすチャンスをくれた事、

本当にありがとう。


もうどこで生きているのかもわからないけど、
今も素敵な人として、世界のどこかで暮らしていてくれますように。

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