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学振あれこれ:注意点、今年度の変更点、そしてアドバイス #ポスドク総研

目次
1.若手研究者の登龍門
2.採択と申請区分に関して
3.学振の準備にあたって
 1.申請書のフォーマット変更にまつわるアドバイス
  1.「申請者のこれまでの研究」が「研究の位置付け」に
  2.研究計画を書くスペースが減った
  3.自己分析と目指す研究者像(DC)
  4.大事なことは全部題目に含まれている
  5.最新の情報を自分の目で確認
  6.締め切りから逆算してスケジュールを立てる
  7.チェック時は読み上げとプリントアウトで

若手研究者の登龍門

研究界隈にいれば一度はその名を耳にする「学振」、それは「日本学術振興会特別研究員」の略称であり、若き研究者たちにとっては登龍門のような存在と言えます。

歴史・規模、そして公的資金が投入されることのほか、現役の一流研究者が6人がかりで書類審査に取り掛かる贅沢な審査体制も学振の魅力を作り出しています。そこで高く評価されることは、若手研究者にとっても大きな励みになります。

さらに学振は、研究奨励金(DCは月20万円、PDは月36万円)と、年額150万円までの研究費を提供することによって、生活費と研究費の両方の心配をなくし、研究に専念させてくれます。特に自分のやりたいテーマに自由に使える研究費は、駆け出しの若手にとっては貴重なものになります。

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採択と申請区分に関して

魅力的なものには競争はつきものです。令和2年度と3年度の採択率はDC・PDのいずれも20%弱ほどと、決して高いとは言えません。分野の間では比率は変わりませんが、絶対数は大きな違いがあります。例えば令和3年度のPD申請者数は、最多の数物系科学では361名、最小の情報学では35名と、10倍以上もの開きがあります。

学際的な研究を行う者にとっては、申請を出す分野(区分)選びも重要な戦略です。その戦略の一つは、「業績数が該当区分で優位に立てるかどうか」です。例えば、自身の主分野は論文発表のサイクルが速く、5本以上の論文を有する若手も珍しくないとします。加えて、自身の隣接分野では論文発表が比較的に難しく、若手の段階で2~3本出せるのがやっとだとします。この場合、隣接分野で申請した方が、業績数において他の方よりも優位に立てることが推測できます。しかし、無闇に他分野で申請すれば良いというわけではなく、きちんと審査者を説得できるかどうかも考える必要があります。自分の研究テーマが該当分野にどの程度合致し、どれほどのインパクトをもって分野に対して貢献できるかをしっかり考えましょう。

学振の準備にあたって

申請にあたっては、区分・テーマ・業績量などに応じて対策が変わってきますが、共通する注意点も多くあります。以下では今年度のフォーマットの変更点を紹介した上で、筆者の経験(社会科学系DC2)をもとに、いくつかのアドバイスを提供します。

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