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高野山内での不正受給問題 再び

同じ高野山内に住む僧侶として、こんなことは書きたくはなかったのですが高野山内の寺院における、コロナ禍での雇用調整金の不正受給がまたまた発覚しました。

以前も、この話題は取り上げましたが、それに続き3例目ですね。

一番最初に不正受給が発覚した寺院の住職は、全国的にニュースに取り上げられ、高野山の名を汚したことを恥じ、自ら山内寺院の住職を辞そうと進退伺を本山に出したところ、他の住職から「まぁまぁ」と宥められたそうです。今になって思えば、この話ですが、宥めた他の住職方のなかにも後ろ暗いところのある方がいらっしゃたんでしょうね。

具体的に言いますと、「不正受給をしたことを理由に住職を辞退する」という前例を造られると困る人がいらっしゃったという事でしょう。そういう前例が出来てしまうと、自分たちの不正受給が発覚した際に辞職せざるを得なくなってしまいますから。

閑話休題。先日、友人が高野山に泊まりに来まして、その際に壇上伽藍や奥の院を案内しました。「この地はもともと、僧侶が修行するための道場として空海様が拓かれました」と、高野山の説明をさせて頂いたのですが、その解説にふさわしい土地であってほしいと切に願います。

以前にも、似たようなことは書きましたがこういう事例の積み重ねの一つ一つが日本人の仏教離れにつながっているという危機意識を僧侶はもたなければならないと強く思います。
いまだに、亡くなられた方を供養させて頂いた時に施主の方々から有難がってもらえる時があります。今回の一件は、有難いと思っていただけるような僧侶にならないといけないと、自戒の念を新たにする契機になりました。

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