生成AIとの対話で創る“セルフブランディング” -デザインについての勉強会-
アカデミーヒルズのメンバーズ・コミュニティ「デザインについての勉強会」では、定例会を4月28日に開催しました。
テーマは「セルフブランディングで自分らしさを発見し、輝くためのヒントを見つけよう!」でした。
前半はデザイナーである主宰者の鈴木一好さんからセルフブランディングについてのトークをしていただき、後半は生成AIと対話しながら自分らしさを考えるプロセスを体験しました。
前半の鈴木さんのセルフブランディングの説明は、デザインという視点から資料を用いて非常に分かりやすい内容でした。
この記事では概要を紹介しますが、資料はこちらの「ヒト・コト・シクミ ラボ」のサイトに掲載されていますので参照してください。
前半:セルフブランディングとは何か!(鈴木さんのトークから)
セルフブランディングとは?
自分自身を一つのブランドとして確立し、他の人に対して、明確で魅力的なイメージを築き上げていくプロセスのことを指します。
自己PRの進化形とも言え、キャリアアップやビジネス機会の獲得に役立つ戦略的な取り組みです。
なぜ今、セルフブランディングか
情報が溢れ競争が激化している現代社会において、自分の存在を示し、価値を伝えるためには、他者との差別化が欠かせません。また、キャリアの流動性が高まる中、自分らしさを軸にした一貫したブランディングは、転職やフリーランスとして活躍する上でも大きな強みになります。
そのために、セルフブランディングが重要になっています。
セルフブランディングのプロセス
スキルセット
スキルセットとは、特定の仕事や活動に必要な技能や能力の集まりを指します。技術的なスキルだけでなく、コミュニケーション能力や問題解決能力のようなソフトスキルも含まれます。
このように、スキルセットはその人が持っている全ての能力の組み合わせで、職業に応じて異なります。
最強ペルソナ
ペルソナとは、マーケティングやユーザーエクスペリエンス(UX)などで使われる手法で、具体的なデータやリサーチに基づいて作られ、特徴やニーズ、行動パターンを代表する架空のキャラクターです。
自分が目指す理想の人物像作成で、ペルソナを活用することもできます。最強ペルソナは、一般的な用語ではありませんが、目標到達に向けて効果的に最適に導くペルソナのことを指します。
モノ・コト・シクミ・イミ
モノとは、プロフィールなどその人のモノとしての視点。
コトとは、どんなことをやってきたか、どんな仕事をしているか、その人のキャリアとしてのストーリー。
シクミとは、スキルセットのこと。
イミとは、その人がその仕事において、どういう役割を果たすのかを指します。
鈴木さんのトークの中で、「『石ころを紙の上に置くと、ペーパーウェイトになる』それがイミです」という説明がとても分かりやすく印象的でした。
後半:ChatGPTとの対話で築くセルブランディング
後半では、鈴木さんのキャリアを例にしてChatGPTと対話しながら、セルフブランディングのプロセスを体験しました。
鈴木さんは、デザインによるコンサルティングファーム鈴木一好事務所を立ち上げて、デザインをすることでみんなが気分よくなることを考えるプロジェクトPORSAの活動をされています。
鈴木さんのChatGPTへの最初の依頼は次のとおりです。
「私は経験豊富なデザイナーでありデザインコンサルタントです。対象とする分野はグラフィック、ウェブ、製品、空間と多岐にわたります。またデザイン思考などの知識も豊富です。 今はデザイン経営の時代です。 これを活かして 経営者対象の 大人の家庭教師を始めようと思います。私の良いところを10個上げてください」
ChatGPT(一部抜粋)
1. デザインに対する豊富な知識と経験:グラフィック、ウェブ、製品、空間デザインという幅広い分野に精通しています。
2. デザイン思考の理解:問題解決のためのデザイン思考を用いる能力があります。
(中略)
9. 柔軟性:さまざまな状況に適応し、新しいチャレンジに対応する柔軟性を持っています。
10. 情報収集と分析能力:必要な情報を効率的に収集し、それを分析して洞察を導き出す能力があります。
ChatGPTの返事を受けて、鈴木さんの次の依頼は以下でした。
「私の良いところと経験を元に私のスキルセットを推測してください」
「それをカテゴリー分けしてください」
ChatGPT(一部抜粋)
■デザインスキル
• ビジュアルコミュニケーション:視覚的に魅力的で理解しやすいデザインを作成する能力。
• ユーザー体験の設計:使いやすく効果的なユーザー体験を創出するスキル。
(中略)
■コミュニケーション・リーダーシップスキル
• コラボレーションとリーダーシップ:異なるスキルセットを持つチームを率いる能力。
• コミュニケーション能て:異なる背景を持つ人々と効果的にコミュニケーションをとる力。
(中略)
■問題解決スキル
• クリエイティブな問題解決:デザイン思考を用いて複雑な課題に対する革新的かつ実用的な解決策を見出す能力。
• 持続可能性への意識:エコフレンドリーな解決策を提案し、持続可能性をビジネスモデルに取り入れる視点。
そして鈴木さんは、「以上の会話内容をもとにセルフブランディングとしての私の物語を考えてください。ダン・ハーモンのストーリーサークルで作成してください」と依頼しました。
ダン・ハーモンのストーリーサークルとは、作家のハーモン自身が用いた8つの要素からなる物語構造です。
最後に鈴木さんは、「今日の会話を元にして私のセルフブランデイングとしての理想の人物像(最強ペルソナ)を考えてください」と依頼すると、ChatGPTは、真希(マキ)という人物を描きました。
参加したメンバーからは、「ChatGPTの答えは、どのような根拠で生成されているのか?」という質問がありました。
鈴木さんは「学習したデータをもとに生成しているので、私のキャリアから直結しているわけではありません。これが正解というよりも、ここから対話をしながら、自分で創っていくものだと思います」と応えてくれました。
生成AIの最新情報
生成AIというとChatGPTが有名ですが、GoogleのGeminiや、Anthropic社のClaudeもあります。
鈴木さん曰く、「各々特徴があって、ChatGPTは親しみやすく、Claudeは真面目で融通が効きにくい、Geminiは厳格という印象がある」と表現されました。
また、生成AIによる文章や画像を使う場合は、クレジットを入れるのが良いというアドバイスがありました。
例えば、DALL-Eで生成した画像については、「Generated DALL-E by OpenAI and Adobe Firefly.. Concept by Kazuyoshi Suzuki」と鈴木さんの場合は入れているそうです。
鈴木さんのお話を聞きながら、生成AIの進化に驚くとともに、「自分とは何か、自分らしさとは?」という問いに対しては自分の意志が大切なのだと思いました。
最後に「デザイン思考で自分らしさを探るのが良い。頭の中でじっくり考えることも大切だが、気が付いたことや思いついたことを見える形にして試してみて、問題点があれば改善するという繰り返しが、完成度を高めていくと思う」という鈴木さんからのアドバイスで定例会は締め括られました。
ところで、鈴木さんは3月末からnoteをスタートしたそうです。記事は鈴木さんがアウトラインを示しつつ生成AIで文書化しているそうです。
鈴木さんらしいnoteだなと思いました。
アカデミーヒルズ 熊田ふみ子
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