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笑いながら革命しようよ!

アカデミーヒルズでは、毎月1回、ライブラリーメンバーを対象にしたリアルイベント「ライブラリーラウンジトーク」を開催しています。
12月は、プロデューサーの小国士朗さんをゲストにお迎えして開催しました。
テーマは、「笑いながら革命したっていいじゃない~笑えない社会課題の見え方をぐるりと変える企画術~」でした。

「注文をまちがえる料理店」をご存じでしょうか?
認知症の状態にある高齢者や若年性認知症の方がホールスタッフを務めるイベント型レストランです。
ときには、注文を間違えたり、失敗したり、いろいろなことが起きます。普通だとクレームになるところが、何故かそれをみんな笑って楽しく過ごしている、そんな不思議なレストランです。レストランの動画を見ると「泣きながら笑っている」自分がいます。これは、「笑い過ぎて涙が出る」のではなく、「感動のあまりに涙が出るのですが同時に声を出して笑っている」という感じでしょうか。
下記サイトで動画をご覧いただけますので是非!!

おばあちゃん一人では無理なので、大きなミルをお客様が支えてくれています。
おばあちゃんとお客様の協働作業で笑顔が生まれた瞬間。
「注文をまちがえる料理店」のサイトはこちら

次に、「deleteC」をご存じですか?
Cancer(がん)の頭文字のCがつく、商品・サービス・企業名から「Cを消す(Cをdeleteする)」アクションを通じて、その商品等の売り上げの一部ががん治療研究の寄付につながるという仕組みです。
毎年9月のがん征圧月間には、「#deleteC大作戦」と題して、SNSの投稿・拡散が寄付につながる取り組みも行うなど、その趣旨や「あかるく、かるく、やわらかい」アクションのあり方に賛同したサントリーやカルビー、コクヨといった100を超える企業が多数参加しています。

「C」が消えたCCレモン。
9月の#deleteC大作戦の期間に販売されました。

これらのプロジェクトを企画したのが小国さんです。
認知症やがんなどの社会課題を、楽しく笑いながら取り組めるしくみを創り出しています。
今回のイベントでは、その小国流の企画術(流儀)を紹介いただきました。
下の画像は、小国さんのプレゼン資料の最後のページを撮影したものです。小国さんが大切にされている流儀の数々。気になるワードばかりですが、その中で「⑥北風より、太陽」を紹介します。

小国さんのプレゼン資料の最後のページの大切にされている12の流儀!

「北風と太陽」のお話は皆さんご存じですよね。
冒頭で紹介した「注文をまちがえる料理店」と「deleteC」の二つのプロジェクトは、太陽的アプローチだと思いませんか?
小国さんが太陽的アプローチの大切さに気付いたのは、NHK時代の苦い経験があるからだそうです。番組の中で社会課題をしっかりと伝えたいあまりに、直球的に「このままだと大変なことになります!」的な表現になっていたそうです。このような恐怖訴求は広がりやすいけど、人は守りの体制をより強化することに繋がるそうです。
そのために考えたのが「太陽的アプローチ」だそうです。
小国さんの著書『笑える革命』から引用しました。

課題から目を背けさせるのではなく、むしろ目が離せないような状態を作りだすアプローチ。暗くて重い社会課題とはちょっと似つかわしくない、にこにこ、へらへら、わっはっはと笑いながら、思わず行動を起こしたくなるような、太陽のアプローチ。

『笑える革命』(166ページ)

北風的アプローチは情報伝達には適しており、太陽的アプローチは課題解決に適しているとのこと。言い当てていると思いました。
小国さんは、「太陽だけだど、この寓話は成り立たない。北風の存在が大切」と表現されていました。
私たちはすぐに「太陽が大切、北風はNG」となりがちですが、各々の役割があるということですね。

一方で、社会課題の太陽的アプローチについては、小国さんは「人を傷つけてしまうのではないか!」「不謹慎と思われるのではないか!」という不安との戦いだとお話されました。
しかし、これらの企画は必ず小国さん自身の「原風景」からスタートしているそうです。
例えば「注文をまちがえる料理店」では、認知症の状態にある人たちが暮らすグループホームで「お昼のメニューはハンバーグの予定だったのに、実際に出てきたのは餃子。ひき肉以外あっていないのに、誰も気にすることなくおいしく楽しくランチを食べていた」という原風景。
普通であれば、間違いはよくない、間違いが起きたら正さなければと考えがちですが、「間違いを受け入れることで間違いをなくしてしまう」という新しい風景に出くわした小国さんは、心が躍りました。
このような「現実の中の理想の風景」からスタートしているから、きっと良い企画になるはずと、がんばれるそうです。
ただ、「注文をまちがえる料理店」の初日は、怖くて怖くて仕方なかったそうです。「お客様からのクレームが来たらどうしよう」、「認知症の方々が仕事を途中で止めてしまったらどうしよう」などの心配事、そしてこの企画によって誰かを傷つけてしまったら。。。。
そのような小国さんの心配は不要でした。2017年にスタートして以来、多くの自治体や企業等からの問合せがあり、輪がひろがっているそうです。

今回のイベントで、小国さんのお話を改めてお聞きして、小国さんのプロジェクトはどれも、うふふって微笑みながら感動のあまりに涙が出てしまいます。そのわけは、小国さんの真剣さやさしさが企画の中に散りばめられているからだと思いました。

ところで私の夢は、deleteCプロジェクトで「academyhills」(アカデミーヒルズ)を「a(c)ademyhills」(アアデミーヒルズ)にすることです!

アカデミーヒルズ 熊田ふみ子

#アカデミーヒルズ #注文をまちがえる料理店 #deleteC #小国士朗 #社会課題 #北風と太陽 #笑える革命


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