「なにかあったらどうするんだ症候群」を考えてみる
アカデミーヒルズでは、2013年頃から為末大さんには定期的にイベントでお話をして頂いています。いつも新しい視点を提供くださるので、毎回ワクワクしながらイベントを開催しています。
為末さんらしい発想だなと思ったのが、「なにかあったらどうするんだ症候群とその対処法」というnoteの記事です。この記事については様々な反応があったようです。
「なにかあったらどうするんだ症候群」に日本はかかっていると。この症候群は社会に安定と秩序をもたらしますが、その副作用として社会の停滞と個人の可能性を抑制すると書かれています。
この考えに対して、「とは言えなんでもかんでもやってみようでは、安全管理の点で問題がある」という声があったそうです。
それに対して為末さんは、「この症候群から抜け出ることは、安全を犠牲にすることを意味するのではなく、リスクとは何かを考える必要がある。物事全てにはリスクはある。リスクは危険ではなく不確実性という意味。リスクはなくすことができないもの。自転車に乗ると事故に遭うかもしれないから自転車に乗らないのではなく、ヘルメットをかぶることでダメージを最小限にした方が良いという考え方。」と2つ目の記事で言われています。
また、このトピックスは日本経済新聞の「スポーツの力」という欄でも取り上げられていました。(6/8朝刊の有料記事)
為末さんの記事を読んだときに浮かんだ言葉が「コンフォートゾーン」でした。
元GEのシニア・バイス・プレジデントの藤森義明さんの言葉です。アカデミーヒルズでご講演いただいたときに、「コンフォートゾーンを出ろ! コンフォートゾーンにいたら成長できない!」というお話でした。
一人ひとりが、少しずつコンフォートゾーンを出てみたらいいのではないか。1人だけが大きく出るよりも、みんながちょっとずつ出てみるとリスクも低く抑えられるのではないかなと考えました。
そして、今すぐに行動に移せるという利点もあります。もちろん動きはゆっくりですが、着実に変化が浸透していくと思います。そしてティッピングポイントを超えると一気に広がるイメージです。ティッピングポイントとは、物事がある一定の閾値を超えると一気に全体に広まっていくタイミングです。詳細は下記の書籍を読んでみてください。
アカデミーヒルズのライブラリーは、「自律的に自立した個」を目指して活動をしています。そのメンバー一人ひとりが、ちょっとずつコンフォートゾーンを出て、そしてメンバー同士が交流を通じてネットワークを築くことでパワーが2倍、3倍ではなく、2乗、3乗で増えるイメージです。
そのような動きがいつか、社会を変えていく力になればいいなと思っています。
タイトルに掲載した写真は「あじさい」です。一つ一つは小さくても集まって大きなお花になっています。
アカデミーヒルズ 熊田ふみ子
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