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“B Corp認証”を知っていますか?-虎ノ門ヒルズ Social Breakfast-

Social Breakfast(まちのプロデューサーズ主催)は、「社会のために一歩踏み出したいけれど、何から始めたらよいかわからない!社内外の人たちとソーシャルグットで繋がりたい!先駆者に学び、社会を新たな視点から眺めてみたい!」という方々が気軽に集える場を目指して、毎月第1,3木曜日の朝8時から虎ノ門ヒルズで開催しているイベント(朝食代無料!)です。

11月の第5木曜日は特別編として、IDEAS FOR GOODとのコラボ企画として開催されました。
「世界を“もっと”よりよくするアイデア」をテーマに、環境と社会に優しい企業を対象とした認証「B Corp認証」についてのお話でした。

ところで、B Corp認証をご存じですか?
IDEAS FOR GOODを運営するハーチ株式会社も取得しているB Corp認証とは…

B Corporation(Bコーポレーション)は、社会や公益のための事業を行っている企業に発行される国際的な民間認証制度のことで、2006年に始まった。略して「B Corp(Bコープ)」とも呼ばれる。

Bコーポレーションを考案したのは、アメリカのペンシルヴァニア州にあるNPO団体「B Lab」だ。社会貢献のためにビジネスを使う世界的なムーブメントを起こすことを目指しており、B Corporationの「B」は、Benefit(ベネフィット:便益)を意味している。

フェアトレードやオーガニック製品などの商品を認証する制度はあったが、Bコーポレーションは企業そのものを評価する制度である。Bコーポレーションを取得するためには、ビジネスのアカウンタビリティや透明性、社会的パフォーマンス、環境へのインパクトなどの条件をクリアすることが必要だ。

IDEAS FOR GOODの下記サイトから転載

※B Corporationの「B」は、その後「Benefit for all」の「B」を意味することになったそうです。

世界92か国、7,800社を超える幅広い業界の企業がB Corp認証を取得しています。皆さんが良くご存じのパタゴニアはリーダー的な存在です。その他にもフランスの食品会社のダノンやアパレルのallbirdsなどがあります。日本企業は、IDEAS FOR GOODの運営企業ハーチ株式会社の他に、ダノンジャパン株式会社や石井造園株式会社など全部で33社(2023年12月現在)です。

B Corp認証は、「社会や環境に良い商品・サービスの提供」だけではなく、企業を全方位的に評価するため、取得にはハードルが高いと言われています。
具体的には、B CorpのwebサイトにあるB Impact Assessmentで200問以上の設問に対して回答して、80点以上のスコアを獲得できて初めて申請ができます(質問内容や設問数は業界によって異なるそうです)。
質問は5つのセクションから構成されていますが、上記のIDEAS FOR GOODのサイトでは、各セクションの質問例として、以下があげられています。

  • ガバナンス:会社のミッションは何か? / 会社の最高レベルの監督者は誰か?

  • 従業員:従業員のパフォーマンスに対するフィードバック方法は? 

  • 環境:再生可能エネルギーの割合は? / 水利用についてモニタリング・管理しているか?

  • コミュニティ:経営陣における女性、マイノリティ、障害者、少数民族などの割合は? / 環境・社会インパクトに関するサプライヤーの評価方法は?

  • 顧客:製品やサービスの中に、顧客や受益者にとっての社会的・経済的問題を解決するものがあるか?

この度のSocial Breafastに登壇された加藤佑さん(IDEAS FOR GOOD創刊者)は、「サービス業で環境やサプライヤーとの取り組みという視点で何ができるか?」という質問に対して、「ハーチでは、オフィスのゼロウェイストや文房具などの備品をどのような企業から調達するか、という点まで考えた」とお話されていました。
本当に細かいところまで配慮が必要なのですね

このようにハードルが高いからこそ取得した企業は信頼され、認証された企業の商品・サービスを安心して購入できるわけです。また、若年世代では「B Corp認証企業で働きたい!」という声もあり、顧客だけではなく従業員へのインパクトもあります。
そのために、取得を目指している企業は世界的に多く、現在は申請をして審査完了までに1年近くかかるそうです。
また、日本においても経済産業省がJ-startup Impactの企業30社に対して、B Corp認証の取得を支援するという動きもあります。

さらに、B Corp認証企業同士は連携して、世界をより良い方向へ導くという宣言があります(B CORP DECLARATION OF INTERDEPENDENCE)。
そのために、例えば下記のような発想が生まれるようです。


  • 「どうやって相手より優位に立つか」ではなく「どのようにみんなのインパクトを組み合わせられるか」

  • ビジネスの成功は「世界で一番になること」ではなく、「世界にとって一番良いことを成し遂げること」


こちらは、中小企業診断士でB Corp認証コンサルの藤原彩香さんが下記のイベントでお話されていた内容です。

そして、加藤佑さんの「今は日本の認証企業は30社強なので希少価値だが、これから認証企業が増えてくると相対的に価値が下がるという考え方もあるかもしれません。しかしそうではなく、認証企業が増えると連携することによるインパクトが大きくなるという発想が重要だと思う」というコメントが印象的でした。

まさに、「『どうやって相手より優位に立つか』ではなく『どのようにみんなのインパクトを組み合わせられるか』」的発想だと思います。

Social Good(社会に良いことをしよう!)と言っても、「私一人では何もできないよ!」というのが実は本音でしたが、例えばB Corp認証の企業の商品やサービスを購入することなら私でもできるかも!と思っています。

改めて、Social Breakfastのステートメントを記します。


世界を変えるなんて大それたことを
小さな朝ごはんからはじめよう。
最小の世界は、今あなたがいるその場所です。
あなたが動けば、小さな世界は変えられる。
さらに一歩踏み出せば、人と人が関わる世界がある。
隣の誰かに呼びかけるだけで、二人の世界が変わるかもしれない。
朝ごはんで出会う、中くらいの世界から、
もっともっと世界を開いて。
あなたが描く世界をつくろう。


小さな朝ごはんからなら(少し早起きをして)、誰でも始められるなと思いました。

11月30日のSocial Breakfastに登壇した
加藤佑さん(IDEAS FOR GOOD 創刊者 / Harch Inc. 創業者)(左)、
岡 望美さん(B Corp認証コンサルタント)(右)

最後に、B Corp認証コンサルタントの岡望美さんや藤原彩香さんたちのnoteのサイトを紹介します。B Corp認証をより深く理解できると思います。


アカデミーヒルズ 熊田ふみ子

#アカデミーヒルズ #SocialBreakfast #BCorp認証 #ソーシャルグッド #IDEASFORGOOD #J -StartupImpact

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