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本のある空間を演出する

アカデミーヒルズ(六本木ヒルズ森タワー49階)にある、13メートルのエントランショーケースをご存知でしょうか?
2~3ヵ月に1回の頻度で、本にまつわる展示をしています。
3月から「未来を洞察するためのSF ~Books For insight into the future~」と題して、20世紀に書かれたSF小説やSF思考をテーマにした書籍を紹介しています。

この展示は、SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS(略してSPBS)や小説家の方々に企画をして頂きました。下記のwebサイトに展示内容やSPBSの工藤眞平さんのインタビュー(Podcast)を掲載していますので、アクセスしてみてください。

エントランスショーケースはガラスで囲まれているので、展示されている本を手に取ることができません。そのためにパネルなどを駆使して本の魅力を伝えている、ちょっとユニークな展示空間です。


ちなみに、SPBSの工藤さんとの出会いは、2020年6月に虎ノ門ヒルズのビジネスタワーにSPBSが出店されたことががきっかけでした。お店を初めて訪ねたときに、本の並べ方がとても魅力的だなという印象を強く受けました。
ライブラリーを運営していると、つい「本の並べ方」、配架方法や装飾、本がある空間をどのように演出しているかに興味がわきます。虎ノ門のお店は、本に吸い寄せられる感じがしました。


そんな折、2021年2月に虎ノ門ヒルズレジデンシャルタワーの担当者から、「新しくできるレジデンシャルタワーには“ライブラリー”という空間があるが、選書について相談したい」という話が、アカデミーヒルズへ舞い込んできました。
そこで頭に浮かんだのがSPBSの工藤さんでした。
レジデンシャルタワーは、「都市生活の新しい豊かさを提案する」をコンセプトに、トニー・チー氏がインテリアデザインを担当されています。
そのため、ライブラリーという空間にどのような本を選書・配架するか、どのように演出するかはとても重要です。そこでSPBSの工藤さんに相談してお願いをすることになりました。そのレジデンシャルタワーが今年の3月にサービスをスタートしました。

reレジデンシャルタワー

通常は入居されている方々のみの空間になりますが、完成直後に特別に内覧をさせていただきました。
画集や写真集など大型本で四方を囲まれたライブラリーは、本に囲まれている安心感、そして心を豊かに、クリエイティブにしてくれる知的空間でした。正に本のパワーを感じる空間でした。
つい、「このパワーは何か?」と、一緒に見学したライブラリー事務局の結縄さんに問いかけました。結縄さんの「工藤さんの本への“愛”ではないでしょうか!」という回答に、私も納得しました。


工藤さんと一緒にお仕事をする中で、シチュエーションに合わせて、本を演出することの奥深さを感じました。
アカデミーヒルズのエントランスショーケースは展示はされているが本を手に取ることができないシチュエーション
SPBSの書店では多くの方に魅力を感じてもらって実際に本を手に取ってもらうシチュエーション
虎ノ門ヒルズレジデンシャルタワーのライブラリ―は、居住者のための日常の中で豊かさを感じてもらうシチュエーション

シチュエーションごとに、「誰が、どのような状況でそこへ来るのか?」、それに対して「どのように演出すれば、本の魅力を伝えられるか?」という問答の繰り返しの結果なのかなと思います。
その繰り返しの中で、“想い”・“愛情”を注ぎ込むことが鍵でしょうか。

re二人

上の画像は、Podcastを収録している工藤さん(左)とライブラリ―事務局の結縄さん(右)です。
最後に、工藤さんへ選書するときの心得を伺ったところ、「なぜここにこの本を置くのか?」を考える、とのことでした。


※アカデミーヒルズのエントランスショーケースで展示している書籍は、六本木ヒルズライブラリ―にあるグレートブックスライブラリ―に配架しています。ライブラリーメンバーの皆さんは手に取ってご覧いただけますので、是非お越しください。

アカデミーヒルズ 熊田ふみ子


#アカデミーヒルズ #SPBS #虎ノ門ヒルズ

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