「秘密のインコ」
このタイトルが下ネタに見えた方は、もういろんな意味で限界に来ているのだろう。大自然の中でふんどし一丁、滝に打たれるしかない。
小鳥のインコにまつわることを話したいのである。
日常の中に突然として転がり込んでくる「悲劇」というものがある。私が子供の頃にそれは起きた。
その日はいとこのおばさんの家に遊びに行っていた。昼下がり、たまたま私とおばさんの2人きりになった。おばさんは綺麗好きであるから、せわしなく家中を掃除している。私はのんきにゲームウォッチのファイヤーに夢中だ。
隣の部屋がチラリと見えた。おばさんはペットとして飼っているインコのカゴを掃除機で綺麗にし始めた。手慣れた感じで「グォーーーーン」と。
「わぁ!!!」
おばさんの悲鳴にびっくりした。私は飛んでいって聞いた。
「どうしたの!?」
「わ、わ、大変!!」
なんとインコを掃除機で吸いとってしまったらしい。え?死んだ?一瞬そう思った。いとこの子供たちが大切に育てていたインコだ。悲劇である。こりゃヤベェことをしたなおばんさんよぉ!私はやさぐれ刑事のような乾いた目でおばさんと空になったカゴを交互に見た。
「はっ、そうだ!取ってみよう」
そういっておばさんは掃除機の管をつぎつぎに外し始めた。
「ポン!、ポン!、ポン!、プリンッ!」
インコの顔が出た
「あっ!生きてた!よかったぁ〜!!」
2人の声が重なった。
その後2人で話し合った結果、このことは他の子供たちには言わないことにした。変に心配するといけないから。おばさんと私だけの秘密にした。
こうしてまた何気ない日常が帰ってきたのである。
ではまた。
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