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【学習】塾生のノートに学ぶ。マインドマップを活用した学習法
今回は「マインドマップを活用した学習法」というテーマです。
以前に
こちらの記事で元塾生の3年間分のノートをダイジェスト的に紹介しながら、勉強が上手くなっていく様子をまとめました。
その中にマインドマップという技術が出てきたんですが、今回は現塾生でマインドマップを活用して勉強がすごく上手くなった生徒がいたので、お願いしてノートを貸してもらいました。
上の記事と同様に、実例をふんだんに見せながら、どこが良いのかを解説していきたいと思います。
そもそもマインドマップとは?
マインドマップとはノートづくりの技術のひとつです。
こんなふうに語句を線で結んでいくように作ります。
詳しくは下記のURLを参考にして下さい。
大事なのはカタチじゃなくて頭の中
すごく特徴的な見た目をしているマインドマップなんですが、何か優れいているかと言うと
つくる時に、めちゃくちゃ頭を使う
ということです。
基本的には教科書を読みながら、そこに書かれていることをマインドマップの形でまとめていくという方法を採るのですが、いい加減に教科書を読んでしまうと上手なマインドマップは作れません。
ただただ「語句を覚えよう」という気持ちで読むのではなく
「どういう意味だろう?」
「なんでこうなるんだろう?」
と思考しながら読まなくてはいけません。
だから、ちゃんとマインドマップを作ろうとすると頭にかかる負荷がハンパなく増えます。でもこれが良いトレーニングになっている証拠。
もちろん、しんどい分、大きなメリットもあります。
それは
頭の中が整理される
ということ。頭の中が整理されていると
①記憶を呼び出しやすいので語句問題に強くなる
②語句同士の繋がりが理解できるので記述問題に強くなる
という強みがあります。
ちなみに
頭の中が整理される
というのは当たり前ですが社会人にも必要なことで、結構マインドマップを使って勉強・思考する社会人は多いです。
僕もその一人。僕はもう手書きがしんどいので、パソコンにマインドマップをつくるソフトを入れていて、こういう記事を書くときには先にマインドマップをつくって頭の中を整理してから書き始めることが多いです。
その方が圧倒的に早く書けます。
こんな感じです。
社会に出ても使える学習技術
というのが僕の指導のコンセプトなので、マインドマップの指導は多用しています。
塾生のノートに学ぼう
さていよいよ実際のノートを見ながらこの学習法のポイントを見ていきましょう。
まずはマインドマップを活用し始めたばかりの時のノートが
こんな感じです。
これはこれで言葉はすごく充実しているし、大変な努力の跡が見られて素晴らしいんですが、少しごちゃついている印象ですね。
マインドマップ = 頭の中の整理状態
なので、
言葉はたくさん入っているけど、それらが上手く整理されていない
という頭の状態になってしまってそうです。
具体的にみると、例えば
これ。
鎌倉⇒武士⇒武士団⇒源氏⇒鎌倉幕府⇒3代で終わる⇒執権⇒北条氏⇒北条時宗⇒徳政令
と言葉が10コも繋がっています。
これだけ知識の連鎖が長くなってしまうと、認識するのも一苦労。
マインドマップはあくまで頭の整理が目的なので、言葉の数を削ってでも、もう少しコンパクトにしたいですね。
さらに言葉を書く場所も少し工夫が欲しいところです。
どういうことかと言うと、
これは僕の方で色付けしてみたものです。
中心が赤。
そこからオレンジ⇒黄色⇒緑⇒水色⇒青⇒紫と遠ざかっていくようにしています。
こうしてみると、黄色より青の方が中心に近いということが起こっている時があるのがわかります。本来は黄色=近い 青=遠いのハズなんですが。
マインドマップでは中心との距離が大切で、中心に近いほど抽象的な言葉、遠ざかるにつれて具体的な言葉になっていくのが正しい整理の仕方です。
上の色分けで言えば中心に近いところに暖色系の色が、遠いところに寒色系の色が配置されるように描いていけば思考も整理されていきます。
それを改善してくれたのがこちら
きれいに知識が整理されているのが一目でわかります。
知識の連鎖もかなり短くなって、認識しやすい状態になっています。
2枚目からは色分けの工夫も導入して言葉を置く場所も意味を持つようになってきています。
さらに繰り返してレベルアップすることで
こんな感じになりました。
とても洗練されていて、コンパクトに整理できています。
繰り返し言いますが、
マインドマップ = 頭の整理状態
です。こういうお手本を見せると、見た目が見やすくてきれいなノートが良いらしいと勘違いして、無駄に凝ったノートを作ってしまう人がいますが、それは誤解です。
ノートの見た目がきれいなことに意味はありません。
ノートを作る過程で、どれだけ頭を回したか
ノートを作る過程で、どれだけ内容が深い理解と共にインプットされたか
ノートを作る過程で、どれだけ頭の中が整理されたか
結局大切なのは頭の中です。
勉強の成果は目に見えません。
目に見える部分(ノート)を手掛かりにして、頭の中を推し量ることが重要です。
これらのマインドマップも見た目がキレイだから褒めているワケではありません。
これを1枚作るには、かなり深く教科書を読み込まなければいけません。
出てきた知識をどうやって整理しようか、一生懸命頭をひねらなければいけません。
その頭にかかった負荷が、知性をつくっていきます。
マインドマップはあくまで頭に負荷をかけるためのツールです。
これらのマインドマップからは、ちゃんと頭に負荷をかけて努力をしてきたことが読み取れます。だから価値が高いのです。
ここまでくればクオリティとしては卒業レベル。
あとはできるだけ時間短縮して、テンポよく学習を進めていく必要があります。
その点では
こういったのも高く評価できます。
これまでのカラフルなノートに比べると、随分殺風景に見えますが、おそらく思考量は同じくらいです。
むしろ慣れてきたから、色分けする必要がなくなってきた
と捉えるべきです。
つまり、成長の証ということ。
あまり「学習を分析する」ということに秀でていない指導者は、
特に1枚目などは
「雑だ」
と批判するかもしれませんが、それは間違い。
思考量を下げずに、使う時間を短くできているのだから、これは成長です。
これらを見て手を抜いていると捉えるのか
シンプルに勉強できるようになった成長と捉えるのか
は指導者の力量。
点数や見た目のキレイさではなく、中身を見られるかどうかです。
指導時はあくまで「社会の勉強法」ということで教えましたが、他科目にも応用可能。
この学習をどんな科目に応用できるようになったら、知識のインプット・知識の整理で今後困ることはないと思います(高校・大学レベルでも大丈夫)。
最後に個人的に一番出来が良いと感じる1枚を載せておくので、この学習法を取り入れたい人はお手本にしてみて下さい。
(ウチの塾生であればリクエストしてくれれば授業に取り入れます)
【アカデミー神戸進学会】
神戸板宿・宝塚山手台にあるコーチング型個別指導の専門塾です。「学習のプロ」が生徒の学力を細かく観察・分析し、学習法・計画法・キャリア形成に特化した指導をしています。 noteでは塾生向けに学習法・受験・進路・キャリアについての情報を 保護者の方向けに教育・受験・キャリアについての情報を発信します。
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