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【書評】読書のススメ_5月25日

宝塚山手台教室の保護者の皆様および生徒の皆様へ

月2回配信しています本紹介シリーズをいつも読んで頂きましてありがとうございます!
どのような形で配信するのが読んでいただけやすいのか試行錯誤をしていまして、今回はお試しにこちらのページでブログ形式の書評を書いてみております。
・いつものLINE配信の方がイイ!
・こっちのブログの方が読みやすい!
など、またご意見いただくことがあるかと思いますがご協力いただけると嬉しいです!

さて、今回は藤澤からご紹介させて頂きます。
『さすらい猫ノアの伝説』重松清
『クローズド・ノート』雫井脩介
の2作品です。

山手台教室 藤澤

『さすらい猫ノアの伝説』 重松清

こんな人にオススメ!

○元気をもらいたい
○猫が好き
○小学生
○中学生

本紹介をアレンジ

前回(5月11日配信)分から本紹介の仕方を少し変えてみています。
本を手に取ってもらいやすいように具体的には子どもたち向けに1冊と大人向けに1冊の合わせて2冊をご紹介という風にしてすみ分けをしてみました。
しばらくはこのようなカタチでご紹介する本を選んでみようと考えています。(今後また変えてみたりするかもしれませんがそのときはご容赦ください…)

物語の鍵は「猫」

この本はGWに僕が読んだ本です。前回の本紹介で西富先生が『三毛猫ホームズの推理」を紹介されたので、2週連続で「猫」がかぶってしまいましたが…(笑)この『さすらい猫ノアの伝説』は重松清さんが手がけた児童文学です。小学校が舞台の物語で文章も難しすぎないように書かれており、読みやすい作品になっております。(漢字にふりがながついていないのでそこだけご注意を!)
さて、この本には1匹の黒猫が出てきます。名前は「ノア」。飼い猫なのか野良猫なのかはわかりません。もちろんしゃべりません。わかっているのは、小学校をてんてんと渡り歩いてはそこで起こる事件を解決していくということだけです。どうやって解決していくのかは、読んでみてからのお楽しみです。

自分も登場人物になってみる

この本にはいろいろなタイプの小学生が登場します。クラスのまとめ役だったり、お調子者だったり、少し内気だけどクラスをよくしたいと思っている子だったり。そこでこの本をより楽しめる方法があります。それは「自分もクラスの1人になったつもりで読んでみる」というものです。このとき私だったらどうするかなぁ…。ぼくだったらどんな風に思うかなぁ…。なんてことを考えながらこの本を読むとグッと物語に楽しく入っていくことができます。


『クローズド・ノート』 雫井脩介

こんな人にオススメ!

○ピュアな恋愛モノも好き
○読んだあと切なくなりたい
○高校生
○大学生
○大人

盗み見るタイプの恋愛モノ

この本も5月に読んだものから1冊ご紹介しようと思い選びました。この本はジャンルとしては恋愛モノに含まれるのですが、よくある主人公×相手の組み合わせではありません。この小説は、大学生である主人公の女の子があるきっかけで「誰かが忘れていった日記」を盗み読んでその人の恋愛事情を見届けるというカタチを取っています。日記を通して赤の他人の恋愛を盗み読む主人公の心のウチ側を読み届けるわれわれ読者、という読み方で入り込んでいけるユニークな小説です。こんな書き方をすると誤解をまねきそうですが、ドロドロとした感じではなくむしろピュアで、少し切ない読後感を味わうことができます。高校生や大学生なら十分読めますし、大人の方は学生時代に戻ったつもりで読んでもらえると楽しめます。あっ、僕がそうしたのですが、部屋を少し暗くして白熱灯のようなオレンジっぽい明かりの中で読むと雰囲気が出ます(笑)

悩むことを受け入れる
「わからない」から動いてみる

この物語の中心となる日記、この日記の主は女性で小学校の先生をしていました。(~した、と過去形で書いたのは、ぜひこの本を手に取って真相を確かめて欲しいからです(笑))僕はこの日記を読み進めながら、その女性の心中にすごく引き込まれたんです。目の前の子どもたちの様子をしっかり見て、子どもたちのために何をしてあげられるかを考える。自分にわからないことがあれば、わかる人に教えてもらうように動いて…。職種は違えど同じく「先生」と呼ばれる立場で、自分なりに悩んで答えを出していこうとする姿勢に、あらためて襟を正される思いでした。「人に教える立場にいると、「教えてもらう」側の気持ちを忘れて傲慢になってしまう。だから僕たちの立場こそ、日々勉強して分からないときは人に頭下げて教えてもらう、代わりに僕たちが伝えられることを目一杯考えて伝えてないといけない。その姿勢を忘れちゃいけないっすよ。」これは西富先生から何回も指摘されてそのたびに耳が痛くなってしまうことです(笑)
すごく真面目な感じになってしまったのですが、子どもたちのためになることを悩んで考えて答えを出して続けていくことに僕はとても価値を感じています。
誤解をまねかないように、この本はジャンルとしては恋愛モノです。僕のような読みとり方は特殊な方なので安心してください。
これもちなみになのですが…この本は2007年に沢尻エリカさんが主演で実写映画化もされています。(僕は映画のほうは見ていません。また機会があれば。)興味を持たれた方は、教室で貸出しておりますのでぜひ手に取ってみて頂ければと思います。

#読書 #おすすめ本紹介

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