白龍亭小夜話③ スロー・ラーナー
<一>
よお、美味そうなツマミ食ってるじゃないか。
ちょっと分けてくれよ。
へへ…ありがとな。
そうだ、礼と言っちゃなんだが俺の波瀾万丈物語を聞かせてやろうか?
…興味ないって?
まあそう言うなよ。
酒のついでにちょっと付き合うくらい良いだろ?
俺は小さな村にある宿屋の次男坊として生まれた。
手前のアホ面晒して走ってるガキが俺だ。
親父は家族に暴力振るったり、今思い返してもロクでもないヤツだったね。
宿屋だっていわゆる連れ込み宿ってやつでさ。
商売女が毎晩オッサンを連れて