見出し画像

海馬瀬人だと思い込んでる人になりたかった高校時代

  自分は憧れる人物は誰だと聞かれたら、海馬瀬人と即答する。
 そうなったのは高校生の頃だった、遊戯王ハマり色々見ていくうちに「俺こそが遊戯王の海馬瀬人だと思って間違ってしまった高校生時代」という有名なスレを見つけたことが原因だ。それ以降強烈な憧れを抱くこととなった。
  今日はスレを読みながらどこに憧れたかを解説したい。

 前半は自分の行動を恥じるようにスレ主がポツポツと黒歴史を語り出す。
例えば
・学校ででかい声でセリフを言う
・口調が完全に海馬瀬人になる
・近所の子供にセトと呼ばせる

……など、抜き出して描いててもめちゃくちゃイタくて苦しくなってくる。
のだが、このスレッドは痛いだけでは終わらない中盤になると


 言動のせいでいじめを受けていたが、キャラクターインストール力で奮闘したエピソードが語られるようになる。正直すこぶるかっこいい
当時の自分は、仲良かった友達が低血圧による保健室通いになり、話す人が消滅。クラスで浮いた存在になっていた。
 その時は一生Twitterやってたせいでアカウントがバレ陰でユザネ呼びされたし、妙なセクハラを受けたりする等散々な思いをしていたのだが、その時は必ずこのスレッドを思い出した。


 海馬瀬人ならこんな状況どうってことないのだ。自分は海馬瀬人だ。そう思うほど些細なことがどうでも良く、【俺ロード】が見え始める。自分は自分でいいと思えた。
 修学旅行で友人に恋人とデートするための、踏み台にされても、温泉内で1人置いて行かれて迷子になってもハラスメントを受けようとも屈せずそもそも痛みを感じず生きていた。それは、海馬瀬人はそれらに興味がない人だったからにすぎない。

 実際に海馬瀬人も、「俺の後ろに道はない見えてるのは未来のみ」みたいなこと言ってたな。
 最近原作の遊戯王を読んでいるのですが、主要キャラの全員が心を黒く染めてくる敵キャラたちに対して「俺の未来は明るい」とか、「現在は俺が決めるもの」とか「何度だって夢を諦めない」とか発言をしています。「未来を明るく見て欲しい」という高橋和希先生からのメッセージなんだろうな、素敵な祈りだと思って心が熱くなります。

 スレ主は、自分の未来についてを「自分は心が弱いからこそ海馬瀬人に憧れた、そんな人たちの役に立つ仕事がしたい」と精神科を志していると語る。
 自分もいつかそうなりたいと思った。高く志を持ち、何かに憧れて自分なりの道で海馬瀬人を体現する……そんな人物に。

 海馬瀬人は気高い人だ。自分が好きなものは好き嫌いなものは興味がない、とさっぱりしているし頼み事をされると指図するなとキレるちょっとめんどくさくて怖い人だ。
 それでも、自分の志を失わないところや、降ってきた不幸に動じず自分が見つめる未来への道を突き進む姿は尊敬という言葉じゃ足りないほどの憧れを持ってしまう、魅力的な人物だ。

 海馬瀬人になりたかった人は、スレを読むともう海馬瀬人になってるとしか思えない。
 ここまで書いていると思うが自分は海馬瀬人ではなく、現代に生ける海馬瀬人に憧れていたんだろうな。
 ならば、自分は彼らと違う形で海馬瀬人を体現するしかあるまい。
 
 俺の道は輝かしい未来に続いているのだから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?